良いスコアの必須条件。ティショットは距離を稼げなくても2打目が打てるところに!
石井良介のゴルフ・すべらない話:第44回
あなたは本当に、良いスコアで回れるティショットを打っていますか? 石井良介が言う「良いスコアで回れるティショット」とはどう意味なのだろう。パーを取る、ボギーで抑える、それぞれの目標を達成するために必要なこととは?
ゲームをクリアするのに必要な条件を備えているかを考えよう
以前にも触れましたが、僕はゴルフを始めた時に7番アイアン、ピッチングウェッジ(PW)、サンドウェッジ(SW)、パターの4本で100を切ってこいと父に言われました。そうやってきたおかげなのでしょう、いまだにティショットを7番で打つことに何の抵抗もありません。
ティショットでOBを打ったら、基本的にはもう一度そこから3打目として打たなければなりません。日本のゴルフ場では前進4打の特設ティから打てる場合が多くありますが、これはプレー進行の都合上そこに行かされているのであって、自分がプレーできる時間と空間を奪われています。本来プレーする権利があるところなのに、みすみす失っているわけです。ティショットでOBが多い友達を揶揄し、冗談半分で“前4友の会”なんて呼んでいましたが、友の会は一刻も早く脱出しなければいけません。
いずれにしてもゲームを組み立てる上で不利になることは明白ですから、そうなるよりは、たとえ距離を稼げなくても2打目が打てるところにティショットを運ばなければいけないんです。「そんなこと言ってもティショットがPWじゃあセカンドがグリーンに届かないからパーは取れないでしょ」と思うなら、冷たいようですが、それはパーを取る技量がないということです。
ゲームをクリアするには必要な条件があります。例えば370ヤードのパー4でパーを取るには、2打か3打でグリーンに乗せなければなりません。3打なら限りなくワンパットで入るところまで寄せることが必要になります。それがあなたにできますか? という話です。
残酷なようですが、ゴルフとはそういうゲームで、目標に対しては真摯に考えなくてはいけないのです。もしそのホールでタイガー・ウッズがティショットをアイアンで刻んでもブーイングは出ません。それは彼がドライバーを一度も使わずに『全英オープン』を勝った人だから。結局のところ問われるのは、どこまでいいスコアで回ることに真摯になれるかなんです。
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アマチュアの方はドライバーで250ヤード飛ばしたいと言います。もちろんいいんですが、飛ばせたところで、そこからグリーンに乗せて2パットで上がれるでしょうか? もし大きな疑問符がつくなら、まず訓練すべきはそこからです。訓練を積めば自信を持って打てるクラブが作れます。そのクラブをティショットで使えるようになれば、打たずしてスコアを費やす確率は激減するでしょう。
もうひとつ、ゴルフ場ではもっとクリエイティブにボールを打ってほしいと思います。昨今は、多くのプロのスイングが画一化していて、みんな似たようなスイングで球を曲げずに真っすぐ打っています。でも、そんなプレーヤーたちも憧れたのはタイガー。球をあれだけ曲げて、止めたり、上げたり、転がしたりする人です。
そもそも、球体をクラブフェースという面で打っているのに、サイドスピンを0にするなんて、こんなに難しい話はありません。右か左かに曲げるなら2つに1つ。どちらかに曲げられると狭いホールが倍の広さになります。
右にも左にも曲がる人は、結局真ん中を狙うしかありませんから右も左も狭くなります。スライスならスライスでいい。いつも同じだけスライスすれば計算できます。それを練習場で確認して、その時点で持っている材料でゴルフをすること。冷蔵庫にない材料で晩御飯はできません。コースで急に“スーパーに材料買いに行くようなマネ”をするから事がややこしくなるんです。自分が曲げたい方向にボールを曲げる練習はしてほしい。ボールに気持ちを入れて、どうやって運ぼうか、とやった方がゲームとして格段に楽しくなるはずです。
また、その時点でパーを考えるのが難しい状態なら、どうしたらボギーで抑えられるか考えるのが戦術であり戦略です。手持ちの駒でどう戦うか。あとは得意技を作ってそこに嵌め込んでいく。80ヤードが得意なら、まず370ヤードから80を引き、どうやって2打で290ヤード地点まで行くかを考える。そのための“オハコ”がたくさんある人がうまいゴルファーなんです。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。
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