テーラーメイドの新作「Qi10 MAX」「Qi10」「Qi10 LS」をコースで試打!最も可能性を感じたのは…
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。
また今年もテーラーメイドから新製品が発表されました!よく毎年これだけクオリティの高いクラブを作るな~と思うのですが、今年もなんだか凄そうです。ドライバーは3種類のヘッドが発売されましたが、今回もカーボンフェースが採用されています。そして慣性モーメントがめちゃ高くなっているのだとか。いったいどんなクラブに仕上がっているのでしょうか。さっそくコースに3本を持ち込んで試打してみました!
<取材・文・写真提供 ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ>
慣性モーメントが10000超え!?
今回テーラーメイドから発表されたのは「Qi10(キュー アイ テン)」シリーズ。その中でドライバーは「Qi10 MAX」「Qi10」「Qi10 LS」の3種類となります。テーラーメイドが「カーボンウッド」と呼ぶカーボンフェースのドライバーとしては第3世代となります。
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今回の進化はどこにあるのでしょうか?
(1)まずはフェースですが、60層のカーボンツイストフェースという構造はそのままで、部分的にフェース面の肉厚を変えたことと、新開発のフレームとの相乗効果でフェース広範囲でのエネルギー伝達効率が向上し、ボール初速のアップに成功しています。
(2)次にクラウン部分ですが、クラウンのカーボンエリアを大幅に拡大しています。なんとクラウン面積の97%をカーボンで構成することで余剰重量を生み出し、新しいヘッド形状やヘッド内部に重量を再配分することで、高い慣性モーメントを生み出しています。
(3)とにかく今回の「Qi10」シリーズの売りは「高慣性モーメント」。名前の「10」というのは「10K」からくるもので、これは10000という意味。左右上下の慣性モーメントの数値を足すと、10000になるということからつけられているんですね。なので打点が左右、上下にズレたとしても、ブレることなく、また飛距離を落とすことなく飛ばせるということなんです(慣性モーメントが10000を超えているのは「MAX」のみ)。
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しかし慣性モーメントを上げるということと、飛距離を伸ばすということは相反するんですよ。一般的には高慣性モーメントになるとスピン量が増えたり、ヘッドスピードが落ちたりするんです。その相反する条件をカーボンウッドならではの重量配分で実現しているんですね。
また、高慣性モーメントのクラブは振りにくさを感じることもあります。特にヘッドをターンさせて使うタイプのゴルファーにはとても扱いにくく感じてしまいます。その点においても最適な重量配分で解決しているということなんですね。まさに振りやすく、飛んで曲がらないドライバーになっているということ。
まずは一番慣性モーメントの大きい「Qi10 MAX」を打ってみました!
まず構えてみて思ったのは、ヘッドが丸くて大きい!他のモデルよりネック側のシェイプが少なくなり、後方が伸びているという感じです。とても安心感がありますが、構えにくさというのは全く感じませんね。試打したのは、ロフト10.5度でシャフトは純正「Diamana BLUE TM50」のフレックスS。中調子でトルク4.3というシャフトのようです。これで総重量は約310グラム、バランスはD3.5。
打ってみて驚いたのは、恐ろしく高弾道ということ。そして捕まりもよく、フェードヒッターの僕でもほんの少しだけ落ち際に左に行く、高弾道ドローが打てました。しかもほぼ曲がらない!トゥやヒールに当たったという感触はあるものの、弾道はあまり変わらないんですよね。球は上がるし、飛距離の落ち込みも少ない。
打感は少し柔らかめで気持ちよく、打音は低めながら少しだけ金属音のような音が最後に交じる感じです。スピン量はそこまで少なくなく、適度なスピン量で飛んでいると思います。
シャフトがけっこうしなるので、その効果で高弾道と捕まりが強調されている感じがしますが、ヘッド自体にもその傾向がありそうです。僕の場合、このスペックだと簡単に捕まった高弾道の球がフェアウェイに打てますが、少し上がり過ぎとスピンが多めなので飛距離がそこまで伸びない感じ。9度でもう少し仕事をしないシャフトでぶっ叩けば、かなり飛びそうな予感がします。
「MAX」を打って一番驚いたのは「振りやすさ」。今までの高慣性モーメントのヘッドで感じてきた振りにくさ全く感じず、気持ちよく振り抜ける。これは本当にすごいと思いました。
ってことで「Qi10 MAX」の印象は、捕まりがよく、高弾道でとにかく曲がらないヘッドということでした。ハードヒッターもシャフト次第ではかなり武器になるんじゃないかと。
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