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飛ばし屋有利の「全米プロ」を制したのはシャウフェレ。勝因は「ティーショットの質を上げたこと」。

2024/05/24 ゴルフサプリ編集部

悲願のメジャー優勝を飾ったシャウフェレ。勝てた秘密は?(写真は2024年全米プロゴルフ選手権 撮影/Getty Images)

「全米プロゴルフ選手権」はザンダー・シャウフェレが最終ホールの劇的なバーディでメジャー初勝利を挙げた。今年の開催コースだったバルハラGCは直近2大会では最も飛ばした選手が優勝していた。「飛ばし屋」ブライソン・デシャンボーを1打差で振り切った勝因は、昨シーズンと比べて「ティーショットの質」を上げたことだった。

直近2大会は「飛ばし屋」が制したバルハラ

バルハラGCでは2014年と2000年にも「全米プロ」が開催されました。優勝したのは14年がローリー・マキロイで00年はタイガー・ウッズ。マキロイはその週の参加選手で最も飛ばしていました(平均飛距離315.6ヤード)。00年は詳細なスタッツが残っていませんが、ウッズはシーズンの平均飛距離が2位。トップのジョン・デーリーは大会では予選落ちしているので、ウッズの飛距離はトップに近かったと思われます。いずれにしても、データ上では飛ばし屋が有利です。

今大会は平均330.5ヤードでデシャンボーが飛距離トップ

今大会の飛距離を見ると、デシャンボーが平均330.5ヤードで1位。シャウフェレは310.1ヤードで15位でした。そこそこ飛んでいたものの、圧倒的な飛距離ではありません。

それがフェアウェーキープ率を見るとシャウフェレ16位に対してデシャンボーは53位。この差はパーオン率にも影響していたようで、1位(83.33%)と15位(72.22%)。
11%の差ということは単純計算すると1ラウンドで2回違うことになり、神経をすり減らす回数がそれだけ増えたことになります。

シャウフェレのスタッツは14年Vのマキロイと似ていた

14年のマキロイと今大会のシャウフェレを比較してみます。
各部門がスコアにどれだけ貢献したのかを示す「ストロークゲインド」のうち「アプローチ・トゥー・ザ・グリーン」はシャウフェレ3位。マキロイ11位とまずまずだったのに対して、デシャンボーは34位にとどまっていました。
ちなみにここでの「アプローチ」は、50ヤードより長い距離からグリーンを狙ったショットになります。
日本でいう「アプローチ」は「アラウンド・ザ・グリーン」。こちらのスコアへの貢献度は、今年のシャウフェレが41位で、14年のマキロイは34位とそれほど良くありません。
対して今年のデシャンボーは6位。パーオン率が低かった分、頑張ったことで2位になったとも言えますが、メンタル面の消耗は大きかったと予想されます。

スタッツを見てみると2014年に優勝したマキロイと似ていた(写真は2014年 全米プロ選手権)

シャウフェレのスタッツで大きく変わった項目とは?

今度はシャウフェレのスタッツを昨シーズンと比べてみます。平均飛距離は304.1ヤード→305.1ヤードとわずかな伸びですが、ランクは68位から38位に。フェアウェーキープ率が131位から29位と大幅にランクアップしています。
パー4とパー5のティーショットの貢献度を示す「ストロークゲインド・オフ・ザ・ティー」も、47位から7位へ。
トレーニングとコーチのクリス・コモ氏との取り組みの成果で飛距離だけでなくティーショットの「質」を上げたことが勝因といえそうです。

日本にもルーツのあるシャウフェレが示してくれたことは、アマチュアの参考に

祖父母が東京在住で日本にもルーツのあるシャウフェレが、飛距離自慢との戦いを制してメジャーで優勝したのは日本人としてもうれしいことです。
ともすればドライバーは飛距離アップに囚われがちですが、質を上げることが大事、とシャウフェレが教えてくれました。私たちアマチュアも見習ってスコアアップにつなげたいですね。

(文・森伊知郎)

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