入れるなら5Wか4W。どちらか1本で十分に事足りる
今回のテーマはフェアウェイウッド(FW)。選ぶ時には何に気をつけるか? どんなゴルファーがどの番手を使えばいいのか? などを中心に話します。メーカーによって取り扱っている番手が多少違いますが、ここでは3、5、4、7の4つの番手を取りあげ、1本体制と2本体制を例に、番手ごとのメリットやデメリットを紹介していきます。
まずはFWを1本だけ入れるセッティングから。断然おすすめなのは5Wです。なぜかというとFWの中心的な番手だから。メーカーやブランドで多少変わりますが、5番のロフトは18度前後でボールが上がりやすい。また、長さも適度でミートしやすいのです。
そもそもFWは当たれば飛ぶクラブですが、当たらないと大きなミスになるリスクがあります。長いと距離は出るけれどミートしづらく、短いとミート率は上がっても距離がイマイチだったりするわけですが、そのちょうど真ん中で、いいとこ取りできるのが5W。FWの中では当たりやすくて飛ばせるのです。また、使える状況もたくさんあって、ティショットはもちろん、地面からでも比較的容易に打てるし、ラフでも結構ボールを拾えて使い勝手がいい。FW選びを迷っているなら5Wから入るべき。1本でも十分に事足ります。
1本体制で次の候補になるのは4Wです。これもモデルによって多少変わりますがロフトは16.5度前後。5Wより1.5度ほどロフトが立っているイメージです。4Wを入れる際の大前提は、5Wが打ちこなせること。5Wでは物足りないと感じるくらいでないと難しいと思います。ロフトが立ってちょっと長くなるぶんボールが上がりにくくミート率が下がるからです。言うまでもなく一番のメリットは5Wより飛距離が出ること。地面から打てるパワーとヘッドスピードがあり、芯で打てる自信があれば4W1本でイケます。
ちなみに地面から打つ場合、ドライバーの平均ヘッドスピードが40~42m/sなら5W、44~46m/sなら4Wというのが目安です。打ちこなせているかどうかの判断基準は弾道の高さ。地面から打った時にヘッドスピードが足りないと球が上がりません。30m/s台だと芯に当たってもボールが上がらず、7Wより飛ばなかったりします。以上がFWを1本だけ入れることを想定した場合の考え方。5Wか4Wです。
7Wに目を向けてみよう
次は2本体制ですが、ベストは4Wと7Wの組み合わせです。この場合、それぞれの役割をハッキリ分けるのが条件となります。すなわち4Wはティショット専用。狭いホールや突き抜けそうなドッグレッグ、あるいは長いパー3で使います。対して7Wは地面打ち専用。4Wを地面から打つのは難しいので7Wにやってもらおうという感じですね。
FW1本体制で4Wを入れた場合、ティショットでも地面から打つ時にも使う前提なので44~46m/sのヘッドスピードが必要でしたが、ティショットに特化すると話は別。ティアップして打てるので球が上がりやすくなります。そうなると地面から打つ時ほどのヘッドスピードは必要なくなり、40m/s以下の人でも打てるようになります。
7Wのロフトは21度前後といったところ。どんな人にいいかというと3~5Wを地面から打てない人。また、パワーやヘッドスピードがなくて5Wでも球が上がらない人です。7Wはロフトが寝ていて長さも短いので球が上がりやすくミート率も高い。4本の中では、言うことなしで一番楽なクラブです。
なぜかFWは3~5Wのイメージが強く、7Wはなかなか市民権が得られません。認知度も低く作っていないメーカーもありますが、ここで挙げたFWの中では最も有能なので「FWが苦手なら7Wを入れよう」という方向になってくるのが本筋です。4、7Wの2本体制は最強で、私はこれを“安心最強セッティング”と呼んでいます。心も楽にしたいなら4、7Wの2本のセッティングです。メーカーによっては4Wがなかったり、7Wがないところもあるので、メーカーには頑張っていただいてほしいところです。
ちなみに、7Wと同じロフト角のユーティリティ(以下UT)があった場合にどちらがいいかというと、7Wの方が飛びます。少し長いしインパクトロフトが大きくなってボールが上がるからです。ボールが上がらない人はUTよりも飛ぶ7Wがいいでしょう。目安としては、ドライバーのヘッドスピードが40m/s以下なら7Wを入れたいですね。
最後は3W。ロフトは15度前後のイメージですが、13~16度もあります。3Wは4Wを打ちこなせる人、また、それではちょっと物足りないと感じないと打てないパワーとヘッドスピードが必要な番手。基本的に難しいので、プロでも入れる人が少なくなっています。また、UTやウエッジを充実させていった時に3Wを入れるのはもったいないと考えられるようにもなっています。よほどボールのライが良く、傾斜もなくてフェアウェイが広いなど、使える状況が限られていて、ティショット専用のような感じになるため必要優先順位が低くなっているのです。
プロがそうですからアマチュアの方も同じで優先順位は低い。ヘッドスピード48m/s以上くらいあれば打てますが、ミート率も必要になるので使える人は限られます。UTやウエッジの充実を考えた場合にも必要ではなくなります。代わりに4Wを入れるとロフトが1.5度程度増えますが、だからといって飛距離が20~30ヤードも落ちるわけではありません。まして4Wの方が使える状況も多いので、3Wよりは4W、あるいは5Wとなるのは自然な流れ。3Wを入れるならティショットに特化したり、ドライバーがイップス気味の人などに限定されるかと思います。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。





