ピン「G430 10K」慣性モーメント『10,000ｇ・cm2≒10K』は本当に曲がらないのか

中古ゴルフクラブ業界に携わっって30年の“中古クラブ専門家・中山功一”が、旬な中古クラブ情報や購入時に参考となる豆知識などをお届けするコラムです。
今回は、ピン「G430 10K」ドライバーについてお話します。

「G410」「G425」の中古相場が下がり始めているぞ

最近になって、中古市場も人気のピン「G410」シリーズ、「G425」シリーズのドライバーの相場が少し下がってきたので、より手が出しやすい価格帯になってきています。

今どきドライバー選びのキーワードは「10K」？

慣性モーメント（MOI）とは、数値が高いほどブレが少ないヘッドになります。『左右の慣性モーメント + 上下の慣性モーメント ＝ 10,000 MOI』
これを　10K　と表記しています。

新品・中古市場で人気のモデルは、テーラーメイド「Qi10 MAX」ドライバーとピン「G430 10K」ドライバーです。この二つのモデルは、どちらもMOIが10Kで、飛び抜けて人気があります。

テーラーメイド「Qi10 MAX」ドライバーは、ディープフェースで打感・音感が良く、鍛造チタンのような弾きを備えています。
ピン「G430 10K」ドライバーは、影円面積が大きくシャローバック形状で安心感が強いので初・中級者向けです。

ピン「Ｇ430 10Ｋ」ドライバー　は、シャフトバリエーションによって長さの設定が違います。
ALTA JCB BLACKシャフト：45.75インチ
PING TOUR 2.0 CHROME シャフト：45.25インチ

シャフトが変わると長さは半インチ（1.27ｃｍ）違います。この半インチの違いは、スイングプレーンに差が出ますのでカスタムシャフトを選ぶ際には、気を付けてください

また、ピンのドライバーは、中古市場での流通量が少ないため、程度の良いモデルはとても足が速いです。

上：G430 下：G430 10K

「G430」は、ウエイトがスライドできます。「430 10K」は固定です。ウエイトは、5g～34gまで調整が可能です。

ピン「Ｇ430 10Ｋ」ドライバーをGOLFZON VISION を使って打感、操作性、方向性、飛距離などあらゆる角度から試打してみました！

構えた感じはフェースが開いて座りが悪いのかな・・・と思いましたが、この座りがテークバックをスムーズにしてくれます。
アマチュアの多くは、アウトサイドにテークバックしてしまいがちですがそのようなイメージも補正してくれます。

飛距離安定性
★★★★★
芯を外しても飛距離が安定します

打球感
★★★★
打音が高めで気持ちいい感覚です

方向安定性
★★★★★
どこに当たっても曲がりません

スポットでもヒール寄りでも、飛距離が出て曲がりません。さすが10Kといった感じです！　この、やさしさがあれば初・中級者でもフェアウェイキープ率は間違いなく上がります。驚いたのはインパクト時にヘッドが走っていることです！「G430」も試打したことがありますが、「G430 10K」はまったく別物です！

「G430 10Ｋ」は、ヘッド内部で重心位置を変更していることが分かります。「G430」の進化版と思っている方は、大間違いです。

それでは、あなたのゴルフライフに！
Good luck！

中山功一（ナカヤマコウイチ）
かつてはフェスティバルゴルフでゼネラルマネジャーを務めるなど、中古クラブ業界に携わって約30年。ゴルフ雑誌での連載、中古ゴルフクラブ関連の著書も多数。テレビ東京系列「なんでも鑑定団」にも鑑定士として出演。

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