3打差3位からの逆転に期待がかかったが

「ツアー選手権」は前週までのフェデックスカップ・ランキングによって開幕時のスコアが決まるシステム。これを加味した4日間トータルのスコア最上位者が「年間王者」となります。
前週までのランキング3位の松山は、1位のスコッティ・シェフラーと3打差からのスタートとあって逆転への期待がかかりました。
結果は10アンダーから大会をスタートして通算30アンダーまで伸ばしたシェフラーが優勝。7アンダーからのスタートだった松山は通算16アンダーの9位でした。

さらなる高みへの到達が期待できるコメント

大会後に今シーズンを総括した松山は「勝ちたいと思ってスタートして勝つことができて、もう1勝もすることができてすごく良かった」と話しました。
昨シーズンは勝利なし。フェデックスカップ・ランキング上位30人だけが出られる「ツアー選手権」出場も10年ぶりに逃す悔しさを味わいました。

来シーズンに向けては「常に上位で。トップ10、トップ5で戦えればメジャーでもチャンスが増えると思う」とも。

勝利を挙げることが目標だった今シーズンは年間王者がはっきり見える位置にまで到達。目標設定を高める来シーズンは、2021年の「マスターズ」に続くメジャー制覇や年間王者を意識したものになるでしょう。

年間王者とスタッツを比べてみると

松山は今シーズンPGAツアーで19試合に出場してトップ10は7回。優勝した2試合以外でトップ5はありませんでした。

シェフラーは同じく19試合の出場で7勝。他に2位が2回で、トップ10を逃したのは3回だけという抜群の安定感、の中で意外な弱点?がありました。

PGAツアーではティショットからグリーン上までのプレーのスコアへの貢献度を「ストローク・ゲインド・○○」のデータで示しています。
この「パッティング」が69位。「トータル」「アプローチショット・ザ・グリーン」(2打目などでグリーンを狙うショットのこと。グリーン周りからのショットは「アラウンド・ザ・グリーン」)やパーオン率といった部門で1位だったのと比べると明らかに劣っています。
ただし詳細を見ると、パーオンしたホールの平均パット数(1.68)は1位。シーズンで計1278ホールをプレーして3パット率1.88%(24回)は19位と、バーディーチャンスはモノにして、ボギーにつながる3パットは少ないことがわかります。
松山は「ストローク・ゲインド・トータル」で3位。「アラウンド・ザ・グリーン」では1位の数字が輝かしい一方で「パッティング」は103位でした。
パーオンしたホールの平均パット数は1.755で73位。3パット率は2.86%で111位。これがシェフラーと違っているのが目立ちます。

パットが良ければ勝てる、ことがはっきり

松山が今シーズン優勝した2試合の「ストローク・ゲインド・パッティング」を見てみると、2月の「ジェネシス招待」は3位で、プレーオフの「フェデックス・セントジュード選手権」では1位でした。パットが良ければ勝てるのは明らかなので、来シーズンはシーズンでの平均値を上げてほしいものです。

銅メダルを獲得したパリオリンピックでの松山は「メダルは嬉しいけど、金メダルを取った人(シェフラー)がすぐ隣にいる悔しさもある」と話していました。
この気持ちが2週後のプレーオフでの勝利に繋がったのでは、と思っています。
年間王者を逃した悔しさを持って臨む来シーズン。その前に今月末には世界選抜として出場する「プレジデンツ・カップ」もあります。ファンとしても今後の活躍を大いに期待して応援しましょう!


(取材・文/森伊知郎)