「寒くなったらシャフトは軟らかくする」はウソ!? ゴルフクラブに季節性はあるのか?
【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
季節によってシャフトのフレックスを変えていいの?
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスをおくるコーナー。今回は常識とされている定説を例に考えてみる。
ご存じのように、日本特有の気候と言えば、四季があることですよね!
今年はとても暑い夏になってしまいましたが、それでも、秋も冬もぼちぼちやってきそうな雰囲気になってきました。春夏秋冬、様々な景色の中でゴルフができるのも、日本ならではの良い部分ではないでしょうか?
では、その四季を通して、ゴルフをどのように変化させていったらよいのか? をゴルフクラブ目線で述べていきたいと思います!
季節でシャフトの硬さを変えるのは正しい?
よく言われているのは、冬、寒い時期になるとシャフトを柔らかくする、暑い時期はシャフトを硬くするということでしょうか?
冬になると厚着して、体の動きが鈍くなりやすいので、ヘッドスピードが落ちるので柔らかくすることでそれを補えるのでは?
逆に、夏は薄着になり体も良く動くので、ヘッドスピードも上がりやすく、それに対してシャフトを硬くするのが良いのでは?というものですね?
その考え方が全くダメということではないのですが、もうすこし詳細に見ていきましょう~。
1年で調子がいいのはいつ?
まずはご質問です!
みなさんは、1年を通じてゴルフをしている場合、どのシーズンに調子が上がりやすい、調子が落ちやすいですか?
1例として、1月からのゴルフの調子を時系列で考えて、さらにその時期に使うべきクラブスペックの考察を行って、シーズンベストを出したり、生涯ベストを目指してみましょう!
いわゆるオフシーズンと言われる1~3月くらいは寒い時期で体は動きにくいですから、なかなかスコアは出ませんよね? 練習場への足も遠のく方が多いことでしょう。
ですが、ここでの練習やシーズンに向けての準備次第で、その1年のゴルフの調子が決まるといってもいいと考えています。
その準備の一環として、ゴルフクラブを替えるなら、この時期にいろいろと試していくのが良いと考えています。
4月からのシーズン本格化を前に、3月いっぱいでクラブをきちんと整えていくということから逆算していくのが良いでしょう。
冬のゴルフでは、なかなか絶好調にはなりませんし、そこを逆手に取って、いい意味で諦められると、そのあとのシーズンできっと調子が上向きやすいことでしょう!
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つかまりをシャフトで補うと……
例えばですが、上述の、冬だからシャフトを柔らかくするというのをやってみたとします。
冬は体の動きが悪いため、スイング的には球のつかまりも悪くなりがちです。その分をシャフトで助けてもらおう!というのはその時だけの調子を考えるとありかもしれませんが、その調子でクラブに助けてもらうと、4月のシーズンインでシャフトを元の硬さに戻したときに、以前よりつかまりが悪くなってしまうと考えてください。
それまで、つかまえにいかなくてもつかまってくれるクラブを使っているおかげで、つかまえようとする動きが養えないとなります。
ただでさえ練習量も減る時期ですから、練習しない+捕まえる動きを避けるとなると、4月以降にガクンと調子が落ちてしまう方も少なくないでしょう。
柔らかくせずに短く持つ!
そうならないためには、まずは、安易にシャフトを柔らかくしないことだと考えてください。
とはいえ、やはり振る力は落ちつつあるので、ここはいつも申し上げているように短くしましょう! もしくは短く持ってみましょう。
クラブを短く使うことによって、体の動きが悪くても振り切れるようになりますから、飛距離の落ちまでは補えませんが、調子を落としにくくなると考えてほしいです。
また、クラブの短さを補うという意味では、ドライバーなどのヘッドのロフトを増やしておくのはありかもしれません。
そして球筋も、つかまえに行ってもつかまりにくい時期ですから、それを活用して、上級者ならドロー狙いの曲がりの少ない球筋を目指しても良いかもしれません!
スライサーはいつもより左を狙っていき、いつもより右を注意してみましょう。
(次週後編へ続く)
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。
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