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90切りが目標のゴルファーに10度台ロフトのUTは必要か?

石井良介のゴルフ・すべらない話:第37回

2024/08/14 ゴルフサプリ編集部

石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話。今回は、90切りが目標のゴルファーを対象としたお話。テーマは“ロフト10度台のユーティリティ”。
写真/ゴルフサプリ編集部

パワーがあれば入れてもいいがパワーがない人には向かない

このところ立て続けに、何人ものアマチュアの方から同じ質問を受けました。それはユーティリティ(以下UT)に対する質問で、簡単に言うと「90切りが目標のゴルファーにロフト10度台のUTは必要ですか?」というものです。

昨今のUTはとても打ちやすくなり、アマチュゴルファーのスコアアップに貢献してくれるクラブであることは間違いありません。僕を含めゴルフサプリでも多くの方がそれを説き、上述のような質問をされることが多くなったのもUTが浸透してきた証で、とてもいいことだと思います。

さて、質問ですが、基本的には技量とリンクしない話でおすすめはできません。ただ、同じ90切りが目標でもパワーがある人か、そうでない人かで話は変わってきます。パワーがある人なら、例えばロフト19度くらいのUTのように前に進めることができる番手を入れておいてもいいですが、パワーがない人が入れても宝の持ち腐れになりかねません。

UTは昔からロフト20度くらいを境にボールが浮きづらくなると言われています。本当かどうかわかりませんが、構造上重心の位置が浅いことは事実。おまけに長さも短いですからシャフトのしなりを使いづらい。アマチュアの方がロフト18度のアイアンで球が上がらないのもこれと同じロジックで重心が浅く短いからです。ちなみに、ロフトが18度でも5Wなら打てます。UTに比べて重心が深く、シャフトも長めでしなるのでクラブスピードを稼げるからです。

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もしパワーがない人が入れるとしたら、例えば球が浮かないことをメリットと感じられるならいい。風が強いゴルフ場で回る機会が多いとかですよね。これはUTのロフト問題に限ったことではありませんが、クラブのセッティングは自分の目標に対して何がしたいのか。あるいは何が不足しているのか、といったことをきちんと見極めて行う必要があります。

もちろんスイングタイプによる適正もあります。フェースを開いてカットに打つなら球は浮くでしょうし、シャットに使うなら浮きません。ただし、ボールが浮きがちな人がロフトの立ったUTを使うと、さらにスライスする可能性があります。ですからやはり、ある程度ボールが浮きやすいロフトを選ぶことが大事。浮かないクラブで浮かせようとするとスイングは悪くなる一方。浮くクラブを抑えて打つ方がゴルフはうまくなります。

打球が上がりづらいのは、ボールの低スピン化とも密接に関係しています。USPGAツアーにいるような、とんでもなくパワーがあるプロでさえ3番アイアンを入れているプレーヤーは減っていて、いまやドライビングアイアンは絶滅危惧種です。

ミンウー・リーは3番アイアンでミサイルのような球を打ちますが、彼のようにアグレッシブでパワーがあるプロを除けば、ほとんどはアイアン型UTやウッド型のUTを入れています。ボール自体が低スピン化しているため、力に対してのスピン量が少ないので浮きづらいからです。

それならクラブの力で何とかするしかない、というのがこれからの流れになってくるはず。トッププロでさえそうなのですから、今後はUTももっと浮きやすいウッド型になるのがひとつの方向なのかなと思います。飛び系のボールなら打ち出しは高くなるかもしれませんが、その先がどういう結果になるかはわかりません。

いずれにしてもコンスタントに距離を稼げるのはロフトのあるUTです。90切りが目標ならば、22~23度くらいでコンスタントに前にボールを運んだ方が大ケガはしません。その分、早く目標を達成できるのではないかと思います。

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石井良介

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。