ドライバー長さ46インチは長すぎる!?【長くて軽くて軟らかい】時代は終わりかも
石井良介のゴルフ・すべらない話:第31回
石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話 というお話です。今回は、現代的なドライバーの長さ・重さ・軟らかさは、本当に扱いやすく、打ちやすいのか? というお話です。
写真/ゴルフサプリ編集部
クラブセットの観点から見ると今のドライバーは長すぎる
キャロウェイからヘッド体積340ccの、いわゆるミニドライバーが出て、テーラーメイドと揃い踏みになりました。僕はこのところ、ずっとテーラーメイドのバーナーミニを気に入って使っています。フェアウェイが狭いゴルフ場や、飛ばさなくていいホールで、プレースメントするためのクラブとしてとても重宝するからです。
バーナーミニのシャフトは何の迷いもなく70グラム台のXで、長さは44インチです。この数字だけを見ると重くて硬い印象で、よほどのパワーヒッターじゃないと使えないと、みなさんは思うでしょう。実際、45インチ台だとこのシャフトは重くて硬くて、全く振り切れなくて、正直、持て余していました。でも、1インチ短い44インチでバーナーミニに刺さっていると、とても振りやすく、硬くて打てない感じなど皆無。練習しながら「同じシャフトなのに1インチ程度短くなっただけで、人は打ちやすく感じたり、打ちづらく感じたりするんだなぁ」と面白く思っていました。
そんな折、ブリヂストンとタイトリストでクラブ開発やプロ担当など、あらゆるジャンルで活躍され、今は独立されているダグ三瓶さんを『試打ラボしだるTV』にお招きしてお話をうかがう企画がありました。ゴルフサプリの中にも三瓶さんのコラムがあるので、ご存知の方も多いでしょう。
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その中で三瓶さんが「現代のドライバーのシャフトは、軽くて長くて軟らかいセッティングになっています」とおっしゃられました。何もなければ「そうですね」となるところですが、その時の僕は三瓶さんの言葉に敏感に反応しました。僕が振りやすいと感じて使っていたバーナーミニは、三瓶さんがおっしゃったのとは真逆の、”重くて短くて硬い”ドライバーだったからです。
「現代のクラブはドライバーだけが突出して長くなっている」とも三瓶さんはおっしゃいました。確かにそうで、例えばアイアンは2000年頃には3番で38インチ前後だったと思いますが、今は39インチ合わせで、全体的に0.25~0.5インチ程度長くなっているだけです。フェアウェイウッドにしてもそれほど長くなってはいません。
それに比べると、かつて43~44インチくらいだったドライバーは、今や45.5インチが標準で1インチ以上長く、46インチでさえ普通になっています。アイアンやフェアウェイウッドに比べるとすごく長い。クラブセットを俯瞰して見ると、ドライバーだけが突出して長くなっていて、車のトランクにも入れにくいくらいなのです。「人にはモノを扱う際に、扱いやすい長さがあると思うんです」とも三瓶さん。まったくその通りだと思いました。
扱いやすいのは「長・軽・軟」よりも「短・重・硬」でしょ?
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