2人とも平均飛距離は250ヤードオーバー

ジュニア時代から同じコーチに習っていることもあり、岩井姉妹のスイングは似ています。ただしスピードの出し方、パワーの使い方にはそれぞれの個性があります。
 
姉の明愛選手はダウンスイングで左足をしっかり踏みつつ、上下のパワーを使いながら飛ばしています。切り返しからインパクトにかけて少しヒザを曲げて、沈み込むような動きをしています。そしてインパクトの瞬間は頭を右に残したままヘッドを左に振り抜いています。インパクトからフォローにかけては肩をタテに回転させていて、どちらかと言えば男子プロに近いスイングです。昨シーズンの平均飛距離が5位(257・88ヤード)だったのも納得できます。

一方、妹の千怜選手も平均飛距離11位(253・22ヤード)と上位に入っていますが、明愛選手ほど下半身を強く踏み込んでいません。頭の位置も真ん中です。軸をセンターにキープしたまま、ヨコの回転を使ってヘッドスピードを上げています。フォローを見ると肩もヨコ回転に近いです。左足を斜めにしたまま上半身を回しているので、スイング中のバランスが崩れません。千怜選手はパワー型というよりも、効率が良いスイングで飛ばすタイプです。

岩井明愛のスイング【正面】

両腕が体から離れていない
腕の動きを抑えて、体のパワーで飛ばしているので、両腕がほとんど体から離れていない。


岩井千怜のスイング【正面】

インパクトで腰は目標方向に
ヨコ回転系のスイングなので、インパクトの瞬間に腰を先に目標方向に向けることで腕がスムーズに動く。


シャフトの角度が回転するから打球が曲がらない

右足をツマ先立ちにして前傾をキープ

岩井姉妹は平均飛距離が250ヤードを超えているのに、方向性も安定しています。その要因はシャフトの動き方が理想的で、再現性の高いスイングができているからです。

2人ともバックスイングの早い段階でコッキングをしているので、トップがコンパクト。左腕が真っすぐに伸びて、右ヒジが真下を向くお手本のようなトップです。

そしてダウンスイングではシャフトが倒れすぎることなく、斜め45度に近い角度でシャフトが下りてきています。インパクトの瞬間は、手元とヘッドの位置が逆になっただけで、ダウンスイングとシャフトの角度がほぼ同じ。ダウンスイングとインパクトでシャフトが反転したような角度になっています。このシャフト軌道によってスイングの再現性が高くなり、精度の高いドライバーショットが打てます。

もう一つ、2人の共通点は前傾角度が完璧にキープできていることです。男子プロに比べて、女子プロは体の筋力が劣るのでインパクトで体が右に倒れやすい。しかし、岩井姉妹は右足をペダルのように踏み込んで、インパクトでは右足がツマ先立ちになっています。この右足の動きによって体が倒れることなく、前傾角度をキープできています。

岩井明愛のスイング【後方】

右足を踏みながら肩をタテに回転させて上から叩く
上下のパワーで飛ばす明愛は、足を踏み込みながら、右のワキを縮めることでシャフトをタテに下ろしている。

姉の明愛もドローヒッターだが、グリップはスクエアに近い。

岩井千怜のスイング【後方】

シャフトが倒れないから、インパクトでロフトが立つ
トップでのフェース面がスクエアに近く、ダウンスイングではゆるやかにフェースを返している。シャフトが倒れないことでロフトが立って当たる。

典型的なドローヒッターの千怜。グリップはややストロング。

解説:石井 忍

1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する