メインイベントで「マスターズ」覇者と競演

松山は「日本アマ」王者ということで予選ラウンドは2013年の「マスターズ」覇者アダム・スコット。さらにディフェンディングチャンピオンの岩崎亜久竜が同組という「メインイベント」に組み込まれました。

その大役に向けてジョーンズHCがまず言ったのは「ガマンシテ」でした。

夏の暑さと最近の雨で想定以上に芝生が元気になったコースは「スーパーヘビーラフで難しい。だから我慢することが大事です」と同HCは続けました。

超豪華な同伴メンバーとあって学ぶことも多いはずでは? と聞くと「アダムはアグレッシブにプレーするだろうけど、その中で我慢しながらやっている。どういうゲームプランでプレーしているかを学んでほしいですね」と、超一流選手の「mindset」 を身近で感じ取ってほしい、と言いました。

「セカンドショットヒーロー」にはならないで

さらに「セカンドショットヒーローになろうとしないで」との表現を使いました。

ティショットを“スーパーヘビーラフ”に曲げても、2打目をグリーンに乗せてバーディを奪えば、それこそ「ヒーローです」。

ただし、今回ほど深いラフでは成功の確率は高いとはいえません。
ティショットを曲げてしまったら「まずは正しい『ポジション』に戻すこと。パニックにならないことが大事です。ボギーはOK。ダブルボギーにしないように」とジョーンズHC。

この日は最終ホールの18番はダブルボギーとしてしまいましたが、概ね“合格点”のプレーが出来ていたようです。

日本オープン名物ともいえるラフは生い茂ってスーパーヘビーラフだ(写真/筆者撮影)

周囲に求めたことは

現在16歳の高校1年生。あの石川遼がアマチュアでツアー優勝したのと同じとあって周囲の期待値はどうしても高くなってしまいそうなのをジョーンズHCは制します。

「18歳で世界を取る! などと思わないでください。マオにはサイズというアドバンテージがある。成長するだけの時間もたっぷりある。だから周りの人は彼に時間を与えてあげてください」。

そして本人に向けては「誰かのようになりたい、ではなく彼自身のスタイルを作り上げてほしい」と唯一無二のゴルファーになることを望みました。

金谷拓実、中島啓太など、ガレス・ジョーンズ氏の‟教え子”たちも出場している今大会。(写真は2024年日本オープン 撮影/森伊知郎)

「安定感が違う」

豪華なラウンドを終えた松山は「パニックになるとか、慌てることはなかったです」と言いながらも「(スコットとは)スコアは1打しか違わないけど、ティショットもパットも安定感が全然違いました」と目の前で見たメジャー覇者のゴルフに感心しきりの様子でした。

注目の飛距離は、3人揃ってドライバーを使ったホールがなく、“ドラコン対決”を見ることはできませんでした。それでも得意の2番アイアンで二人のフェアウェイウッドでのティショットに引けを取らない距離を飛ばしており「それは自信になりました」と笑顔を見せました。

11日の第2ラウンドも同じメンバーで回ります。「今日はパットが悪すぎました」ことを修正して、大いに見せ場を作ってほしいものです。

(取材・文/森伊知郎)