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オデッセイ「Ai-ONE TRI-BEAM パター」は最新技術の融合で誰でもやさしすぎるパットが可能に!

『Ai-ONE TRI-BEAM パター』をロマン派ゴルフ作家が検証する!

2024/05/06 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

Ai-ONE TRI-BEAM パター

上田桃子が使ったことで話題になった『Ai-ONE TRI-BEAM パター』をコースに持ち込んで、徹底的にレポートする。

二つのテクノロジーの融合は足し算ではなく、掛け算なのだ!

Ai-ONE TRI-BEAM パター

オデッセイは、『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』を2024年4月26日に発売。

名称でわかるように『Ai-ONE TRI-BEAM パター』は、フェースをAi設計してミスヒットに異次元の強さを見せる『Ai-ONE パター』と、三角形のネック構造でフェースのブレを軽減する「ラケットホーゼル」を採用した『TRI-BEAM パター』を合体させたパターである。

『Ai-ONE TRI-BEAM パター』は、今回、8タイプのラインアップとなっている。その中で、スタンダードの代表として『#2』。アンサー2タイプの系譜であるニュースタンダードの代表として『DOUBLE WIDE』。この2本を試打ラウンドすることになった。

『Ai-ONE TRI-BEAM パター』の共通のコピーは、“2つの人気シリーズが意欲的な融合 打点ブレへの強さは、さらなるレベルに”だ。テクノロジーについて、説明するまでもなく、“打点ブレ”というミスに対して、二つの融合は足し算ではなく、掛け算として威力を発揮するよ、と感じさせるのだ。

パットのミスは、現象としては、打ち出しがズレるか、狙い通りの速度になっていないか、ということになるが、打ち手ではなくパターの機能面としては、芯に当たらなかったときに、フェースが当たり負けして開いたり、閉じたりしてズレが出る部分と、芯を外すことでボールの打ち出し速度が落ちて、距離がショートする部分ということになる。

「ラケットホーゼル」は、当たり負けに強いことで、方向性を安定させる。
「Ai-ONE・インサート」は、ミスヒットの速度低下を最小限で済ます。
それが合体しているのだ。悪いわけがない。

『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』の現物を見ると、『Ai-ONE パター』で採用されたつや消しのネイブブルーのヘッドが、なんとも言えずに良いのだ。落ち着くし、カッコイイ。

ワクワクするパターの試打ラウンドは、10フィートというまあまあ速いグリーンコンディションで行うことになった。
『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』は34インチ。
ボールは、使い慣れていて、クラブだけに集中できる『TOUR B X』を使用した。

Ai-ONE TRI-BEAM パターは簡単すぎて練習不要になるのか?

Ai-ONE TRI-BEAM パター

『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。

打音打感  音量は#2は普通、DWはやや控え目。共に硬質な音質で残響がある。
      打感は軽め、手応えは#2は敏感、DWはやや鈍感。

方向性   #2はややとらえる感じで、ハンドファーストでストレート。
      DWは座り良し、狙いやすい安心感。癖がない。

飛距離   #2はしっかり打っても転がり過ぎない。軽いからこその敏感さあり。
      DWは基本伸びがあり、良く転がるが、繊細なタッチも可能。

『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』は、ブレードパター独特の使い勝手や、癖の強さがあるが、敬遠される難しさについては、二つの特徴がフルに発揮されて、ミスヒットを普通のヒットと同様な結果に助けてくれる。

難しい部分を転がらない機能として利用していたゴルファーにとっては、自らのテクニックが活かされない奇妙な感覚に戸惑うと思うが、多くのゴルファーにとっては、難しかったはずの『#2』が難なくパットができる魔法の1本になるはずだ。

試打ラウンドで、特に中間距離のパットがよく決まって、不思議な気分に包まれた。結果としては、素晴らしかった。自らの平均よりも、約10%ぐらいスペックも良かった。
『#2』のボディーなのに中身は大型ヘッドのやさしさという感覚というのが、最もイメージに近いと言える。

『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』は、ブレードパターに憧れているけど、難しいのは嫌だというゴルファーにオススメする。

『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』は、打音や打感は少し鈍く作ってあると感じた。あまりにシャープな感じにすると、ギャップが大きくなって、逆に難しくなる可能性があったのではないかと考えた。
このパターも、結果から書くと素晴らしい結果を残したが、数的な記録以上に“良いパターだなぁ”と感じさせた。

『DOUBLE WIDE』は、元々、やさしめなパターヘッドであるが、それが更に簡単になったので、感性に頼らずにオートマチックにパットをするパターとして、良い仕事をしてくれる。
それなのに、打ち手が求めれば、感性を活かした敏感なタッチを駆使した繊細なパットにも対応してくれるのだ。
ラインを消し気味にストレートに打っていくのもOK。カップを外して、横から入れるのもOK。言葉選びが難しいけれど、オールマイティなパターだと感じて、非常に頼もしかった。

四角いヘッドが好きで、シャープなブレード(フェースサイドの長さが短め)のほうが集中できるというゴルファーに『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』をオススメする。

『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』を打ち終えて、最初に考えたのは、他のヘッドも打ってみたい、だった。
結果的には、近年試打したパターの中でトップ争いが出来る成績を残した2本に、戸惑ったのだ。打ち手がテクニックを駆使して使い切ったのではなく、打たされて自動的に答えが出たみたいな感触が残ったのだ。

パットは練習不足で下手くそのまま状態を続けているゴルファーがたくさんいるゴルフの変な分野であるが、『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDE パター』は、近い将来、あまり努力しなくともパットが上手いゴルファーになれる可能性が現実になったのだと教えてくれた。

チタンヘッドの大型ヘッドのドライバーが進化していくときに、ドライバーが14本の中で一番やさしいクラブになっていく寂しさを感じた経験があったが、久しぶりに同じ気持ちになった。パターの新しい歴史が始まったのかもしれない。

篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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