新しいフェース、新しい構造で驚異的な飛びを!
『JPX 925 HOT METAL アイアン』はシリーズにおけるスタンダードモデルで、最も多くのゴルファーに使ってもらえる仕様になっている。開発コンセプトは、“どこで打っても飛ぶアイアン”で、コピーは“飛び×やさしさ”となっていてわかりやすい。
注目すべきは、開発コンゼプト通りのわかりやすい数値での証明である。前モデルと比較して、初速を生む「COR(反発係数)」が、0.838 から 0.841にアップして、フェースの高初速エリアが125%に拡大した。飛距離アップで、ミスヒットにもますます強くなったというわけだ。
それを可能にしたのは。フェースとネックを一体に作った素材が、クロモリ鋼より強度が35%高い「ニッケルクロムモリブデン鋼」であることと、新しく開発されたフェースセンターを厚くして、楕円状にフェースを薄くし、外周は再び厚くする「コンターエリプスフェース」が最薄部0.55ミリという驚異的な数値を達成したことだという。
見えないが、フェースの内側の底にタングステンを配置し低重心化して、さらにその下に空洞部分を作った「新部分肉厚ソール」が高反発エリアを拡大したらしい。なんだかすごい感じである。
『JPX 925 HOT METAL アイアン』をアドレスしてみると、前モデルにはあったぶっ飛びアイアンっぽい癖がなくなったのも面白い。アドレスビューだけの印象だと、本格的なゴルファー向けのようにも見えるほどだ。
『JPX 925 HOT METAL アイアン』は、世界中にファンを持っているアイアンの最新作で、さり気なく、女子プロを始め、上級者が愛用しているケースもあるアイアンである。飛んでやさしいのは当たり前だと、ハードルを上げつつ、どこが新しいのか? 意識しながら、テストラウンドがスタートした。
試打した日は晴れ、気温は23℃〜33℃、微風というコンディションだった。
『JPX 925 HOT METAL アイアン』は、#5〜#9、PW、GW、SW。シャフトはN.S.PRO 950GH neo。
打ち慣れていて、クラブだけに集中できる『TOUR B X ボール』を使用した。
とにかく高い弾道が楽に出る!『JPX 925 HOT METAL アイアン』
『JPX 925 HOT METAL アイアン』を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。
打音打感/音量は大きめ、硬質で残響が少ない音に濡れた鞭系が混じる音質。打ち応えは弾き感と乗り感のバランスが良く、手応え、芯感は敏感でクリア。
弾道スピン/高めの高弾道。少しとらえる挙動があるが基本はストレート。曲がりには鈍感。スピンはまあまあで高さで止めるアイアン。
飛距離/クラシックなアイアンより2番手アップのキャリー。プラス、ラン有り。番手間が均等になった分、ウェッジが総じて飛ぶ。
『JPX 925 HOT METAL アイアン』を芝生の上で最初に打った5番の1打で、ナイスショットのハイボールと、その距離と、手応えに大満足で、いずれも高いレベルの完成度をいきなり感じた。
澄んだ水のようなクリアな芯感は、流石ミズノ、というレベルで、新しい素材の「ニッケルクロムモリブデン鋼」のフェースとしては、前モデルとは比較ならないほど打感が良くなった。
軟鉄鍛造とは別物であるが、その敏感さを含めて、こだわりに応えられるレベルになった。
ヘッドスピード40m/sに合わせてチューニングされているような気持ち良さをラウンド中に何度も感じた。
ぶっ飛びアイアンにありがちな、ショートアイアンの一部の番手間が20ヤード空くというようなことが一切ないことにも感心した。その分、ウェッジ類がロフトよりもキャリーが出てしまうが、やむを得ないことで、結果としては、使いやすくなっているので、良いことだと評価した。
過去に試打をした『JPX HOT METAL アイアン』の中で、『JPX 925 HOT METAL アイアン』が最も良くできたアイアンだと断言できる。
飛ぶし、止まりも計算できるし、特にミドルアイアンがやさしくなって楽になったことで、自分のアイアンよりも『JPX 925 HOT METAL アイアン』のほうが良いスコアが出る感触があった。(実際に、試打ラウンドは、調子と運が良かったこともあって、アンダーパーだった)
JPXのユーザーで、更に進化したHOT METALに替えようと思っているゴルファーに『JPX 925 HOT METAL アイアン』をオススメする。間違いなく、満足できると思う。
まとめると、とにかく高い弾道が楽に出ることと、アドレスしやすくなったので方向性も良く、曲がらないストレート系のボールが打てて、番手間にも無理がないのが『JPX 925 HOT METAL アイアン』である。
ぶっ飛び系のアイアンは、飛距離に特化している分、スコアをまとめる部分は犠牲になってもやむを得ないというセオリーがあるが、『JPX 925 HOT METAL アイアン』は、それをぶっ壊して、ぶっ飛び系だけど、スコアアップもちゃんと出来るのが最大の特徴である。
良いアイアンを打つと、もう何ラウンドか使って、もっと詳細にその魅力を知りたくなるものだが、『JPX 925 HOT METAL アイアン』は、久しぶりにもっと使いたいと直感的に思ったアイアンだった。
わかる人にはわかるというのがミズノのクラブの真骨頂だというファンがいるが、『JPX 925 HOT METAL アイアン』も、その領域にカテゴライズされるクラブになった。拍手喝采である。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。




