これは松山英樹が優勝した2010年大会(会場は霞ヶ関カンツリー倶楽部、埼玉)以来となる日本での開催の舞台に、太平洋クラブ御殿場コースを選んだことに対する感謝の意として贈呈されたもの。
3団体に対しては輪島塗のお盆が。各団体の役員などのVIPには、やはり輪島塗の「お猪口」が贈られた。
北斎の「赤富士」が描かれたお盆に、復興への願いも込めて
お盆のデザインは、外国人にもお馴染みで、晴れていればコースからも綺麗に見える富士山。
ちょうど大会の時期でもある晩夏から初秋にかけての早朝に赤く染まっているような様を描いた葛飾北斎の富嶽三十六景「凱風快晴」。いわゆる「赤富士」が描かれている。
このお盆は輪島塗のもの。「重要無形文化財」にも指定されている伝統工芸品は世界各国から来たVIPへの贈り物としてふさわしい、ということに加えて、今年1月1日に発生した「能登半島地震」によって被害を受けた輪島塗の工房や店舗の復興への願いも込めて大会用に特別に制作された。
VIP向けのお猪口 は、マニア垂涎のデザイン
大会中には、オーガスタナショナルGCのメンバーと「マスターズ」の優勝者だけが着ることのできる「グリーンジャケット」を着用した同GCの役員の姿も見られた。
こうしたVIPたちに贈られたふたつ一組のお猪口には、太平洋クラブ創立50周年を記念して企画され、アート作品愛好家や浮世絵コレクターから垂涎の的となっている「富嶽三十六景/孔球版」(全36枚)から、歴史的名画を現代アートで表現した作品と、御殿場コースから望む富士山の情景を浮世絵の世界観で表現した作品の代表作が描かれている。
日本国内のみならず、多くの世界の芸術家にも影響を与えた葛飾北斎の世界観と、日本を代表する伝統工芸品のコラボレーション。富士山の裾野に広がる太平洋クラブ御殿場コースで「マスターズ」や「全英オープン」の出場権を獲得して、選手が世界へ羽ばたいていく大会のコンセプトと見事に合致したものだといえる。
大会後も雄大な富士山に思いを馳せて
3団体に贈られたお盆は、今頃はオーガスタナショナルGCのクラブハウスや、R&Aの本部があるセントアンドリュースのオールドコースに飾られ、厳かな雰囲気の中でも「赤富士」は堂々とした存在感を示しているに違いない。
霧や雨に見舞われた大会期間中は姿を見ることができなかったが、各国のVIPたちは、富士山が描かれたお猪口でアルコールなどを嗜みながら、風光明媚なコースでの日々を思い出しているはずだ。


