200ヤードを打ちたいなら7番ウッドか19度UTの二択です
吉本巧のゴルフギア教室 第16回
毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大失敗! という話もよく耳にする。安い買い物ではないだけに、セレクトミスは絶対避けたいところだ。こんな状況で役に立つのは正しい知識。道具はもちろんゴルフのテクニックについて正しく理解していれば惑わされない。ということで生まれた、ゴルフのメカニズムに精通したコーチ・吉本巧がギア目線から森羅万象を解説するこの企画。今回のテーマは一般的なヘッドスピードで「200ヤードを打てるクラブ」について語ります。
選択肢は7番ウッド、ロフト19度のユーティリティの2つ
一口に「200ヤードを打つクラブ」と言っても用途によって適したクラブは変わります。例えばパー5の2打目でレイアップする場合とグリーンを狙う場合。前者ではそれほどこだわらなくてもいいですが、後者ではある程度打球の高さが欲しい。低い球だとグリーン手前のバンカーにつかまったり、グリーンをヒットしても止まらないので、そういったことを踏まえて選ぶ必要があります。
その前提でドライバーのヘッドスピードが40m/sのゴルファーが、ヘッドスピードを目安に選ぶなら選択肢は2つ。7番ウッド(以下7W)かロフト19度のユーティリティ(UT)です。7Wは[キャリー190ヤード+ラン10ヤード]、[UTはキャリー180〜185ヤード+ラン20〜15ヤード]のイメージ。グリーンに向かって打つケースを考えると、前述にしたように球が上がらないと落下角度が作れないので7Wが向き、レイアップならUTが向きます。
自分のプレースタイルを考えた時に、200ヤード先のグリーンを狙うことがよくあるなら7W、なければUTという判断でいいでしょう。行きつけのコースで、距離がちょっと足りずにグリーン手前のバンカーにつかまることがあるなら、7Wにすることでクリアできる可能性があります。
メーカーによって多少違いますが7Wのロフトは20度前後。UTよりシャフトが長いので飛びますし、お尻が長いヘッド形状なので重心深度があるぶんボールが上がります。レイアップする場合でも使えないわけではありませんが、ちょっと怖いところがあります。例えばパー5で刻む時は早めに地面に着弾してくれた方が、風など不確定要素の影響を受けにくいので安心なのですが、その点7Wだと球が上がりすぎる。勝負のショットではなく、どちらかと言えば守りのショットなので安全優先でいきたい。そうなると19度UTの方が早く着弾してランが出るのでリスクが少ないのです。
理論上はそうだとしても…実際はどうなのよ?
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