ロフトを寝かせたほうが、キャリーが伸びて飛ぶこともある
知人のアベレージゴルファーに「ちょいアスリート向けのキャビティアイアンを使っていて、7Iのロフトが32度。それだと球の高さが少し足りないと感じているけれど、シャフトで解決したほうがいいのか? “やさしい”と言われるアイアンに替えるほうがいいのか?」と悩みを明かされました。こういうとき、7I=32度のアイアンで打つ球が適正弾道かどうかの判断をしなければいけません。
というのは、もしかしたらロフトを寝かせたほうが飛ぶかもしれないからです。ロフト32度で打ち出しの高さが足りてない人が一番カンタンに球を上げるには、ロフトを寝かせること。そうして打ち出しが上がると最高到達点が高くなるから、キャリーが伸びて結果的に飛ぶ可能性があるんです。
番手ごとのキャリー差がそろっていたら“適正ロフト”
では、もともと適正弾道だったとして、球の高さだけを気にするのなら、シャフトで打ち出し角をちょっと高くすることを考えます。スピンを増やすと飛距離が変わってしまうので、打ち出し角が高くなるようにシャフトでちょっとアレンジするということ。
もう一つは、ヘッドの重心位置を低くしたり深くしたりして、打ち出し角を上げる。シャフトかヘッドか2つしか方法はないので、どちらを選択するかですね。
その次に、ロフトが自分にとって適正かどうかを確認しましょう。それには、番手ごとに“キャリーの階段”がそろっているかを調べること。PWのキャリー→9Iのキャリー→8Iのキャリー……と、キレイに10~15ヤードピッチでできていれば、適正ロフトだと思います。キャリーが適正に出ているのにグリーンで止まらなかったら、球の高さが足りないということになります。
ここまでは、キャリーでグリーンをキャッチするには、という“王道”の話でした。
飛び系アイアンは、130~150ヤードを短い番手で打てることが◎
違う視点で議論を深めてみましょう。パーオン率が3割もない人たちにとっては、前述した“王道”でグリーンに止めることを考えたほうがいいのか、止まらなくてもグリーンの周りまで飛ぶアイアンでセカンドを打ち、30~50ヤード以内から寄せて1パットで収めることを目指したほうがいいのか。スコアメークを求めるとき、じつは後者のほうが効果的な人たちが多いんです。
飛び系のアイアンが「7Iで○ヤード飛んだ」というPRをよく見ますが、それについてボクがいろんなところで何度も話していることがあります。飛び系アイアンの長所は、ゼッタイに乗せたい130~150ヤードくらいの距離を、小さい番手で打てること。つまり、7Iで180ヤードとか190ヤードを飛ばして乗せることじゃなくて、実用的なレンジを9Iとか8Iで打てることがメリットなんです。
冒頭のアベレージゴルファーが球を高くしたい理由は「グリーンになるべく止めたい」とのことですが、それならば飛び系のショートアイアンを打ったほうがやさしいでしょう。
何ヤード残ることが多いか→どういうクラブが必要か
そもそも、パーオン率が20%くらいの人に「止まる」という機能はいりません。自分のラウンドをプロファイルして「セカンドで何ヤード残ることが多いのか」とか、年間で「50ヤードが残ることがないな」と分かったとします。そうしたら、150ヤードを5Iで打つか、7Iで打つか、9Iで打つかと考えたら、飛び系アイアンの9Iを使うのが得策じゃないでしょうか。
それが飛び系アイアンを手に入れた瞬間に「7Iで180ヤードだ!」と意気込んじゃうと「ちょっと違いますよ」という話に(笑)。そうではなく、9Iで160ヤードとかを打てちゃうことが、飛び系アイアンの魅力なんです。このように「自分にとってどういうクラブが必要か?」を考えることは、自分を知ることでもあるんですね。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。




