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竹田麗央に早くも漂う「スターの風格」 記録ずくめのメジャーV!
「Have a great Weekend」、ウエアに書かれた文字通り完全優勝で竹田にとっては最高の週末となった。さらに勝利を重ねていきそうだ。(撮影/Getty Images)
国内女子ゴルフのメジャー「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」は竹田麗央が初日からの首位を守り通して完全優勝した。大会が4日間競技となってからの完全優勝は日本人で初めて。通算19アンダーは大会最少ストロークタイといった記録を作っての勝利に、早くも「スーパースター」としての風格が漂い出した。
メジャー覇者&年間女王との戦いを制し、「最強」を証明
今大会での竹田は、予選ラウンドの2日間は7月のメジャー「エビアン選手権」で優勝してから国内では初の“凱旋出場”となった古江彩佳と同組というメインイベントに。ここで初日から8アンダー(64)のスコアを出して首位発進しました。
決勝ラウンドは、最終的に1打差の2位となった2年連続女王の山下美夢有と争う展開になりましたが、これを制して今シーズン6勝目を挙げました。
スタッツを見ても、平均飛距離(271.5ヤード)は穴井詩に次ぐ2位。4日間72ホールで63回のパーオンは1位と、まさに「最強」を証明する内容でした。
メジャー覇者、年間女王との対決がどうなるのかが大会の開幕前からの注目でしたが、現在メルセデスランキング1位の竹田がこれを制したのは、ある意味で「期待通り」の結果だったともいえます。
「期待通り」に勝つのがスーパースター
ナイスショットをしても着弾地点の傾斜などでボールがラフに入ってしまったり、グリーンをこぼれるなどのアンラッキーが多々あるゴルフで「期待通り」の結果を出す。まして優勝するのは容易ではありません。
それをやっていたのが宮里藍です。アマチュアで「ミヤギテレビ杯」に優勝してプロ転向。実質的なルーキーイヤーだった2004年の開幕戦、地元沖縄での「ダイキンオーキッド」でプロ初勝利を挙げると、6月には所属先が主催者でもある「サントリーレディス」でも優勝と、まさに「勝ってほしい」と思う試合で期待通りの結果を出し、自身がスターになるだけでなく、女子ゴルフを一気に人気スポーツへと押し上げました。
メジャーの舞台で期待通りに勝った竹田には、その資質があるといえるでしょう。
雨の中、傘をささずに18番グリーンに向かった「プロ意識」
竹田は17番パー3で短いパーパットを外してボギー。直後にひとつ前の組で回る山下が18番パー5でバーディを取り、スタート時に4打あった差が1打となりました。
このタイミングで雨が降り出し、まさに「風雲急を告げる」展開になるような雰囲気が漂います。
その中、ティショットを終えた時には傘をさしていた竹田は、18番グリーンに上がる際にはさしていませんでした。雨は弱まったとはいえ、多くのギャラリーはまだ傘をさしていたので、止んだわけではありません。
ちょっとした差ですが、後々の「歴史」に残るシーンとしては大きな違いがあります。
優勝した選手が大会最終ホールのグリーンに上がって行くシーンはハイライトのひとつ。ここで傘をさしているとのいないのでは、テレビや配信などの動画でも、ネットメディアや新聞などの静止画でも見栄えが全く違います。
本人がどこまで意識していたかはともかく、この所作に高い「プロ意識」を感じました。
最終日に選んだ真っ赤なウエアには「Have a great Weekend(素敵な週末を)」と描かれていました。記録ずくめの優勝で、文字通り「最高の週末」を手にしました。
(取材・文/森伊知郎)