ニューモデルに買い替えたのに飛ばない……。そんな人は「クラブ迷子」になっているかも?【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスを贈る新連載。ゴルフクラブを買う際に必要な「正しい知識」を教えてくれる!
こんにちは。ダグ三瓶(みかめ)です。初めまして。
僕は、ゴルフクラブを探求してこの道30年になります。ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インク(タイトリスト)日米2つの業界最大のメーカーに所属し、その中で、クラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングと、様々なことをやってきました。
クラブ開発では、クラブを作る側からたくさんのゴルフクラブに関する知識を得ました。
ツアープロとのやり取りでは、プロの考えていることや、実際にやっていることを知ることができました。
また、マーケティングを通しての市場心理や、市場動向の仕組みも理解しています。さらに、クラブフィッティングを通じてのエンドユーザーとの直接の触れ合いでユーザー様、みなさんのお悩みやご要望もわかっているつもりです。
それから、ウェッジの第一人者のボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認めていただきました。
このような様々な体験から、ゴルフクラブに関しては、誰にも負けない知識を持っていると自負しています。
そんな僕が、今、一番にやりたいことは、
実は、みなさんにゴルフクラブを選ぶ際の知識を広めたい! ということなんです。
僕の知っていることを、みなさんと包み隠さず共有したい! です!
どのクラブでも謳い文句は「飛ぶ」。いったいどれを選べばいいのか?
買い替えで調子がいいクラブを手放してませんか?
今や、ゴルフクラブの情報は、お店に行かなくてもWeb検索で簡単に得られますし、その情報量たるや、あふれるほどあります。
特にメーカー側も買っていただくために、もちろん商品開発に力を入れながら、さらには、みなさんの目を引くようにタイトルやコピーを考えていますし、また、現代は、飛距離特化型のマーケティングが主流になっていますので、やや情報も偏りがちにならざるを得ません。
さらにレビューなどもたくさんありますから、どれを参考にしてよいのかも選択しなければなりません。
そんな状況の中から、ユーザー様、みなさんが正しい情報を見極めて、本当に良いものを選択するのは、非常に難しい時代になっています。
もしかしたら、けっこう迷子になっている方が多いのではないかなぁ? と予測できます。
ご自身が迷子になっている、という自覚があればまだいいです。クラブを新調したのに飛距離が伸びない。スコアも良くならない。それどころかミスの幅が大きくなってしまった……。にも関わらず、自分が迷子になっていると思っていないゴルファーが実に多いのです。
そういった方々の多くは、クラブを買い替える際、調子の良かったクラブを下取りなどで手放してしまって、戻るところがなくなっている方が多いですよね?
次から次に買い替えて、試して、買い替えて、試してを繰り返していくうちに、自分にとって合っていたものが、何だったのか分からなくなっている方、こういう方を迷子と呼んだりします。
実際、店頭やWebによる情報で、無数にあふれるばかりのクラブの中から、自分に合う1本を見つけるのは、実はけっこう大変な作業ですが、みなさんは、どういう状況で、どういった手順で、購入に至っていますか?
みなさんがクラブを買う「決め手」は何?
結構多いパターンとして、新製品が出た時に、新製品だからきっと性能が上がっているだろうな〜、という先入観もあり、メーカーのホームページなどで調べたり、また、試打動画などを参考にしてる方も少なくないでしょう。
これらの情報も、試打をしている方は結果を悪く言う方はあまりいないので、どうしても、前のめりで期待大となって、新製品を選びたくなる要素のひとつです。
そして、その中で、実際に試打をして、店員さんの意見を聞きながら購入に至る、という感じではないでしょうか? 店員さんも、新製品は売りやすいですから、新製品からオススメすることが増えていきます。
ユーザーの欲しい欲しい願望と、店員さんの売りたい願望が合致して、購入に至るという現場をこれまで数多く見てきました。
もちろん、この手法が間違っているとは思いませんが、僕の中で一番気になるのは、その購入目的、動機がやや曖昧になっているのでは?という部分です。
僕が声を大にして言いたいことの一つがこれです!
ゴルフクラブの購入には、きちんとした目的が必要! その目的にそった性能を発揮するモノを、きちんと見つけましょう! と声を大にしていいたいです。
それが新製品では実現しやすい!というのであれば、もちろん新製品から選ぶことをオススメします!
僕がここで一番お伝えしたいことは、ちゃんとした目的もないのに、クラブを買ってはもったいないですよ〜、ということです!
なぜ、そんなにゴルフクラブの購入を慎重にしてください! というのかというと、実は、かなり大きな問題に発展することもあるからなんです。
(次回へ続く)
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ)
ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。