一昔前には60g台が定番だったが現在は50g台に移行している

今回はドライバーのシャフトの重さについて考えたいと思います。軽量化が進み、総重量がどんどん軽くなっているドライバーですが、ヘッド重量はそこまで大きく変わりません。となると、ポイントはシャフトの重さ。シャフトについては、キックポイントや振動数なども大事な要素ではありますが、あまり話を広げると視点がボヤけてしまうので、ここでは重さをクローズアップして、どんなゴルファーにどの重さが合うのかをお話しします。

今のドライバーのシャフトの重量帯は40g台から70g台ですので、40g台、50g台、60台、70g台の4つに分け、ポピュラーなものから順に説明していきます。一応、適正なヘッドスピード帯も併記しておきますが、ヘッドスピードはスイングバランスや振動数などと同様一つの目安なので、そこまで気にしなくても結構です。

50g台 適正ヘッドスピード=40~42m/s

ドライバー全体が軽量化している影響で、いまや定番になりつつある重量帯です。試打クラブとして用意されていたり、フィッティングをする時にまず打つのも50g台が多いようです。適正ヘッドスピードは40~42m/s。平均的なゴルファーに向き、フィットする人も多いので、新規購入を考えている人は50g台から打つといいでしょう。

後述しますが、一昔前のシャフトは60g台が中心でした。例えば年齢が50代より上の60g台使用者の方で、体力が落ちた、ラウンド後半で振りが鈍るようになった、練習で疲れを感じやすい、といった傾向がある人にも50g台はフィットすると思います。無理なく振れる安心感がありますから、40g台のシャフトでは物足りないと感じる人にも合うでしょう。いろいろな意味で、多くのゴルファーの受け皿になれるレンジということもあり、急速に定番化が進んでいます。

60g台 適正ヘッドスピード=44~46m/s

一昔前に定番だった重量帯です。僕も試打などで打つ機会が多かった重量帯ですが、ドライバー全体が軽量化したために最近は重めの部類になっています。かつては「60gが打てないとダメ」などと言われましたが、これはまったくの都市伝説。まして定番が50g台になりつつある昨今のこと、打てなくても何ら問題はありません。

適正ヘッドスピード帯は44~46m/s。打ちこなすには平均より速めのヘッドスピードが必要です。重いぶんパワーが必要ということですね。ただ、ヘッドスピードが速くても軽いシャフトが好きな人もいれば、遅くても重いシャフトを好む人もいますので、フレキシブルに考えましょう。

40g台 適正ヘッドスピード=39m/s以下

ある程度のバリエーションがあるという前提で、現在最も軽い重量帯が40g台です。適正ヘッドスピードは平均より遅くて40m/sいかない人。男性は数字通り、女性ならヘッドスピードがあってレディスクラブでは物足りないと感じている人に合います。シニアやジュニアゴルファーにもいいでしょう。ジュニアの場合は重くしていくためのクッション的な役割も担えます。最近は純正シャフトとして入っていることも多いですが、これは軽量の方が万人向けにしやすいからです。ヘッドスピードに関係なく楽に振れるので手を出しやすいですが、ヘッドスピードが速い人にとっては明らかにアンダースペック。腕だけでビュンビュン振れますから、長期的にはスイングが手打ちになる危険があります。僕はこれをアンダースペック症候群と呼んでいますが、大きな動きを使わなくなるのです。本人は気づかないのでなおさら危険。そのままだと半年~1年後にはスイングが退化してしまうので要注意です。

70g 適正ヘッドスピード=48m/s以上

一般ユーザー向けとしては最も重い重量帯でパワーがある人向けです。48m/s以上のヘッドスピードが必要で、これはもうプロレベルと言っていいでしょう。60g台との間には10g台の差しかありませんが、他のレンジと違って両者には数字以上に大きな差があります。以前は男子プロの定番レンジでしたが、近年は60g台に移行しつつあるようです。プロも頑張らなくていい楽なシャフトを選んでいるということでしょう。

以上のほか、さらに軽い30g台、逆に重い80g台のシャフトもあります。前者は一般向けはほぼ特注品で、ヘッドスピードがかなり遅い人や女性がメインターゲット。後者はヘッドスピードが52m/s以上ある超ハードヒッターやドラコン選手でないと使えません。

スイングタイプとの関連について記しておくと、ゆっくり振ってクラブの重さを感じるタイプなら重め、速くシャープに振るタイプなら軽めのシャフトが合います。基本的には紹介した4つの重量帯から選んでいただければいいですが、軽い方向にシフトするにしろ、重い方向にシフトするにしろ、1つのレンジのアップダウンにとどめましょう。つまり「60g台から40g台」とか、「50g台から70g台」とはしない。50g台を軽くするなら40g台に、重くするなら60g台に、という具合ならOK。一段抜かしは危険です。

また、ヘッドとの相性もあるので、交換する際には、例えば「40g台と50g台」、「50g台と60g台」というように、必ず隣り合った2つの重量帯を打ち比べることをおすすめします。こうすることでアンダースペック症候群に陥るのを防げます。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。