飛距離と方向性を両立した超アスリートスイング、軸を右に残して、インパクトゾーンに強く、長く!
両ヒジの間隔を変えずに、上半身をタテに回す
2023年の中島啓太は日本男子ツアーで最も“飛んで、曲がらない”選手でした。飛ばせるポイントはバックスイングの深い捻転です。すごく体が柔らかいので、右足の角度をほとんど変えないで上半身を回したトップが作れます(写真4)。
ダウンスイングでも下半身を先に踏み込んで上半身が下りてくるのでヘッドが加速しています(写真5)。インパクトからフォローにかけては左腰がしっかり回っているので、体を回転させるパワーによってヘッドスピードを上げることができる。効率良く体を使うことで、スリムな体型でも平均飛距離300ヤードを超えるドライバーショットが打てるのです。
そして曲がらない要因は軸にあります。中島選手はバックスイングで少し軸を右にして、インパクトまで右軸をキープしたままスイングしています。よくアマチュアはインパクトで軸が左に動いてしまうので上半身が突っ込んでカット軌道になってしまうのですが、中島選手のように軸を右に残すことで、ヘッドがレベルブローに近い角度で動いてインパクトゾーンが長くなる。その結果として打点が安定して方向性が良くなります。
右足の角度をキープしたまま上半身を捻転する
左足を踏み込んでも、頭を右に残す
左足を強く踏み込みながらも、頭は左サイドに突っ込まずに右サイドに残っている。
スイングの再現性は日本ツアーNo.1!手元を高く、頭を低くすることで、伸びあがらず、最速スピードに
生粋のフェードヒッターの中島選手ですが、ダウンスイングの軌道はインサイドから入っているので、つかまったフェードボールで飛距離を出せます。いわゆるパワーフェードを打てる選手です。
アマチュアの皆さんに参考にしてほしいのは手元の高さと頭の高さです。アドレスとインパクトを比較すると、手元は10センチ以上も高くなっています(写真1と写真7)。
よく「インパクトはアドレスの再現」と言われますが、手元の位置がアドレスと同じ高さになってしまうと、のでスイングスピードが上がりません。手元を速く動かすためにも、インパクトでは中島選手のようにハンドアップになっていることが大切です。PGAツアーの選手を見ると、最近はほとんどの選手がアドレスよりも手元が高くなっています。
手元を高くしても、体が伸び上がってしまうのはNG。中島選手は足をジャンプするくらい蹴っていますが、頭の位置をアドレスよりも低くすることによって体全体が伸び上がらない姿勢でボールを打っています。頭を低くすることでアドレスからインパクトまで上半身の前傾角度をキープできます。それが再現性の高いスイングにつながっていると言えるでしょう。
もう一つ、インパクトで注目してほしいのは右ヒジです。右ヒジを曲げたままボールを打っていますが、このカタチも飛ばせる選手の共通点です。アマチュアはリリースが早いのでインパクトで右腕が伸び切ってしまう人が多いのですが、飛ばすためにはインパクトまで右ヒジを曲げて体のパワーをボールに伝えることがポイントです。
インパクトで右ヒジを曲げることで、体のパワーをボールに伝える
重心を少し高めにして上半身を回す
アドレスではほとんどヒザを曲げず、腕も体もリラックスさせた自然体の構え。重心を少し高めにしておく方が上半身を回しやすい。
右ヒジを曲げたまま右ワキ腹を縮めて打つ
インパクトの瞬間は右ワキ腹を縮めて、右ヒジを体にくっつけるように曲げている。肩は地面と垂直に近い角度でタテに回っている。
左ワキを緩めることで左腰が回る
インパクトからフォローにかけては左ワキ腹をゆるめて左サイドを解放させることで左腰が回る。左サイドに力が入ったままだとフィニッシュが小さくなってしまう。
解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。




