あなたはスペアのシャフト持ってる? 2024年の中古市場はシャフトが熱い!
中古ゴルフクラブ業界に携わって30年の“中古クラブ専門家・中山功一”が、旬な中古クラブ情報や購入時に参考となる豆知識などをお届けするコラムです。今回は、2024年の中古ゴルフクラブ市場の動向についてお話します。
写真/ゴルフサプリ編集部
定価の高騰によって中古市場に価値が戻り始めている
1999年、ドライバーは定価が5万円台のモデルが多く、中古品と新品との価格差が縮まった時期がありました。中古品は新品との価格差が大きいほど市場でのメリットが生まれます。高級時計、高級車、ブランド品、高額な商品を見ると、そのことがよくわかりますよね。
この当時(1999年)は新品と中古品との価格差が小さく、5000〜6000円を追金すれば、新品に手が届く相場だったため、中古市場は低迷しました。
あれから20年、驚いたことにドライバー、ウェッジ、パターの定価は約2倍になっています。定価が上がったということは、新品と中古品との間に価格差が生じ、中古市場にも価値が生まれるということです。
では1999年頃と何が違うかというとシャフトです。カスタムシャフトを選択すると、ドライバーの平均定価は10万円を下りません。シャフトの定価も上がっており、シャフト単体で4~5万円は当たり前で、高額なシャフトになると8~9万円ほどの価格になります。そして、こうした高額シャフトが登場したことで、中古シャフト市場も生まれました。現在では、シャフトの売買も当り前でヘッド単体の買取も行われています。
かつてシャフト交換する場合、エポキシ系接着材で固定されたホーゼル部分にヒートガンなどで熱を加えて抜くことが一般的でした。普通のゴルファーは、万力やシャフト抜き器などの工具がないため、工房へクラブを持ち込んで交換してもらうしかありませんでした。
それを覆したのが、通称“カチャカチャ”(調整機能)つきドライバーです。このドライバーの登場で、いまはレンチ一つでシャフト交換が可能となっています。
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ドライバーは「調整機能付きモデル」が当たり前の時代
2010年ごろから登場してきた調整機能付きドライバーですが、現在ではそれが当り前のようになっています。調整機能については、30年ほど前から各メーカーが開発をしていましたが、近年、それは完成系に近づいてきたのではないかと思います。
かつてはモデルによってスリーブ部の構造が異なっていましたが、現在では、メーカーごとに同じスリーブ形状になっています。調整するレンチのほうは全メーカーほぼ同じ形状で、工具のプラス・マイナスドライバーと同じように規格が統一化してきています。
ゴルフクラブの性能はシャフトによって大きく左右されますが。この「カチャカチャ」(調整機能)付きドライバーが当り前となった現代では、シャフトの性能も簡単に比べることができるようになりました。
「重量が違うシャフト」、「トルクが違うシャフト」、「キックポイントが違うシャフト」をレンチひとつで簡単に打ち比べることができます。
シャフトの買取り・販売は2023年から活発化し、中古ショップでも買取りを強化しています。キャディバッグやウェア、シューズなどアパレル関係の中古市場も伸びていますが、それ以上に伸びているのが中古シャフト市場です。
専門家目線で言えばスリーブのないシャフトは、一旦ヘッドから抜くわけですから、中古と呼んでいいと思いますが、スリーブが付いているシャフトは、ヘッドから引き抜くといったことをしないで済むので、劣化することが少ない”パーツ“と呼びたいですね。
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