「雨で勝ったことが結構ある」本の好スコアの要因は

スタートの10番パー4はボギー。16番パー4では林からの脱出に失敗してダブルボギー。

それでも雨の強くなった後半のアウトで5バーディを奪った本は「国体で優勝した時もそうでしたけど、雨が降っている時に勝っているんですよね」と打ち明けました。

普通のアマチュアだと、前半で叩いてしまい、後半こそは!と張り切っていたら雨が降り出して……となったらさらなる大叩き確定でしょうか。

そんな状況で前半の36から後半は30と、コンペなら「大波賞」もののゴルフができた理由を聞くと「グローブもいっぱい替えなきゃ、とかそっちにフォーカスするから、落ち着くというのがあると思います」と言いました。

雨ゴルフでいい結果を出せるのは、一般のアマチュアに参考になることがあるはず、とさらに聞いてみると
「グローブが濡れないように。グリップが濡れないように、と準備をしっかりすることに集中するから、いいショットを打ちたい、とかの緊張感がいい意味で薄れるのだと思います」と説明してくれました。

トップアマやプロでも、雨でグローブやグリップが濡れてしまうとナイスショットは期待できません。そのため、濡らさないことにはかなり気を使います。

この準備を丁寧にすることによって、いいショットを打ちたいという欲や緊張感に気持ちが傾く割合が減る、というわけです。

これは雨の時に限らず、ショットの前にやるべきことを決めて、さらに丁寧に行うようにすれば、一般のアマチュアもミスを減らすことにつながるはずです。

ちなみに濡れた時の交換用に、この日は予備のグローブを2枚準備していたそうですが「結局、ずっと同じのを使って替えませんでした」(本)とのことなので、ショット前の準備をいかに丁寧にやっていたかがわかります。

中野は285ヤードからベタピンイーグル

1番から出た中野は3番パー5で残り285ヤードから3番ウッドで奥6ヤードに2オン成功させて圧巻のイーグル。その後も9番、13番でバーディーを奪ってトップと1打差に迫ります。

18番パー5もラフから2オンさせたものの、奥からのバーディパットは「これを決めたらトップタイ、と意識しすぎて」カップに蹴られてしまいます。]

15、17番も難しいサイドに外して“寄せワン”でパーセーブしたのも「リーダーボードを見て(自分が優勝争いしていることを)意識してしまった」と振り返ります。

優勝すれば「四大メジャーの中では最も出たい」マスターズ出場が実現するとなれば、それを意識してミスが出るのも当然といえば当然です。

それでも「それは言い訳ですね。明日からはちゃんとやるようにします」と男らしく言い切るとハウスキャディさんに歩み寄り「おかげでいいプレーができました。明日もよろしくお願いします」とご挨拶。

ゴルフに限らず、ミスをすれば何かと言い訳をしたくなるもの。それをしないのは、さすがはアマチュアの頂点に立ったゴルファーでした。

(取材・文/森伊知郎)