負けていたらシーズン2位回数がツアー最多タイだった……
プレーオフの2ホール目。山下はバンカー越えだったピンを果敢に攻めて169ヤードから6メートルにオン。後から156ヤードを7番アイアンで打った古江はバンカーに入れ、名物の“絶壁”に近い位置からの3打目はピンを狙えず15メートルほどに乗せるのがやっと。古江がボギーとしたのに対して山下は確実にパーセーブして今シーズン初勝利を挙げました。
もし山下が今日プレーオフで負けていたら今シーズン実に8回目の2位で、1989年の涂阿玉(と・あぎょく)と並ぶツアー最多タイ記録になるところでした。
ちなみに涂は36試合で8回。山下は19試合なので、いかに確率(42.1%)が高いかがわかります。
「2位率」トップは殿堂入りの金メダリスト
この「2位率」で山下を上回るのが、14試合で6回(42.9%)だった2010年の朴仁妃(ぱく・いんび)です。
まるで“悔しいランキング”のようですが、勝利にあと一歩の2位になるのも強い証です。
朴は2008年に史上最年少で「全米女子オープン」優勝の実績がすでにありましたが、2013年には世界ランキング1位となるなど、2010年にこの2位率記録? を作った前後から一気に飛躍しています。2016年にはリオ五輪での金メダル獲得と、アメリカLPGAツアーの殿堂入りも果たしました。
2年連続女王の貫録VSメジャー覇者、さすがのショット
プレーオフ1ホール目はほぼ平らか、軽いつま先上がりからバンカーに入れてボギーを叩いています。
2ホール目の2打目は、ボールがくるぶしより高い位置にある ように見える ほどのつま先上がり。引っかけやすい状況で左手前の「絶壁バンカー」には絶対入れたくないとなれば、右めを狙って保険をかけたくなりそうなもの。
ですが、そこはさすがの女王です。「バーディを取らないと優勝できないと思っていた」と迷わず4番ユーティリティを振り抜くと見事にピン左6メートルに乗せました。
後から打った古江はこのバンカーに入れ、3打目も15メートルほどに乗せるのがやっとで勝負あった、とも思われました。
それでも古江はこのパーパットをピンに当てて、もう少しでパーというのは、さすがメジャー覇者でした。
ゴルフ史に残りそうな名勝負を制した山下は、先週までで700ポイント超あったメルセデスランキング1位の竹田麗央との差を少し詰めて540ポイントほどに。
まだ差はありますが、この初勝利をきっかけに女王争いは面白くなりそうです。
そして、かつての朴のように一段上のレベルに上がったのか。今後も目が離せません。
(文/森伊知郎)




