コース内渋滞が起きる原因はゴルフ場? それとも?

「ハーフ3時間、毎ホール渋滞、ホール内でも待たされて、ランチは90分。参ったよ」
ハイシーズンのゴルフコースで、時々、耳にする愚痴です。
「本当に、このコースは詰め込みすぎ! 儲け主義な経営だ!」
という声も聞こえてきます。このような愚痴と分析のセットは、ゴルフの“あるある話”です。

確かに、昔は、無計画にトップスタートからハーフだけで30組以上もスタート枠があるコースもありました。始めからランチタイムが2時間近くになってしまうことを想定していたのです。
「ゴルフの大衆化のために、低料金でプレーできるようにしています。その分、数を入れないと採算が合わないので、待ち時間は我慢してください。数字に明るい人なら、わかる理屈ですよね?」
当時のそのコースの総支配人の言葉です。正々堂々と、胸を張って主張していました。これが、“詰め込み過ぎ”のゴルフコースで、ゴルフコースの責任でした。

現在の令和のゴルフコースでは、昔のような無計画な詰め込み過ぎの営業をするようなケースは、実は皆無です。
先頭の組と最終組のスタート時間を調べればわかります。日が長い時期でも、スタート時間は、2時間半程度、全て4人の組だとしてもハーフに100人以下になるようになっています。
計算通りに行けば、“ハーフ3時間、毎ホール渋滞、ホール内でも待たされて、ランチは90分”なんてことにはならないのです。

高速道路などでも当てはまりますが、渋滞は原因となるたった1台の車から発生することもあります。
ゴルフコースは一本道みたいなものです。渋滞の原因は、一人のスロープレーヤーがいれば十分なのです。
つまり、車の量が多いほうが渋滞は起きやすいのも事実ですので、客を入れすぎることの影響がないとは言えませんが、コース内渋滞の直接的な原因は“スロープレー”であるほうが圧倒的に多いのです。

犯人のスロープレーヤーを野放しにするのも罪になる!

スロープレーヤーを取り締まるために、マーシャルがコース内を巡回しています。だとすれば、コース内渋滞は起きたとしても、すぐに解消するのでは? という疑問もあります。

「スロープレーなんて、一度も言われたことないのに、急にマーシャルに言われて、本当に腹が立った。もう二度と、あのコースには行かない」
立腹しているオールドゴルファーがいますが、同伴者や周囲の仲間は苦笑いをしていることが多いのです。

スロープレーが普通になっている人ほど、自分が遅いという自覚がないのです。
こういう人には、マーシャルがいくら注意しても、プレースピードは速くならずに、前の組との間隔はどんどん開いてしまうのです。

ハーフ2時間半以内でプレーできるからスロープレーヤーに当てはまらない、という持論を声高に主張する人がいますが、前の組に離されることなく、着いていく速度が出せないプレーは、どんな理由があっても、単なるスロープレーに過ぎないのです。

コースのマーシャルは、「もう少し早めにプレーをしてもらって、前の組に追いついてください」という感じのお願いという注意をして、近くで見守りながら、祈るようにプレー速度が速くなっているのかを監視をすることがやれることの限界です。

とにかく、前の組に追いつくために、無駄な時間をなくして、効率良くプレーすることなのです。常に自分がスロープレーになっていないか、というセルフチェックも必要です。

無自覚なスロープレーヤーと同じ組でプレーしている同伴者も、後ろで迷惑を被っているゴルファーたちからすれば同罪です。お互いに指摘し合って、素早いペースを苦にしないゴルフを身に付けましょう。

渋滞するコースには行かないという選択もあり

プレー料金が手頃なゴルフコースには、ハイシーズンになるとゴルファーが押し寄せます。休日などはキャンセル待ちが発生するのも珍しくありません。

いわゆる大衆的なコースのほうが、自動車が多い高速道路と同じでコース内渋滞が起きてしまう確率は高いと言えます。
適切なプレー料金で、できるだけ多くのゴルファーにプレーしてもらう、というゴルフコースのコンセプトは、常に両刃の剣なのです。

コース内渋滞するのが嫌だ、という場合の選択肢はいくつもあります。
1. ハイシーズンにゴルフの予定は入れない。
2. コース内渋滞が起きにくいキャディ付きの高額なプレー代のコースに行く。
3. もっと遠方の満員になりにくいゴルフコースに行くようにする。

誰もがコース内渋滞は嫌なのです。事前の選択肢は、それから逃げる方法です。

発想を転換して、誰もが知っている夢の国を参考にしてみるのもありです。
人気のアトラクションは数時間待ちという行列が出来るのは当たり前の光景です。
渋滞を覚悟して、行くしかないのですのですが、行列に並んでいる間に、どんな話をしようか、どのワンハンドグルメを楽しめるか、等々、渋滞を楽しめる工夫をするのも、夢の国の楽しみ方の一つなのだといえます。

ゴルフコース内の渋滞も、ゴルファーとしての腕前を試されていると考えましょう。
そういうときでも盛り上がれる話題を用意するのもありですし、軽めの飲食を用意しておくのもありですし、スマホなどでゴルフ関連のYouTubeなどを一緒に見たりするのもありです。

自分の得意分野を見つけて、渋滞対策を準備をしておくぐらいの心配りは、ゴルフの内だと考えるだけで、ピンチをチャンスにできるわけです。

ゴルフはボールを打つだけのゲームではなく、実に様々な面白さの枝葉が広がっているゲームです。
大きなマイナス要素であるコース内渋滞を楽しむのは、アンダーパーでプレーするよりもむずかしいかもしれません。だからこそ、挑戦する意味があるのです。
まずは、自分らしい準備をすることからスタートです。

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。