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ヘッドスピードアップは「インパクトで脱力」が正解!ブランコを加速させる時の要領です

ゴルフコーチ・兼濱開人がわかりやすくレッスン|初心者だってできる『キレイなドライバースイング』のマスター法! VOL11

2024/08/11 ゴルフサプリ編集部

兼濱開人

兼濱開人コーチがレクチャーする『キレイなドライバースイング』の作り方シリーズ。第11回はクラブヘッドを効率よく加速させて飛距離を伸ばす極意をレクチャーする。「インパクトでヘッドスピードを上げようとするとリキミにつながりますよ」と兼濱開人コーチ。じゃ、どうすればいいの?

構成/三代 崇 写真/圓岡紀夫 協力/新武蔵丘ゴルフコース

キレイなドライバースイングはボールに向かってヘッドが効率よく加速する

切り返しの瞬間にパワーをマックスに持っていくイメージが大事

ヘッドスピードを上げるにはどうしたらいいの? パワーがなくても飛ばせるようになる方法はない? スタジオに来られるゴルファーからよく訊ねられるご質問です。

話を聞いてみると、ほとんどの方が飛ばすにはインパクトの瞬間にパワーをマックスに持っていくのが正しいと思い込んでいますが、実はそうではないのです。
野球のピッチャーが速い球を投げるときは、手の中にボールがあるからリリースした瞬間に出力をマックスにしますよね。その原理はゴルフスイングも一緒で、トップからダウンスイングへと切り返す瞬間にパワーをマックスに持っていく必要があります。

ところがゴルフの場合は野球のピッチャーと違って、クラブを持つグリップの部分と、ボールをヒットするフェース面の部分が離れていて、パワーの出力にタイムラグが生じます。つまり、インパクトの瞬間に自分で最大のパワーを発揮しようと思っても遅いのです。

切り返しのときから最大のパワーを出すくらいのイメージで振り下ろす。そうすればパワーの伝達がシャフトを経過し、インパクトで最大のパワーを発揮しやすくなります。シャフトが長いドライバーこそ、この感覚がとても大事です。

ただしインパクトの時点ではクラブヘッドの重さで自然と加速しますから、自分自身では「脱力」の感覚となるのが正しいのです。インパクトの瞬間に力を入れて、クラブヘッドを思い切り走らせようとしてもパワーが伝わりませんし、ヘッドスピードも上がりません。

子供がブランコに乗っているとして、勢いをつけるとしたらブランコが下降する瞬間に子供の背中を押してあげるでしょう。背中を押した瞬間がマックスのパワーで、あとは力を加えなくても勝手にスピードが上がります。スピードに乗ったブランコは遠心力によって加速するだけです。

インパクトに向かってヘッドが加速するのは、そんなイメージです。

インパクトで力を入れて飛ばそうとしてもヘッドスピードは上がらない。
インパクトで力を入れて飛ばそうとしてもヘッドスピードは上がらない。
切り返しでクラブが下降に向かう瞬間にパワーをマックスに持っていくことが大事だ。
切り返しでクラブが下降に向かう瞬間にパワーをマックスに持っていくことが大事だ。
ブランコに乗った子供の背中を押してあげるような感覚で自然にスピードがつく。
ブランコに乗った子供の背中を押してあげるような感覚で自然にスピードがつく。
インパクトで脱力すれば遠心力によってクラブヘッドがどんどん加速していく。
インパクトで脱力すれば遠心力によってクラブヘッドがどんどん加速していく。

インパクトの瞬間に右手を離す素振りで「脱力→加速」を体感しよう

キレイなドライバースイングでヘッドスピードを上げて打つには、インパクトでマックスにするのではなくて、逆にインパクトで脱力しないとダメです。そこはボクがとくに強調したいところです。

それを体感する練習としてはボールの代わりにタイヤを叩くのがいいと思います。インパクトバッグのような練習器具を叩くのもいいですが、インパクトバッグよりも固いものを叩くほうが効果は高いといえます。

やってみると分かりますが、叩く瞬間に力を入れてしまうとケガしそうな気がするはずです。振り下ろす瞬間がマックスの力で、それ以降はクラブヘッドの重心の加速にまかせて叩くという感覚です。アイアンのパンチショットのようにインパクトの瞬間に力を入れる感覚とも、まったく違います。

とにかく脱力がキーワードなのです。タイヤを叩く練習に抵抗を感じるようでしたら、インパクトの瞬間に右手を離す素振り練習がオススメです。

右手を離した後はクラブヘッドの遠心力にまかせれば自然に大きな円を描くように振り抜かれます。実際にボールを打っても構いませんが、素振りのほうが脱力と加速の感覚を体感しやすいかと思います。

インパクトで頑張って力を入れても、肝心のクラブヘッドには力が伝わりません。この素振りで力を意識するタイミングや、脱力によってクラブヘッドの加速スピードが上がる感覚をつかんでください。

自分のパワーを効率よく発揮できるようになり、キレイなドライバースイングで遠くに飛ばせる喜びを味わえますよ。

インパクトの瞬間に右手を離す素振り練習をすると脱力させてヘッドスピードを上げる感覚をつかもう。
インパクトの瞬間に右手を離す素振り練習をすると脱力させてヘッドスピードを上げる感覚をつかもう。
クラブヘッドの重さによる遠心力で大きな円弧で振り抜くイメージも体感できる。
クラブヘッドの重さによる遠心力で大きな円弧で振り抜くイメージも体感できる。

インパクト脱力体感の素振り練習で、キレイなドライバースイングをマスター

かねはま・かいと

兼濱開人
かねはま・かいと

1990年9月11日生まれ、沖縄県出身。ジュニア時代から各大会で活躍。現在は学芸大ゴルフスタジオ(東京都目黒区)のヘッドコーチとして多くのアマチュアをレッスン。クラブの特性を利用する最大効率のスイングや、整体師としての知識を活かしたカラダにやさしい生涯スイングの指導に定評。

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