PGAツアーはまだ進化の途中。全試合数は39

年間王者に向けての戦いが年始早々スタートするわけだが、2024年シーズンはスコッティ・シェフラーの独壇場と言っていいほどの活躍ぶりだった。レギュラーシーズンでは2度目となるマスターズ制覇をはじめとする6勝。プレーオフでは最終戦のザ・ツアーチャンピオンシップを制して年間王者に輝いた。さらにはパリ五輪では見事金メダルを獲得するなど、とにかく大舞台での強さが際立ったシーズンになった。そんなシェフラーを中心とした戦いが2025年シーズンも繰り広げられることが予想されるが、果たして彼を止める選手は出現するのだろうか。

開幕戦は1月2日にハワイ州マウイ島のザ・プランテーションコースで開催されるザ・セントリー。開幕と同時に全選手のフェデックスポイントはゼロにリセットされ、レギュラーシーズン最終戦となる8月のウィンダム選手権までポイント獲得のための熾烈な戦いが行われる。レギュラーシーズンの試合数は昨年と同じく36大会。レギュラーシーズンを終えて、ポイントランキング上位70人のみがプレーオフシリーズに進むことができる。プレーオフシリーズは昨年と同様の3試合となる。

年間王者には36億円のボーナスが付与

2024年のプレーオフシリーズの最終戦を制して年間王者に輝いたスコッティ・シェフラーが手にした賞金は2500万ドル。日本円にして約36億円だ。2025年シーズンも同額のボーナスが付与されることが決まっている。ポイントをいかに効率的に加算していくかがプレーオフシリーズに進出し、ビッグマネーを獲得するためのポイントになるが、そこで鍵を握るのがシグニチャーイベントだ。

2024年シーズンから導入された新しいシステムの一つで、いわゆるポイント加算が大きい昇格大会だ。特徴としては出場できる人数が通常の大会のフルフィールドと比べると約半数で、ファンにとってはハイレベルな戦いを見ることができ、選手達は高額賞金とポイントを獲得できるメリットがある。
2024年レギュラーシーズンのシェフラーの勝ち星6つの内、マスターズを除くと5試合中4試合がシグニチャーイベントだ。もちろんそこに照準を合わせていると言い換えることもできるが、まずはシグニチャーイベントに出場することが重要になる。

通常の大会で獲得できるポイントは500ポイントだが、シグニチャーイベントは700ポイント。メジャー競技とザ・プレーヤーズ選手権は750ポイントを付与される。2025年のシグニチャーイベントは1月のザ・セントリー、AT&Tペブルビーチプロアマ、2月のザ・ジェネシス招待、3月のアーノルド・パーマー招待、4月のRBCヘリテージ、5月のトゥルーイスト選手権、メモリアルトーナメント、6月のトラベーラーズ選手権の8試合となる。

タイガー・ウッズが昇格試合に推薦出場へ

シグニチャーイベントへの出場資格はどのようなものなのか。これは試合ごとに多少異なる部分はあるものの、前年のフェデックスポイントランキングの50位以内や前年度のツアー優勝者などがあるが、新しくタイガー・ウッズをこれまでの実績と功績を踏まえて特別推薦での出場枠が設けられることが決まっている。2025年シーズンの新規イベントがシグニチャーイベントの中にもある。昨年までウェルズファーゴ選手権として開催されていたのが、2025年はトゥルーイスト選手権として新たにスタート。契約は7年とのことで1試合減、1試合増という形になる。

試合数こそ2024年シーズンと同様だが、シグニチャーイベントにせよ、賞金増額にせよ、さらには今回のタイガー・ウッズの特別推薦枠の設定にせよ、PGAツアーが次々に取り組み続ける新しい施策は全て、試合の盛り上がりを向上させることに重点を置いている。

将来的には出場人数を減らしたり、予選カットが無い試合数が増えることなども噂されているが、よりエキサイティングな試合が展開されるためのもので、それは観る側にも、プレーする側にもメリットがある。結果、ツアーの魅力が増してスポンサーが付き、それが高額賞金に繋がり、選手たちのハイレベルなプレーに反映される。PGAツアーは、独自の進化でゴルフそのものの魅力を向上させようとしている。

久常涼のPGAツアー初Vに期待

2025年シーズンの展望としては、ローリー・マキロイがやはりシェフラーを止める一番手として挙げられるが、2024年にメジャー2勝を挙げたザンダー・シャウフェレのさらなる躍進にも期待が高まる。また、2025年シーズンのプレーオフシリーズのフェデックスセントジュード選手権でツア―10勝目を飾り、惜しくも年間王者に輝くことはできなかったものの、満足できるシーズンをおくった松山英樹。シーズン中は腰痛などケガに悩まされる部分もあったが、そのあたりのケアが万全にできれば2024年シーズン以上の活躍が期待できる。

また、レギュラーシーズンの最終戦となるウィンダム選手権で自己最高位となる3位に入った久常涼も、ツアー初優勝が期待される。 注目のPGAツアーユニバーシティ制度で1位を獲得したマイケル・ソービヨンセや、2024年のマスターズで初出場で2位に入ったラドビッグ・アバードら若い世代の台頭も加速しそう。ただ、2025年はライダーカップの開催年で、米国選手にとってはフェデックスポイントに加えて、ライダーカップポイントの獲得も気にしないわけにはいかない。出場を願うベテラン勢も奮起する可能性があり、例年以上の新旧入り混じった戦いが繰り広げられそうだ。