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全米シニアオープン2位、藤田寛之が帰国会見。「これからもメジャーという場を楽しみたい」
決着まで5日かかった今年の「全米シニアオープン」。初日から単独トップで最終日を迎え、日本人初の優勝が期待されていた藤田寛之だったが、月曜日に持ち越された最終日を戦い、プレーオフで惜しくも2位という結果となった。帰国すると、多くのゴルフファンたちが羽田空港に集結していた。
撮影/ゴルフサプリ編集部
「藤田プロ感動をありがとう!」
3日連続の60台を叩き出し、初日から単独首位をキープしていた藤田寛之。2位とは3打差で迎えた2度目の最終日……というのも、悪天候による遅延と中断が重なり、残り8ホールという微妙なホール数を残し、最終ラウンドがサスペンデッドとなっていた。
残念ながら71とスコアを落としてしまうと勝負はリチャード・ブランドとのプレーオフへ突入。初の海外メジャーでのプレーオフは4ホール続き、惜しくも全米シニアオープンのタイトルを逃した。
悔しい気持ちも束の間、急いで日本に帰国し、そのまま日本プロゴルフ選手権の試合会場へ向かう藤田を激励しようと、師匠の芹澤信雄をはじめとしたチームセリザワのメンバーや多くのファン、メディアが羽田空港に駆けつけた。その数、50名以上。「感動をありがとう」というメッセージボードを掲げるファンや、携帯で動画や写真を撮る人、藤田寛之を一目見ようと、到着出口は大騒ぎだった。
予想もしていなかったサプライズを受けた藤田は、「SNSで応援のメッセージをたくさんいただいて、みなさんの気持ちが伝わってきた。優勝できたらよかったのだけれど」と悔しさも見せつつ、「(みなさんの)”感動をありがとう”という言葉に驚いた。自分のプレーをしていただけなのに、そういうふうに見ていただけたのが、プロとして嬉しかった」と笑顔を見せた。
しかし、やはり悔しさはあったそうで「正直なところは、残念な気持ちが一番。初日から最終日までずっと首位だったことと、ストローク差などを見て、これは勝てる! と長年の勘があった」(藤田)
4日目が中断したことで少し調子を崩したという。
通常1日で済むはずなのに、トップで迎える最終日が2度来たということもあり、プレーオフの際は「これで勝った人がメジャーの大会を制するのか……」と、不思議な感覚で迎えたのだとか。
「(プレー終了後)残念で悔しい気持ちだったのはほんの30分ほど。よくよく考えたら、過去の成績で、30位以内に入ったことなかったので、よくやれたと思う。」と気持ちはすでに前を向いていたという。
「自分のやったことを実感し、びっくりしている。いつも通りトーナメントに挑んだらこうなった。結果として、期待に応えられなかったのは悔しいけれど、いつも応援してくださっているファンの方や、サポートしてくださっているスポンサーの方々への感謝の気持ちをこの場をお借りして伝えたいです」と頭を下げた。
「メジャーのこの瞬間とフィールドを楽しむことがベース。この気持ちを忘れずに最終日もプレーした」
普段から、いつも通りのプレーをすることを心がけているという藤田だが、今回の海外メジャーでは最終日、かなりのプレッシャーと期待、様々な思いがあったことは、言うまでもない。想像もできない状況下ではどう変わったのか気になるところだが、中継を見ていた限り、藤田は冷静で変わらず、かっこいいゴルファーだった。
「芹澤師匠からなんて言葉をもらったのか?」とメディアから聞かれると、「ちょっと覚えてなくて……(笑)」と答えた藤田に変わって師匠・芹澤信雄が登場。ホールアウトした時に、”よくやったな、これからも頑張れよ”とメッセージを送ったのだと教えてくれた。「最終日の前日には、こんなに頑張っている人に頑張れなんて言えなくて。本人が、”楽しみたい、この場にいれて嬉しい”と言っていたので、”楽しんでね”と送った」のだという。
さらに、「(藤田の)ゴルフに対する姿勢を尊敬している。海外に挑戦してから、ゴルフに対する気持ちがさらに大きくなり、向き合うようになったと思う」と称賛。それに対し、藤田は「師匠からの言葉は嬉しい。ずっと指導していただいていて、唯一無二の存在なので、すごく勇気をいただいている」と、照れ臭そうに語ってくれた。
昔はよく、前日に不安要素などをメッセージして、アドバイスをもらうことが多かったというが、賞金王になった頃、”お前のゴルフをやればいい”と師匠から言われたことがいまの藤田の力となっていると語ってくれた。
「自分のことをやればいいと、お前は大丈夫だよと言ってもらえて。それからは、自分から送ることはなくなった。師匠からは絶対メッセージをしてくれる」という。今でも、少なくとも年に2、3回は相談し、時間を作っているのだとか。チーム芹澤の結束力は固い。
「ナイスプレーだったね」ゴルフファンで溢れる町
常にリーダーボードの一番上には「FUJITA」の名前があり、選手含め、多くのゴルフファンが覚えてくれたようだ。
その反響はすでに試合中にあったそうで「(ギャラリーに)声をかけていただくことが多かった。選手もそうだし、ボランティアの方々なども。食事をしに町に出たら、町中が試合の雰囲気でゴルフを知っている人ばかりで、スーパーのレジ前で並んでいたおばさんからは、”ナイスプレーだったね”と声をかけられ、ありがたかった」と素直な感想を述べてくれた。
「残念だったね」という人はいなかったという、温かいゴルフファンで溢れる町に藤田もきっと心を奪われたに違いない。
「海外の強い選手と毎日回って戦い、今後の藤田さんの自信に繋がったのでは」と質問が飛ぶと、
「まだ、自分の中で処理できていないのですが、どんどん良くなってきていると思えてきました。しかしまだ1回だけですが、事実として2位となったので可能性はあるし、これからだなと感じました」と謙虚な姿勢を貫いた。
また、デルタ航空の機内でゴルフチャンネルが流れ、自分の名前が出て映像が写っているのを見ると、「イチゴルフファンとして、今まで見ていた海外の試合に自分が写っていて、そのレベルにいけたという事実が今回の1番の収穫だった」と答えてくれた。
今回の成績次第ではあるが、今後出られる海外の試合には挑戦していくそうで、次の海外トーナメント参戦は、全英シニアオープンゴルフ選手権。
「楽しみでもない! 期待されると困る」と答えると、会場はどっと笑いの渦に包まれていた。
帰国会見後すぐ、日本プロゴルフ選手権に参戦するというハードなスケジューリング。目標は、いつものスタンスと変わらず、まずは4日間プレーすること。
「強いアイテムを手に入れて帰ってきたとかだったらいいのだけれど、勘違いできないタイプだから、あまり期待しないでほしい」と再び笑いを誘っていた。
「若い人たちの元気のいいパワフルなゴルフや、新しい技術など、会場に行くと新しい発見がある。今までやらなかったプレーができるようになる」といつまで経っても藤田寛之のゴルフに対する気持ちは真面目で誠実だった。
長旅で疲れている中、穏やかに、丁寧に、対応する藤田の人間性の高さに脱帽。大きなプレッシャーの中、海外で強く戦った藤田寛之は、とにかくカッコよかった。
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