ストロング? ウイーク? まずは7番アイアンのロフトをチェック

ドライバーのヘッドスピードが40m/sの平均的なゴルファー場合、7番アイアン(以下7番)でどれくらい飛べば全体の流れとして理想的なのでしょうか? 結論から言うと7番のロフト角が何度かによって異なります。使っているアイアンのタイプがストロング、ちょっとストロング、標準などにより変わってくるので、まずは今使っている7番のロフト角が何度なのか、そしてご自身のドライバーのヘッドスピードがどれくらいなのかを確認してください。もしロフト角がわからなければ、メーカーのホームページで検索できると思います。

まずロフト角ですが、シリーズ、モデル、メーカーなどにより全く異なります。最近はストロングロフトブームで、ロフトが立つ傾向にありますが、ここでは以下に挙げた主な4つのロフト角に分けて紹介します。

29度以下 ストロングロフト
29〜31度 少しストロングロフト
31〜33度 近年の標準ロフト
33〜35度 ウイークロフト

29度以下はストロングロフトの部類になります。超ストロングなどと言われる25、26度もありますが、少数派なので今回は29度以下をストロングロフトとします。

29〜31度は少しストロングのイメージになります。31〜33度は近年の標準ロフト。ストロングロフト化によって10年以上前のロフトよりはかなり立っているため、平均値を出すとこのロフトイメージになります。一番下は33〜35度で、少し寝たロフトです。ウイークロフトと呼びますが10年以上前はこれが平均でした。ストロングロフト化によって全体がロフト減の方向にスライドしていると言っていいでしょう。

ザックリとしたイメージですが、ロフト33〜35度はマッスルバックに多く、モデルによっては36度もあります。31〜33度はキャビティバック。キャビティにもいろいろありますが、33度だとマッスルバック寄りのハーフキャビティなど。31度だとポケットキャビティに寄った大きめのキャビティ構造になります。ロフトが29度以下になるとデカヘッドの飛び系、あるいはユーティリティに近いようなモデルになります。

また、傾向的にヘッドの大きさとロフト角は反比例関係にあって、ヘッドが小さいほどロフトは大きくなり、ヘッドが大きいほどロフトは小さくなるので、正確なロフトがわからなければヘッドの大きさと作りの関係で大体把握できると思います。マッスルバックを使うのは上級者で、飛距離をそれほど求めないのでロフトが寝ている。デカヘッド系はヘッドスピードが出ない非力な方や、ビギナーの方が使っているのが最近の傾向です。

ロフト角とヘッドスピードの兼ね合いで最大65ヤードもの差が

次にヘッドスピードと飛距離の関係ですが、ヘッドスピードは38〜48m/sまで2m/s刻みで6つに分けました。一般ゴルファーに多いのは40〜42m/sだと思います。40台になるとレベルアップしてきて、44m/s以上になるとスイングが良くなってヘッドを走らせられるようになったかな、というイメージです。それ以上はプロレベル。逆に30台で38m/s以下になるとヘッドスピードは遅めです。

ロフト角とヘッドスピードの兼ね合いから見ると、例えば近年の標準ロフトの31〜33度では、ヘッドスピードが38 m/sの人は130ヤード、以下40 m/sで140ヤード、42 m/sで150ヤード、44 m/sで160ヤード、46 m/sで170ヤード、48で180ヤードが適正なミート率で打てている飛距離の目安になります(表1)。断っておきますが、これだけ飛ばなければいけない、ということではありません。

7番アイアンのロフト角とヘッドスピードから割り出した飛距離の目安(表1

29度以下・・・ストロングロフト
29〜31度・・・少しストロング
31〜33度・・・最近の標準
33〜35度・・・少し寝ている

少しストロングの29〜31度になると飛距離はちょっと伸びて、ヘッドスピードが上がるごとにプラス5ヤードずつ上乗せされるイメージになります。ロフトが2度立つと5ヤード飛距離が伸びるのが目安です。ロフトが立った飛び系アイアンになるとさらにプラス5ヤード。ヘッドスピードがプロレベルの48 m/sあると190ヤードも飛んでしまいます。逆にロフトが標準より寝ていると、ヘッドスピードによって125〜175ヤードとだいぶ飛距離に差が出ますが、これらがいずれも適正なミート率における飛距離の目安です。

同じヘッドスピードの人がロフト角を変えただけで15ヤードも飛んだり飛ばなくなったりする。そこにカーボンシャフトなどが絡んでくると2.5〜3番手飛距離が変わってもおかしくないわけです。ヘッドスピードが加わればさらに変わり、38 m/sの人が33〜35度を使った場合と、48 m/sの人が29度以下を使った場合では、実に65ヤードもの違いが出ます。まあ、ヘッドスピードが10 m/s違うので当たり前といえば当たり前ですが想像を絶する飛距離差になるのです。

140〜160ヤードなら残りのクラブのセットバランスが整えやすい

ではどれくらい飛んでいればいいかというと、飛びすぎても良くなくて、例えば185〜190ヤードだと、短い距離を打つ番手が不足して下にたくさん入れなければいけなくなります。もちろんこの逆もあります。ということで、クラブセッティングを踏まえた場合、7番の最適飛距離は140〜160ヤード。この範囲にあると残りのクラブのセットバランスが整って全体的な流れが作りやすくなります。

それを踏まえたのが下の表2になります。赤い数字が適正飛距離で、全部で10通り。ヘッドスピードとロフト角から割り出したあなたの飛距離がここにあれば適切です。もし、この中になければ飛びすぎか飛ばなさすぎ。飛びすぎる方はまだいいので、プラス10ヤードくらいはOKとしましょう(表内青数字)。前述の10通りと合わせ14通り以外のところにいる人は、ロフト角とヘッドスピードがミスマッチです。

例えば38 m/sで29〜31度を使っていたら、スイングを良くしてヘッドスピードを上げるのが一つの方法。体力的にきつくて今のヘッドスピードが限界値なら、ロフトを29度以下にすればプラス5ヤードで140ヤードになります。また、38 m/sで33〜35度なら、あと15ヤード欲しいですが、ヘッドスピードを適正圏内の42 m/sにするのは大変です。でも「40 m/sなら何とかイケそう」と思えるなら、一段階ロフトを減らせば適正圏内に入れます。もちろん二段階減らせば145ヤードまで行けます。

飛びすぎについては、ロフト29度以下と48 m/sの190ヤードは、ほぼプロのスイングとミート率で打った場合の話で、誰もがそうなるわけではありません。でも、もしそれくらい飛ぶ人がいるならロフトを増やした方がいい。46 m/sの人も同様です。もちろん、誰よりも飛ばしたいというならその限りではありません。そんな人も含め、7番で欲しい距離を得るにはどのロフトを使えばいいかを考えてみてください。僕は基本的に7番で飛ばす必要はないと思っているので140〜160ヤードの範囲に落とすことをおすすめします。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。


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