ヘッドスピード40m/sならドライバーの最適ロフトは何度?【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
クラブ選びは「角度」に支配されている?
打ち出し角を12度にするにはロフトは何度必要?
では、この理想の「打ち出し角」と「バックスピン量」を実現するためには、どんなことが必要になるのか、考えてみましょう。
まずは、「打ち出し角」も「バックスピン量」も増やしたいですから、インパクト時のロフト、「ダイナミックロフト」を増やさなくてはなりません。
単純に言えば、寝ているロフトのクラブを使えばよいと思いますが、では、何度のクラブを使えばよいのか? 計算してみましょう。
打ち出し角を12度にするためには、ロフト角は15度から16度くらい必要です。はい、すでにドライバーのロフト角ではなくなってしまいましたね!
かつ、このクラブで打った場合の期待できるバックスピン量は3,000rpmから3200rpmとなりますから、今度は増えすぎてしまいます。
ということはロフト角を増やすだけでは、理想値に近づくのは難しいということがわかっていただけたと思います。
ここで出てくるのが、「スピンロフト」という考え方です。
「スピンロフト」は、ドライバーのようにややアッパーブローに入ることを前提とすると、「ブロー角」と「ダイナミックロフト」を引いたものになり、「スピンロフト」は「ダイナミックロフト」よりも減る傾向が強いです。
ということは、「スピンロフト」を増やすためには、逆にダウンブローが必要ということになります。
「ダイナミックロフト」10度のもので、バックスピンを2500rpmにしたいとなったら、「スピンロフト」を12度から13度にする必要があります。
つまりは2~3度ダウンブローにしましょう~ということになってきます。
ですが、これでは打ち出し角度はさらに下がってしまいます。
これらを加味して計算してみると、「ダイナミックロフト」14~15度くらいでアッパーブロー2度くらいで打つことが必要という計算結果になります。
まだ、ドライバーのロフト角からは少し離れていますね……。
ここからがシャフトやヘッドの重心が関わって気います!ここもまた、長くなりそうなので、簡単に。
前述しましたように、ドライバーでは、だいたいの方が、大小はあるとはいえシャフトの逆しなりを起こししています。この効果を利用して「ダイナミックロフト」14~15度を実現することが可能になります!
逆しなりを期待して、シャフトを柔らかいものを選んだり、重心が深いものを選んだりしがちですが、逆しなり大=スイング中の挙動が大きいということは、タイミングが合わないクラブになりやすいです。そうなってしまうと、確率は下がりやすいですよね?
であれば、シンプルにロフト角の多めを選びましょう~というのが答えになります。
スイング的にも、立っているロフトのクラブでカチ上げるように打たないと球が上がらないようなクラブでは、フェアウエイウッドやアイアンなど他のクラブへのスイングの影響が否めません。
ですので、ここは無理をせず、ロフトは多めのドライバーを選んだ方がコースでは結果の良いクラブになりやすいです。
例えば、ヘッドスピード40m/sくらいまでの人なら、ドライバーのロフト角は11度くらいを中心に考えていくのが良いと考えています。
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。
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