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松山英樹が復活! 年間王者になれそうな、これだけの理由【PGAツアー最終戦】
コンペのハンデ戦のようなルールも解説!
腰痛が心配されたが練習ラウンドに現れ、出場は間違いなさそうだ。
今週のアメリカPGAツアーはシーズン最終戦の「ツアー選手権」。前週までのランキング3位の松山英樹には、初の年間王者の期待がかかる。アジア勢としても初の快挙達成は、十分にチャンスあり、だ。
松山は3打差の3位から大会をスタート
初めに「ツアー選手権」のルールを説明します。
前週までのレギュラーシーズンとプレーオフ2戦目までは積み上げてきた「フェデックスカップ」のポイント数によってランキングが決まりました。
「ツアー選手権」はランキング30位までに出場者が絞られ、ランキングに応じてスタート時点のスコアが決まります。1位の選手は「10アンダー」。2位は「8アンダー」というように上位者ほどいいスコアでスタート。3位の松山は初日を「7アンダー」からスタートします。
コンペで参加者のハンディキャップがあらかじめ決まっているようなもの、と例えるとわかりやすいでしょうか。
そして、スタート時点のスコアを加味した4日間、72ホールの合計スコアで1位となった選手が「年間王者」となります。
現行システムは2019年から
このシステムは2019年から始まりました。それまでは最終戦も順位に応じたポイントを加算してその合計で年間王者を決めていました。ところが、これだと大会の優勝者と年間王者が異なって、表彰式でどちらが主役かわからないことも……。
そこで現在の固定ハンデ制?が採用され、優勝者=年間王者となりました。
1位でスタートして年間王者となったのは5人中、2人
2019年から昨年までの5年間を振り返ると、1位で「ツアー選手権」をスタートしてそのまま年間王者となったのは20年のダスティン・ジョンソンと21年のパトリック・カントレーの2人。昨年のビクトル・ホブランは2位から。22年と19年の王者、ローリー・マキロイは7位(6打差)と5位(5打差)からのスタートでした。
つまり、3打差の3位からスタートする松山は十分にチャンスがある、といえます。
会場は「マスターズ」創設者のホームコース
ツアー選手権が行われるイーストレイクGCは、「マスターズ」の創設者ボビー・ジョーンズのホームコースです。ジョージア州アトランタにあり、同じ州内のオーガスタまでは車で3時間ほどの距離。過去にはタイガー・ウッズ。ダスティン・ジョンソン。ジョーダン・スピースなどが両大会で優勝しています。
これに続きたい松山は一昨年まで9年連続で出場しており、コースを知り尽くしているのはアドバンテージでしょう。
コースの印象については
「長くなっているホールもありますが、短くなっているホールもあります。グリーンが硬いのでティショットをフェアウェイに置いていないと厳しい戦いになるかなと思います。そこさえクリアできれば、いまの状態なら上位に行けると思います」
とインタビューで答えています。
アウト、インの入れ替えは松山に有利?
2015年までは235ヤードのパー3が最終ホールでした。16年にアウトとインを入れ替えて18番ホールはパー5に。これは4日間でバーディが6個しか出なかった(初日と3日目はゼロ!)
ホールよりも、最終日だけで2つのイーグルと20バーディが記録された(数字はいずれも昨年実績)パー5をシーズンのファイナルホールにした方がエキサイティングになるからです。
松山はPGAツアーでの過去10勝のうち、3勝が最終ホールがパー5のコースでした
(2017年「HSBC」、2021年「ZOZO」、2022年「ソニー」)。
ZOZOは最終ホールでイーグル。ソニーはバーディで追いつき、同じホールでのプレーオフでイーグルを奪う劇的な勝利でした。
19年に現行のシステムになって以降に年間王者となった5人のうち4人が最終日最終ホールをバーディフィニッシュ。これは過去の「勝ちパターン」と似ているだけに、今年はぜひ松山にやってほしいものです。
前週は2日目のスタート前に棄権したのが気がかりですが、「腰は少しずつよくなっていますが50、60パーセントくらい」とのこと。
「3打差からのスタートなのでチャンスはあると思いますしティに立って勝負できるところにいたいですね」(松山)
という通り、せっかくの年間王者のチャンスですから頑張ってほしいですね。
(2024年8月28日 14時05分 一部記事を追記しました)
●協力/PGAツアー
●取材・文/森伊知郎
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