例えヘッドがぶっ飛んでも、元に戻して使うことは可能
打った瞬間にボールだけでなく、カチャカチャで取り付けたヘッドが飛んでいってしまった……。想像しただけでも恐ろしい話ですが、そういう出来事が、プロのトーナメントでありました。
舞台は、2024年4月に行われた米ツアー、「バレロ・テキサスオープン」。3日目の17番パー4で、ルドビグ・オーバーグがドライバーを振り回したところ、シャフトからヘッドがすっぽ抜けたのです。
もし実際に、こういうことが起こった場合、どうすればいいのでしょうか?
ルール上は、ラウンド中に損傷したクラブの使用、修理、交換に関して、次のように規定されています。
「適合クラブがラウンド中やプレーの中断中に損傷した場合、クラブを乱暴に扱った場合を除き、プレーヤーはそのクラブを修理するか、他のクラブに取り替えることができる」。 つまり、自らの力で故意に壊したのでなければ、取替えることができるということです。
カチャカチャに関しても、元の性能に戻すのであれば、飛んでいってしまったヘッドを拾って付け直したり、ネジを締め直してもいいことです。
また、別のクラブに取替えることも可能です。ただし、その場合は、プレーの進行を妨げないようにすること。もし予備のクラブを車に積んでいる場合は、ハーフターンのときに交換するしかないということです。
ラウンド中に調整するのはペナルティー
カチャカチャの場合に気をつけなければいけないのは、取り付ける、または締め直す場合、もとの状態と異なるセッティングにしてはいけないということです。ロフト角やライ角の調整ができるのはスタート前のみで、一度スタートしてしまったら調整し直すことはできないのです。
このことで思い出すのは、2024年の全米オープン。優勝したブライソン・デシャンボーは、最終日のスタート前に、「より良いドライバーショット」を求めてドライバーヘッドを別のものに交換したのですが、これが大失敗。3日目までは比較的安定していたティーショットが曲がり始め、最終的には1打差で勝利したものの、試合終了後、本人も、「新しいヘッドでは数球打っただけ。もっと使い込むべきだった」とコメントしていました。本音をいえば、試合途中で3日目までのヘッドに戻したかったのでしょうが、ルール上、それはできなかったのです。
アマチュアゴルファーの中にも、ラウンド前の練習で、ヘッドを選んだり、ロフト角やライ角を決める人がいるようですが、これに関しては慎重にやった方がいいと思います。
なお、旧ルールでは、性能を変更した時点でペナルティが課せられていましたが、原稿リールでは、変更したクラブでボールを打つ前に、元の状態に戻せばノーペナルティーで、引き続きそのクラブを使用することができようになりました。
ちなみに、ウェートのネジが外れてしまったなど、調整機能に不具合が生じた場合は、ルール上は「ラウンド中に破損したクラブ」となり、残りのホールも引き続き使用できます。
これらのクラブに関するルール、プレイベートゴルフでは、あまり細かくいわれないかもしれませんが、公式競技はもちろん、同じ組に几帳面な人がいると気まずい雰囲気になることもあります。もしものときに備えて、しっかり記憶しておくようにしましょう。
真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。




