”ほぼベタ足”なのに飛んで曲がらない!! 平田憲聖のドライバースイング解説
一流プロのドライバーのマネどころ
23歳の平田憲聖は、昨年2勝、今季4勝を挙げて大きく進化を遂げている注目の若手プレーヤー。2024シーズン、ドライバーはさらに進化していた。
GOLF TODAY本誌 No.629 14~17ぺージより
ほぼベタ足にして手の通り道を安定させる新世代のミスター・コントロール
飛距離もFWキープ率も昨季より上昇!
今季絶好調の平田選手は、昨シーズンと比較すると平均飛距離が286ヤードから290ヤードに伸びて、フェアウェイキープ率も59%から62%に向上。トータルドライビングでは6位になっています。ドライバーが進化したことが、今季の大ブレークにつながったとも言えるでしょう。
スイングの特徴としては、両足が地面についている時間がすごく長い。アドレスからフォローまで、両足をほぼベタ足にしたまま打っています(写真03。04、05)。男子ツアーの選手でここまで右足をベタ足にして地面を踏み続けている選手は珍しいです。足を強く蹴る選手だとパワーが出せる反面、軸がブレるリスクがあるが、平田選手はベタ足で打つことによって、体が伸び上がらない。その結果として、腕の通り道(ハンドパス)が安定したスイングになり、精度が高いドライバーショットが打てます。
注目して欲しいのは左ヒザです。左ヒザをインパクトまで曲げたままにすることによって手元がいつも同じ高さになっています(写真04)。
ベタ足にすることによって、スイングの軸もブレにくくなります。平田選手はアドレスからトップ、インパクトまで頭の位置がずっとセンターにキープできています。体重移動というよりも、体の回転で打っているスイングです。
スタンス幅はやや広め。テークバックでは足の形をほとんど変えずに上半身の回転だけでクラブを上げている。
手首の角度を変えずにコンパクトなトップ
インパクトでもツマ先体重じゃない。カカト体重にして 体の動きを制限、だから曲がらない
スライスに悩んでいる人にベタ足は有効
ベタ足で打てる理由は、ダウンスイングでカカト側に体重をかけているからです。一般的なスイングはダウンスイングで右足をツマ先側に踏み込むのでカカト側は浮いています。「右足を蹴る」と言われている動きです。最近では右足が完全にツマ先立ちになっていたり、米国のトッププレーヤーでは下半身をジャンプさせる選手もいます。
しかし、平田選手はダウンスイングでカカト側に力を入れているので、インパクト前後でもベタ足に近い(写真05、06)。ツマ先を踏んだほうが体は回しやすいので、スピードや飛距離を伸ばすには有利です。逆にカカト側に力を入れると体の動きを制限するので、前傾角度が変わりにくく、体が開いたりするミスが減ります。おそらく平田選手はジュニア時代から飛ばすことよりも曲げないことを優先していたので、カカト側を踏み込んでベタ足で打つスイングになっていったのでしょう。
ベタ足で打つと体の開きも抑えられます。平田選手はハーフウェイダウンでも胸が右を向いたままクラブが下りてきて(写真04)、インパクトでも上半身が開いていません(写真05)。フォローでは体が開かないことでしっかりとフェースターンできます(写真06)。
どちらかと言えばヒッカケのミスよりも、体が開いてスライスのミスに悩んでいるアマチュアにベタ足はオススメです。またダウンスイングで右足を蹴りすぎてしまって、体が前(ボール側)に突っ込んでしまうタイプもカカト側に体重をかける意識は有効です。
胸を右に向けたままクラブを下ろす
ハーフウェイダウンでは腰は目標方向を向きはじめているが、胸は目標と反対方向に向けているので上半身が開かない。
手元が低い位置から体の近くを通る
ダウンスイングからインパクトにかけて手元が低い位置からインサイド・アウト方向に動くのでつかまったボールが打てる。
フォローでも右足のカカトが浮いていない
フォローまで右足のカカトに体重をかけていることによって前傾角度をキープしたまま、クラブを振り抜けている。
石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。
平田憲聖
ひらた・けんせい/2000年11月26日生まれ。大阪府出身。昨季は2勝を挙げて、賞金ランキング6位に。今季は7月から9月にかけて4勝を挙げて、賞金ランキング1億円を突破。ELECOM所属。
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