竹田麗央・独占ロングインタビュー「小さい頃から飛距離は負けないと思っていました」
初優勝からなんと3勝! 竹田麗央 独占インタビュー!
「パッティングの軌道をオフに変えました。今まではパー3とアプローチがダメだった」
プロ3年目の21歳、竹田麗央が日本女子ツアーで「無双」の強さを見せている。4月に初優勝すると、翌週には史上4人目となる初優勝からの2週連続優勝を達成。5月に3勝目を挙げると、6月には初の海外メジャー「全米女子オープン」でも9位。何が彼女を変えたのか? 3勝目を挙げた直後、約1時間30分のインタビューに答えてくれた。
ゴルフトゥデイ本誌626号/54~59ページより
取材協力/花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース 取材・構成・文/野中真一 撮影/田中宏幸
「昨年までは優勝できる感覚がなかった。だから変えました」
ヤマハで敗けてからリーダーズボードを見ないようにした
今シーズンは賞金ランキング、メルセデス・ランキング、平均スコアなどあらゆる部門で1位になっていますが、昨年とは何が違いますか?(順位は6月21日時点)
竹田 昨年ははじめてレギュラーツアーで1年間試合に出て、最終戦にも出場することができたので、とても良い経験ができたと思います。その経験と課題を今年は生かせていると思います。
昨年も8試合でトップ10に入っていましたが、優勝できる手応えはありましたか?
竹田 1年間やっていても勝てる感覚はありませんでした。
何か変えたところは?
竹田 このままでは優勝できないと思ったので、オフシーズンにパッティングの軌道を見直しました。強い選手はボールの転がりがいい。私はカット軌道になっていたので転がりが弱くて、綺麗な順回転になっていませんでした。だからオフの間にイントゥ・イン軌道にしました。
新しいパター軌道とタッチは上手く馴染みましたか?
竹田 最初は違和感がありましたけれど、試合がない時期にかなり練習していたので、だんだん馴染んできました。
他にオフシーズンに取り組んでいたことは?
竹田 昨年の成績を見てパー3のスコアが良くなかった。グリーンを外したときにパーが取れていない。トップ選手は難しいところからでもパーを拾えるのに、私は簡単なところからボギーになっていました。だからショートゲームもかなり力を入れて練習していました。今年のオフはショートゲームとパッティングを集中的にやりました。
はじめて優勝を意識した試合は?
竹田 プロになって初めて単独トップで最終日を迎えた「ヤマハレディスオープン」です。調子も良かったので「勝てる」と思っていたのですが、終盤で逆転されてしまった。今までの試合で1番悔しかった。でも、こういうプレーでは勝てないと思いました。
こういうプレーとは?
竹田 優勝したい気持ちが強すぎて、結果とスコアばっかり気にしていました。ずっと、リーダーズボードも見ていました。
初優勝した「KKT杯バンテリンレディス」ではどういうプレーを意識していたのか?
竹田 あの試合は初日から予選通過ギリギリのスコアで、2日目が終わって最終組に入ったことに驚きました。でもトップとは3打差あったので、前日までは優勝は意識していませんでした。最終日もヤマハの反省を生かして、なるべくリーダーズボードも見ないようにして、自分のゴルフだけに集中しました。すると、最後まで落ち着いてプレーしながら優勝できた。それがすごく自信になりました。
翌週の「フジサンケイクラシック」は難コースの川奈ホテルGCで2週連続優勝を達成しました。
竹田 熊本で初優勝したときに「こうやって優勝するんだ」という感覚がわかった。だから川奈でも自分のゴルフを最後まですればいいと思いながらやっていたら勝てました。川奈は兄にキャディをしてもらいましたが、兄は野球をやっているので、ゴルフのことはよく知りません。兄の方が緊張していたと思います。初優勝できたことの自信が、2勝目につながったと思います。
ゴルフが盛んな熊本で生まれ育った竹田麗央母の竹田哲子(さとこ)はツアープロであり、叔母は元・賞金女王の平瀬真由美。父・宜史(たかし)さんはゴルフショップを経営しており、クラフトマンの仕事もしていた。恵まれたゴルフ環境で育った竹田のジュニア時代は?
「麗央」名前の由来はゴルフショップに来たお客さん!?
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