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プロも入れ出した「セット売りのPW」と「バラ売りのPW」は何が違うの?

吉本巧のゴルフギア教室 第30回

2024/08/31 ゴルフサプリ編集部

PW

セット売りに含まれるPWとバラ売り=単品ウェッジのPW相当のロフトのウェッジには、違いがあると言う吉本巧。どんな違いがあって、それはゴルフにどのような差を生み出すのだろうか。
写真/ゴルフサプリ編集部

セット売りはアイアン、バラ売りはウェッジっぽくできている

何かと使う機会の多いピッチングウェッジ(以下PW)。アマチュアゴルファーのほとんどはアイアンセットを買った時、そこに含まれているPWを使っていると思います。その一方、単品でバラ売りされているPWもあり、こちらは多くの場合、上級者やクラブにこだわりがあるゴルファーが使っています。2種類あるということはそれなりに意味があるのですが、残念ながらそれを知っている人は少ないのが現状です。

ということで、ロフト角が同じ前提で2つを比較してみましょう。まずセット売りのPWには、ソールに“P”とか“PW”と刻まれておりロフトは刻印されていません。これに対し、単品売りPWのほとんどは、44度、46度、48度といったようにソールにロフトが刻印されています(例外もあります)。

ヘッドの形状も違います。みなさんは2つを並べて見る機会がないので気づきませんが、セット売りのPWはアイアンの流れを汲む作りになっています。PWと刻印されてはいますが、その実態は10番アイアンと呼ぶべきもので、ゴルファーがフルスイングすることを考えてのもの。ホンマゴルフのアイアンには”10”と刻印されていますが、これは理にかなっています。

ウェッジ
言われてみると単品ウェッジのほうが“ウェッジ然”としているように見える。アスリート向けモデル(写真中央)のPWでさえ、たしかにアイアンの流れの中にあるPWという印象だ。

これに対し単品売りのPWはウェッジの流れを汲んで作られています。下のウェッジからだんだんロフトが立ってきて、その最終形のようなイメージです。そのためヘッド形状もウェッジ寄りで丸みがかっているものが多い。どちらかといえばフルスイングせず、ウェッジの延長で距離をコントロールするタイプのクラブになので100%のスイングで使うことがあまりない人に向きます。

ほとんどがコントロールショットなのにセット売りのPWを使っている人、逆にフルスイングすることが多いのに単品売りを使っている人は、ダメなわけではありませんがイメージが出にくいまま使っている可能性があるので、自分サイドのPWを使ってみるといい。100ヤード前後以下の距離がガラッと変わる可能性があります。

イメージの出やすさや打ちやすさの違いは、バンス角とスイングバランスの影響とも考えられます。セット売りのPWはバンス角が少なめでボールをクリーンに打ちやすくできています。これもアイアンの流れです。一方、単品売りはバンスが多め、といっても1~2度程度ですが、これだけでもフェースを開いて打ちやすくなったりロブショットも打てるようになる。すなわち打球をコントロールしやすくなります。

スイングバランスについてはセット売りはアイアンと統一されている場合が多い。この事実だけでもフルショットすることを前提に作られていることがわかります。単品PWのバランスはアイアンと同じか重め。フルスイングした時にアイアンと違って重く感じる人は、ほぼ間違いなく重めのバランスになっています。アイアンと同じように振り回すと軸ブレが起きやすいので、振り幅をコントロールする、あるいは短く持って振るといった工夫が必要になります。

アマチュアゴルファーのほとんどはセット売りのPWを使っていると思います。もちろんそれでも問題なくプレーはできますが、ウェッジ寄りの単品PWの方が使いやすく、距離が合うようになると思います。ただ、ここまで書いてきたことを知らないゴルファーが多いので需要が少ないのが現実。そのため44度前後の単品ウェッジは市場にあまりありません。今のところこの手のPWを有効利用shているのは上級者が多いようです。

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吉本巧

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気