フィニッシュの時、左足1本立ててる!? これがキレイなスイングのバロメーター!
ゴルフコーチ・兼濱開人がレクチャー 初心者から覚える『キレイなスイング』の作り方! VOL1
兼濱開人コーチが初心者にも分かりやすくレッスンする『キレイなスイングの作り方』シリーズ。第1回はキレイなスイングって何? どうしてキレイなスイングがいいの? といった初心者たちの疑問に答えつつ、キレイなスイングを作るための必須ポイントをレクチャーする。これからはカッコいいゴルファーを目指してどんどん上手くなろう!
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/学芸大ゴルフスタジオ
キレイなスイングの第一歩は「左足体重のフィニッシュ」を決めること!
クラブがしっかり振り抜けて左足だけで立てるような体勢がベスト
プロやゴルフの上手な人たちのスイングは見た目にもキレイですし、フォームも安定しています。「キレイ」という言葉からするとゴルファー個々の主観とかイメージの違いもあると思いますが、ボクが考えるキレイなスイングは次の3つの要素です。
・クラブの運動量が大きい
・スイングに淀みがない
・左足でフィニッシュのバランスが取れている
第一にキレイなスイングで振れていない人たちは、クラブの運動量が小さくてフィニッシュまでしっかりと振り切れていません。
これは「ちゃんと当たるかな?」といった不安な心理状態が原因です。フェース面をボールにきちんと当てようとして手先でクラブを操作してしまうと、グリップに対してヘッドの動きが小さい⇒ヘッドスピードが上がらない⇒フィニッシュが取れない,そんな具合にマイナスの連鎖作用を起こしてしまうことになります。
手先の動きが主体となるとクラブを振る動作がぎこちなくなってスイングのリズムやテンポが一定しません。スイングの度に違う動きとなりやすいようではクラブヘッドの軌道も安定せず、ナイスショットがなかなか打てないのです。
ゴルフを始めて間もない方々が最初からしっかり振り切るのは難しいとは思いますが、クラブヘッドで大きな円弧を描くイメージでスイングしましょう。そのためにも一つの約束事として「いつも同じ体勢でバランスのいいフィニッシュを作ること」を心がけてみてください。
ポイントとしてはクラブを振り終えたときに体重が左足にしっかり乗っていて、左足だけでもバランスよく立てるような体勢を作ること。リラックスして左足で立てているくらいの状態がベストです。
具体的にいえば胸やお腹、右ヒザ、右足の甲が目標方向を指し、シャフトが首の後ろか背中に触れるくらいまでクラブが振り抜けているフォームです。こうしたフィニッシュを意識してスイングすることでクラブヘッドの運動量が大きくなり、軌道も安定しやすいのです。
キレイなスイングなら歳をとってもフィニッシュのバランスがいい
誤解のないように伝えておきますが、頑張ってフィニッシュまで振り抜きましょうということではありません。力を入れたりカラダを過剰に回したりするとフィニッシュの体勢が崩れやすく、左足でカラダのバランスを支えることができなくなります。
ゴルフのスイングは「いかに同じ動作の繰り返しでクラブを振れるか」にかかっているのです。フィニッシュのバランス感覚を重視すればスイングの反復性が向上し、ナイスショットの回数は必ず増えてきます。
ところでアマチュアの方から見てキレイなスイングだなと印象を受けるのは女子プロたちではないでしょうか。スイングのパーツ別には参考になるポイントがいくつかあるかもしれません。でも女子プロたちのカラダの柔軟性や稼働域とはかなりの差があってマネは難しいと思います。
最高の見本といえるのはシニアプロたちのスイングです。先日、かつて『帝王』の称号で知られたジャック・ニクラスのプロデビューの頃から最近までのスイングの変遷を動画で見ましたが、今でもフィニッシュがきちんと取れていました。
もちろん若い頃に比べればカラダが硬くなり、関節の稼働も小さくなっていますが、クラブの運動量はそれほど落ちていませんし、フィニッシュのバランスも崩れていません。クラブをフィニッシュまで振り抜いた反動でクラブを胸の前にすっと戻す人もいますが、この場合も体重が左足に乗ったままでカラダのバランスが取れています。
ボクとしては多くのシニアプロたちのように、元々カラダをしっかり使えていた人たちが歳をとってもクラブを最後まで振り抜けるのをキレイなスイングと定義づけたいのです。こうした定義で当てはめれば、大ケガから奇跡的に立ち直ったタイガー・ウッズもキレイなスイングの第一人者といえると思います。
兼濱開人
かねはま・かいと
1990年9月11日生まれ、沖縄県出身。ジュニア時代から各大会で活躍。現在は学芸大ゴルフスタジオ(東京都目黒区)のヘッドコーチとして多くのアマチュアをレッスン。整体師としての知識を活かしたカラダにやさしい生涯スイングの指導が定評。飛ばしを追求し、19年のドラコン大会で平均329ヤードを記録して優勝した経験を持つ。
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