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13歳須藤弥勒のツアーデビューで思い出したタイガー・ウッズの言葉

2024/09/04 ゴルフサプリ編集部

2試合の4ラウンドで徐々に調子を上げていった須藤弥勒(写真は2024年の「ニトリレディス」撮影/Getty Images)

国内女子ツアー「ゴルフ5レディス」に出場した13歳のアマチュア、須藤弥勒は通算9オーバー。54ホールが36ホールに短縮された大会を「完走」した選手105人中、100位タイだった。ツアーデビュー戦だった前週の「ニトリレディス」は最下位で予選落ち。これを見て思い出したのが、20年前のタイガー・ウッズの言葉だった。

14歳でPGAツアー予選通過にあと一歩 「全米女子プロ」では2位の「天才少女」

ゴルフ界の天才少女、として真っ先に思い浮かぶのはミシェル・ウィーです。

2004年に14歳で出場したアメリカPGAツアーの「ソニー・オープン」では2日間を72、68で回り予選通過にわずか1打及ばないプレーを披露したのは衝撃的でした。

翌年の「全米女子プロ」には大会史上初めてアマチュアとして出場。開幕前の会見では「プロの職場を奪うことをどう思うか?」と辛らつな質問もされましたが「出して、と無理にお願いしたわけではない。『出ませんか?』とオファーをいただいたので、出ることを決めた」と堂々と回答。試合では当時絶頂期だったアニカ・ソレンスタムに続く2位になり、見事に“雑音”を封じ込めました。

この頃は「女性で初めてマスターズに出る」ことを目標に掲げ、男子の大会にも積極的に挑戦していました。

「天才少女」にタイガーがかけた言葉は

そのウィーについてタイガーは「もっと年相応の大会に出て、バーディを取る楽しさを経験した方がいいのでは」と話していました。
いわゆる「ジュニア」の大会ならツアーより距離が短くなり、セッティングもやさしくなるのでバーディは取りやすくなります。

そうして優勝など好成績の「成功体験」をよりたくさん積んだ方がいい、ということです。
タイガー自身、15~17歳にかけて「全米ジュニア」で3連覇の成績を残しています。

14歳で男子ツアーのソニーオープンに出場、翌年は全米女子プロに出場して2位に入ったミッシェル・ウィー

須藤の平均飛距離は2試合とも最下位

話しを須藤に戻します。

出場した2大会での平均飛距離(各日2ホールで測定。ニトリ=214.75ヤード。ゴルフ5=196.75ヤード)はいずれも最下位でした。コース全長はニトリが6651ヤードでゴルフ5が6559ヤードだったので、苦戦も当然といえます。

では同世代の中学生ゴルファーはどれぐらいの距離で戦っているのでしょう。
今年の日本ジュニア(女子12~14歳の部)は6385ヤード。高校ゴルフ連盟が管轄する全国中学大会女子の部は6273ヤード。同大会の関東予選は5847ヤードの設定でした。
同じ18ホールで最大800ヤード超の差は、単純計算で1ホールあたり約45ヤード。これだけ違えばバーディを取れる確率は大きく変わります。

須藤は2試合の4ラウンドで85→78→78→75とスコアが徐々に良くなっていったのは立派。この能力をジュニアの試合で発揮すれば素晴らしい成績(成功体験)を積み重ねられそうです。

ウィーはプロ通算5勝

プロ転向後のウィーは、2014年のメジャー「全米女子オープン」など通算5勝でした。この数字もPGAツアー最多タイの82勝を誇るタイガーからしたら「もっと勝てたかもしれないのに」と思えるのかもしれません。
同じように「大人の試合」を主戦場にする日本の「天才少女」は今後どのような道を歩み、どんな成績を残していくのでしょうか。


(取材・文/森伊知郎)

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