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最高かよ!1本2万円台のミズノのユーティリティ「JPX FLI-HI」が高性能にして高コスパすぎる!

ミズノの『JPX FLI-HI』をロマン派ゴルフ作家が検証する!

2024/10/07 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ミズノは『JPX FLI-HI』を2024年9月13日に発売。人気のアイアン『JPX 925』シリーズと同時発売である。地味にファンの多いミズノ『JPX FLI-HI』をコースに持ち込んで、徹底的にレポートする。

高性能、高コスパ! 『JPX FLI-HI』はすごいユーティリティみたいだ!

『JPX FLI-HI』のコピーは、“アイアンの流れを重視したユーティリティ。ロングアイアンの代わりを求めるゴルファーへ。”

静かなコピーというか、定番系のコピーだ。これが曲者なのである。ミズノの広告は独特で、自信があるときほど、強みを強調するのではなく、ホンワカしたものになる傾向がある。

ミズノのユーティリティは、各ブランドで『FLI-HI』を展開していて、『JPX FLI-HI』は、最も幅が広いゴルファーのために作られたユーティリティとなる。
『JPX 925 HOT METAL』シリーズのアイアンに合わせやすいようにロフト設定していて、クラブの長さもアイアンに合わせて、一般的なユーティリティよりも短くなっている。
こういう細かいところまで、作り込んでいるところが、ミズノらしさなのである。

19度、22度、25度、28度。『JPX FLI-HI』は4本のラインアップで、番手ではなくロフト角でそれぞれを呼ぶ。
22度が『JPX 925 HOT METAL アイアン』『JPX 925 HOT METAL PRO アイアン』の5番と同じになっていて、『JPX 925 HOT METAL HL アイアン』では、25度が5番と同じになっている。

『JPX FLI-HI』は、ヘッドの幅が28度から19度にかけて広くなるようにフローしている。ロフトが立っているものは、やさしい安心感を得られて、寝ているものはシャープにして抜けを良くしている。

ソールの蛇腹状になった溝は「ウェーブテクノロジーソール」で、ミスヒット時の初速のロスを抑える機能がある。
リーディングエッジを面取したように角度を付けたのが「スピードベベルソール」で、ダフったときにヘッドスピードの低下を抑える機能がある。

さり気なく、ちゃんと最先端テクノロジーで作られているのが『JPX FLI-HI』なのだ。

最後に最大の注目ポイントが価格である。
通常のユーティリティの価格は、2024年秋だと5万円前後が主流になっているが、『JPX FLI-HI』はアイアンと同じ価格で、通常の半額に近いのだ。(JPX FLI-HI ユーティリティ単品/22 MFUSION i カーボンシャフト付=税込価格2万3100円)
これはすごいことで、企業努力に拍手を贈りたい。高額だから、と、ユーティリティを諦めていたゴルファーにとって、最高の福音なのである。

試打した『JPX FLI-HI』は、フルラインアップの4本、純正シャフトのスチールのSフレックス。
試打した日は、曇りのち晴れで、気温は23℃〜34℃、微風というコンディション。使用ボールは、使い慣れていてクラブの影響に集中できる『TOUR B X』にした。

過去打ったユーティリティの中で最高評価が出た『JPX FLI-HI』!

『JPX FLI-HI』を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。

打音打感/音量はやや控え目、音質は濡れた鞭系に硬質が混じる心地良い音。打ち応えは弾き感あり。手応えは敏感。芯感のクリアさは流石。

弾道/高弾道。ボールの曲げに敏感。軽いドロー、フェードが得意。スピンはかなり強く、グリーンで止まる。

飛距離/19度=195ヤード、22度=185ヤード、25度=175ヤード、28度=165ヤード。安定度が抜群。

『JPX FLI-HI』を使ってラウンドして、最初に感じたのは、黒いヘッドがカッコ良くて、締まって見えて、狙いやすいクラブだと言うことだ。

打ってみて、ビックリしたのは、しっかりと飛距離も出るが、グリーンで止まること。
飛距離が出るユーティリティは、グリーンに着弾しても、転がり過ぎてオーバーすることがよくあるが『JPX FLI-HI』は、試打ラウンド中にそういうことは1度もなかったのだ。
止まることを計算できるユーティリティは、案外と少ないので、それだけでも『JPX FLI-HI』は十分に高性能だと言える。

アイアンが苦手なゴルファーには、『JPX FLI-HI』がアイアンを超えたクラブとして、ゴルフを変えてくれる可能性がある。

試打ラウンド中、グリーンを狙ったショットで、全てグリーンに乗ったのは、初めての経験だった。多少ミスは、『JPX FLI-HI』が吸収してくれるし、高さとスピンで計算が出来るのが心強かった。使うほどに自信が深まり、どんどん手に馴染んでいくのは、『JPX FLI-HI』の優秀さを証明しているのだと感じた。

プレー中に、価格のことも思いだして、これでアイアンと同じような価格って、ウソのような話だと思った。
『JPX FLI-HI』は、過去に打った中でも最高に近い性能を発揮してくれて、かつ、価格は15年ほど前の並行輸入のハイブリッドのように安価なのだ。

ちなみに、試打した『JPX FLI-HI』は、N.S.PRO 850GH neo シャフトだったが、Sフレックスはこのスチールシャフトのみで、Rフレックスはカーボンシャフトのみという設定になっている。そういうことで価格を落としているのだと推測できるが、体力的にスチールは厳しいかもしれないと考えていたが、打ってみたら、問題ないどころか、バッチリで、購入するならスチールシャフトだと考えるほど振りやすかった。

僕は現在、2本のユーティリティをバッグに入れているが、『JPX FLI-HI』ならアイアンを1本抜いて3本体制にしても良いと、生まれて初めて考えた。そう思うぐらいに、機能したからだ。

ユーティリティが好きな人も、不得手な人も、『JPX FLI-HI』は打って見るべきクラブである。
あまりにも良すぎて、インプレの記事を書くのを躊躇した自分がいた。本当に良いものはナイショにして自分だけのものにしたいという気持ちが働いたのだ。
過去最高に『JPX FLI-HI』は良かった。

篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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