クラブバランスとはクラブの中でどれだけヘッドが重いかを示す指標
そもそもクラブバランスとは何なのか? ざっくり言うとクラブヘッドがどれくらい重いかを示すものです。総重量ではなく、ヘッドがどれだけ重いか。言い換えるとスイング中にどれだけヘッドが効くかを示す指標とも言えます。スイングした時にヘッドの重さを感じるほどクラブバランスは重く、ヘッドの重さを感じなければクラブバランスは軽いということです。
クラブバランスはA0からE9まで、アルファベットと数字の組み合わせで示します。A0は一番軽く、E9は一番重いバランス。アルファベットが進み、数値が大きいほどスイングバランスは重くなる、すなわちスイング中にヘッドの重さを感じます。
一般男性の場合、D0~D4あたりに適性があり、ショップで売っているクラブのバランスはおおよそこの範囲内です。クラブをカスタムする場合にはバランスを指定できるので、わかっていればリクエストするべき。この調整はクラフトマンの腕の見せ所だったりします。
クラブの総重量に対するヘッドの重さの割合がクラブバランスですから、総重量が重くてもバランスが軽いクラブが存在しますし、反対に総重量が軽くてもバランスが重いクラブもあります。クラブバランスの重さは総重量に比例するわけではないところが注意点となります。
クラブバランスは、できればパターを除く13本で統一したい。クラブはそれぞれ長さが違いますから、何もしなければ、それぞれ振った時の感覚が異なります。スイングイメージが番手ごとに変わってしまうわけです。そうなると自分がクラブに合わせてスイングしなければなりませんから、自ずとスイングの再現性や安定感は低下します。
どうすれば統一できるかですが、総重量を長い番手ほど軽く、短い番手ほど重くすること。この流れの中でクラブバランスが統一できれば最高です。ただし、一部例外があります。クラブセットの両翼を形成するドライバーとウェッジです。ドライバーは長尺化している影響で3Wや5Wよりバランスが重くなっています。
一方、ウェッジは基本的にフルスイングしないクラブ。操作性も重視したいので、好みでバランスを重くしたり軽くしたりしても構いません。例えばウェッジ3本体制の場合、アイアンのクラブバランスがD2なら、フルスイング対応の1本はアイアンと同じD2にし、フルスイングしない残りの2本はD3~D4、あるいはD0~D1でもいいということになります。
ちなみに、番手によって全く逆の球が出る人は、クラブバランスに問題があるかもしれません。いろいろなブランドのクラブがごちゃ混ぜになったセットを使っている人はかなり危険です。
最後に、どんな人にどんなクラブバランスが合うかですが、これはスイングタイプで考えるとわかりやすいでしょう。仮に同じ総重量のドライバーが2本あって、1本はスイングバランスが重く、もう1本は軽い場合、スイング中にヘッドの重さを感じたい人は前者、ヘッドの重さを感じない方が振りやすい人は後者が合っています。
バランスが重いクラブは、スイングテンポが比較的ゆっくりな人に合います。トップで間を作り、切り返しもゆっくりめ。僕はスロースタータースイングと呼んでいますが、ゆっくり加速するタイプです。一般アマチュアの方のクラブバランスで言うならD3やD4です。
バランスが軽いクラブは、スイングテンポが早く、シャープに鋭く振る人に向いています。トップで間を作らず、バックスイングの反動を使って素早くダウンスイングに移行するタイプ。こちらはハードスターターと呼んでいます。一般ゴルファーで言うならD0やD1。D2を基準に、重くするか軽くするかが選択基準になるでしょう。
クラブバランスが重いゴルファーは上手い、ということはありません。パワーがあってもバランスが軽いクラブが合う人もいれば、非力でも重いクラブバランスが合う人もいる。要は好みの問題。どう振りたいかによって適性は変わります。
最後に自分に合うクラブバランスの見つけ方と調整法も紹介しておきましょう。いま使って入るドライバーで、バランスが重い方がいいか軽い方がいいかを判別します。方法は鉛を貼ることで、2パターンあります。
1つはヘッドに鉛を貼る。ウエイト交換機能があるクラブは重量を増やしてもOKです。これでクラブバランスが重くなります。2つめはグリップのすぐ下のシャフト部分に鉛を巻きます。こちらはクラブバランスが軽くなります。
ともに鉛の重さは0.5グラムからスタートしてください。重くする場合は、さらに0.5グラムずつ増量し、マックス2グラムで打ち止めにします。言うまでもありませんが、必ず重さがヘッド側かグリップ側のどちらかに偏った状態でテストしてください。
たかが0.5グラムと思うかもしれませんが、これでボールを打つと感覚が変わり、どれが振りやすいかはもちろん、芯を食う確率などパフォーマンスが変わるのがはっきりわかります。
クラブバランスが重い方がよければそのままヘッドに鉛を貼るか、グリップを軽くします。反対に軽い方がよければグリップ下のシャフトに鉛を貼るか、グリップを重くするといいでしょう。ただ、この調整法だとクラブの総重量が変わりシャフトの挙動などに多少の影響が出ます。そのためあくまで簡易的な方法になりますが、クラブバランスの違いを感じることはできるはずです。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。


