グリップを変えたら弾道が変わった!? 時代によって移り変わるグリップのトレンド
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第26回
ドライバーやアイアンに挿すグリップの太さ・重さ、バックラインの有り・無し、パターに入れるグリップ――。流行りや人気がそのときどきで変わるもんだから、どういうグリップがホントに良いのかよく分からない。そんな問いかけに、カリスマフィッターの鹿又さんはこう答えた。
写真/ゴルフサプリ編集部
グリップによってヘッドスピードや弾道が変わる可能性がある
前回の“こぼれ話”では、重いグリップと軽いグリップについて、それぞれに特徴や利点があることをお話ししました。とはいえ、そうは言われても「軽くしても打てる、重くしても打てる。じゃあどっちがいいんだろう?」と、迷うのではないでしょうか。
ボクが伝えたいことは、クラブとプレーヤーの相性によってそのくらい結果が異なるということであり、グリップ一つでヘッドスピード(HS)やボール初速などに変化が起こる、ということを理解してもらいたいんです。
グリップというと、どうしても「握りやすさ」とか「デザイン」ということに目が行きがち。でも実のところ、ヘッドやシャフトと同じように「弾道」にもしっかりとアプローチできるツールの一つであることは間違いありません。
PGAツアーで“バックライン有り”が増えている
グリップについては、最近の傾向として「アライン」(ゴルフプライド)のように、見た目にも触感としても分かりやすいバックラインが入っているモノもあります。そして今は、PGAツアーのプレーヤーの間でも“バックライン有り”のグリップが流行ってきているとのこと。指の関節にしっかりフィットして「握りやすい」ということから“バックライン有り”のグリップに変更する選手が増えているのが現状です。
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パターに挿すグリップも大きく変わった
ギアのトレンドは不変ではありません。分かりやすい例を挙げれば、近年のパターに入っているグリップはどうでしょうか。かつての「ピストル」(ピン)みたいな細いグリップが入るパターが圧倒的に少なくなっていて、太いグリップが増えていますよね。
どうしてそういう変化が起きたかと言えば、パターのヘッド重量が重くなって大きくなってきた。それに伴って、パターのグリップも重量に関してはいろいろあるにせよ、だんだん太くなっていきました。
ヘッド重量が重くなるとグリップ重量も重くなった方が、バランス(スイングウェイト)が重くなり過ぎないこともあるし、クラブとしてモノとして振りやすくなるのでしょう。そうすると、総重量が重くなって振りにくくなるのでは? と思うかもしれませんが、そういうことでもありません。それは前回も述べたように、ヘッド重量が軽くなるとグリップ重量を軽くした方が結果がいいのと同じように。
グリップを一つとっても、トレンドはトレンドであり常に同じではありません。だからこそ「自分はコレがいいんだ」「グリップはこういうものなんだ」と凝り固まることなく、いろいろなタイプを試してもらうと、より好ましい結果につながるのではないでしょうか
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鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。