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「ニトリレディス」で今季2勝目。桑木志帆を支えたのは「8年物」のアイアン
国内女子ツアー「ニトリレディス」は、桑木志帆が6月のプロ初Vに続く2勝目を挙げた。最終日はパーオン逃しが1ホールだけで全体1位。4日間通算のパーオン率も全体の2位というショットを支えたのは、8年前のモデルだった。
17番ホール、残り130ヤードを「入れるつもりで打った」
16番パー3を3パットのボギーとして同組の鶴岡果恋。2組前のペ・ソンウとトップタイに並ばれた桑木は、次の17番パー4で残り130ヤードからの2打目を「入れるつもりで打ちました」と振り返ります。
「思い通りに打てた」9番アイアンでのショットは2メートルにオン。バーディパットを決めて1打リードとすると、そのまま逃げ切って優勝しました。
愛用するのは2016年モデル「TOUR B X-CB」アイアン
この“ウィニングショット”で使ったのが2016年10月に発売された「TOUR B X-CB」アイアン(ブリヂストンスポーツ)です。2003年1月生まれで現在21歳の桑木は、ジュニア時代からこのクラブを使い続けています。
フェース面の打球痕はスイートエリア周辺に集中していて、さすがはトッププロとうならされます。
1セットは中古ショップで購入しキープ……
桑木ほどの選手がこれだけ長期間使い続けると「ショートアイアンの溝が減ってきていて…」ということが起こります。
このことでスピン性能が低下しますが、溝を削り直すなどすることは不可能です。
「X-CB」は発売から8年が経っていて、すでにメーカーにも在庫がない状態。そこで桑木は、中古ショップで状態のいいモノを1セット購入。現在使っているアイアンがツアーを戦っていく上で「もう使うことができない」となった場合に置き替えられるように備えているそうです。
アイアンをスイッチするタイミングは……
前述の17番ホールの2打目は「ちょっとつま先上がりで、風が左からのフォローだったので、フルショットというよりもライン出しっぽく風に乗せていこうという感じで打ちました」(桑木)と説明する、なかなか複雑な状況。
それでも「クラブ選択に迷いはなかったし、自信を持って打てました」と、アイアンがまるで身体の一部のように使えています。
今月にはブリヂストンスポーツのアイアンの新モデル「241CB」が発表されました。桑木もすでにテスト済みで「バックフェースが厚くて、打感が好き」と好感触です。
現在使う「X-CB」の溝がすり減っていることもあって、「替え時かな」と思っていたタイミングでいいクラブと出会えたことで「違和感なく替えられそうです」と8年ぶりのスイッチに前向きに話していました。
とはいえ、ショットが冴えに冴えての優勝で「替え時」が難しくなってしまったかもしれません。
調子がいい時こそクラブの替え時?
一方で「絶好調の時こそ替え時」という考え方もあります。調子がいいからこそクラブの微妙な性能差に気づけるでしょうし、自分の求める弾道や飛距離、スピン量などが打てるように調整すれば、そのクラブは「最高の調子の時に、最高の結果が出せる」ものになります。
この優勝でメルセデス・ランキングは5位に浮上。初優勝から2か月経たずに2勝目を挙げられたことで「この調子でいければ年間女王も見えてくると思います」と桑木は話しました。
メジャーV。そしてアメリカツアー参戦
さらに「メジャーで勝って3年シードを取って、向こう(アメリカ女子ツアー)のQTを受けて向こうでやりたいとも思います」との“未来地図”も語りました。
その過程で、いつアイアンを替えるかも注目です。
(取材・文/森伊知郎)
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