チャーリー・ハルの行為で“ゴルフと喫煙”が注目を集めることに

笹生優花の優勝で沸いた今年の全米女子オープン。そのとき、“ゴルファーの喫煙”が、改めて注目されるようになったのをご存じですか?
主人公は、米女子ツアーで2勝を上げている英国のチャーリー・ハル。彼女が、女の子からのサインの求めに、くわえタバコで応じているシーンが、SNS上で拡散されました。「カッコいい」「新鮮!」などの意見もあったようですが、ほとんどは、「少女の前でのタバコはどうなの?」と批判的。ハルも半ば謝罪をするような感じで、「もうすぐタバコを止めるつもりでした」といったコメントをしていました。
この記事を目にして改めて考えさせられたのは、ラウンド中の喫煙について。世の中が喫煙に対して厳しくなっている現在、ゴルフ場ではどういう対処をしているのだろうか?

調べてみると、コースによっても異なりますが、昔と同じように、クラブハウスと茶店、ティーイングエリア周辺以外では“喫煙不可”というのが一般的です。ただ最近は、クラブハウスも屋内の喫煙所はめっきり減り、ほとんどが屋外の一角に設けられているほか、茶店もNGになっているところが増えています。
ゴルフ場が喫煙を嫌うのは、火事の恐れがあるからです。ゴルフ場が丸々焼けたという話しは聞きませんが、タバコのポイ捨てが原因で、ティーイングエリアの芝生が燃えてしまったという事件はときどき耳にします。

若い人はご存じないかもしれませんが、プロも含めて昔のゴルファーの中には、ティーイングエリアに上がったらタバコに火を付け、自分の番が来たらヘッドカバーを置くのと同じように吸いさしのタバコを芝生の上に置き、打ち終わったらそれを拾い上げて再び吸い始めるという人も少なくありませんでした。

そういうこともあって、「タバコは身体に良くないらしい」という風潮が高まると同時に、ゴルフ場もティーイングエリアの灰皿を撤去するなど、喫煙対策を積極的に展開したようです。
また、2018年7月に健康増進法の一部が改正され、2020年4月に受動喫煙防止対策が義務化されたことで始まった、“吸わないゴルファー”からの抗議も、“喫煙ゴルファー”の肩身を狭くしている要因です。
広いゴルフ場とはいえ、風向きによっては煙や臭いが直撃することも。タバコを吸わない人にとってはこれほどの苦痛はないようで、タバコが原因で楽しいゴルフも険悪なムードのなることがあるようです。

プレー中は吸わない。それぐらいの覚悟は必要かも

このような状況の中で、喫煙ゴルファーはどう対応すればいいのか?
喫煙は、あくまでも嗜好的なもので、良い悪いを論ずるべきものではありません。非喫煙者は往々にして、「まだタバコなんか吸っているの?」という言い方をしますが、これはハラスメントの一つだと思います。

ただ、これだけタバコ嫌いが増えてきた(実際はそんなに多くはないのかもしれませんが、嫌いな人は徹底して嫌うので多く感じます)ことを考えると、周囲への配慮も必要になってくるでしょう。

まずは、マナーを徹底して守る。公園などでは、“敷地内全面禁煙”にしているところが多くなっていますが、ゴルフ場では必ず喫煙場所が設けられているはず。吸いたいと思ったら、必ず喫煙場所に行きましょう。

また、これまで認められていたティーイングエリア周辺での喫煙も、受動喫煙の観点から、できるだけ控えた方がいいでしょう。同じパーティーのゴルファー全員が喫煙者だったり、吸わなくても喫煙に理解がある人だということが分かっていればいいのですが、そうでない限り、ラウンド中の喫煙は控えるべきです。

また、喫煙者の中には、「加熱式なら煙も臭いも控えめなのでいいだろう」と思っている人もいるようですが、受動喫煙の恐れが全くないわけではないようですし、先述したように嫌う人は徹底的に嫌います。煙も見えないし、臭いもしないのに、人が口にくわえているを見ただけで不快な思いをする人もいるようなので気をつけましょう。
喫煙ゴルファーの中には、「一服することによって、気分が落ち着いたり、スイッチが入ったりするんだよな」という人もいるようですが、残念ながらそれが認められないこの時代。タバコに頼らずにリラックスする方法や、やる気が起こる方法を見つけた方がいいかもしれませんね。

真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。