ヘッドスピードが上がらないのは振り抜く方向が間違っているから!?50歳が準備運動だけで1.5m/sアップした方法とは?
石井良介のゴルフ・すべらない話:第47回
本格的なトレーニングの前に行うウォーミングアップをこなしただけで、担当編集(50歳)のヘッドスピードが1.5m/sもアップ!!石井良介も驚いた“1時間で2m/sヘッドスピードが上がる!驚きのトレーニング体験記”の第2弾。
協力/マック3(マックスリー)・ゴルフスピードトレーニングプログラム
肋骨をエンジンにして正しい方向に振り運動効率を上げる
写真右の方が、公認インストラクターの松村史也さん。丁寧に指導してくれます。
前回に続き、マック3スピードトレーニングの話をします。このプログラムについて、僕を指導してくれた公認インストラクターの松村史也は次のように説明してくれました。
「マック3の目的は体を大きくして筋力を上げることではありません。スピード・アウトイン・フロントというコンセプトなんですが、簡単に言うと、その運動にとって正しい方向にエネルギーを出力することで運動効率が変わり、ゴルフで言うならスイングスピードが上がります。正しい方向にエネルギーを出力できていないゴルファーが多いので、トレーニングメニューで出力方法を体験していただき、それを恒常化するわけです。フィットネス効果もあるので体も強くなりますが、短時間で変わるのは運動効率です」
早い話、できないことができるようになる。それも、いくつかトレーニングをやった途端に軽々スイングスピードが上がるというのです。で、そのメニューですが、まずは準備運動から。準備といえども結構ハードで、スイングの形を取り入れています。この記事の編集担当さんも参加しましたが、これだけで「お腹いっぱい」でした。
ヘッドスピードが1時間で2m/s上がった!? 石井良介もびっくりの最新スピードアップトレーニング
ヘッドスピードが1時間で2m/sも上がるなんて信じられない!!試打職人として知られるHS50m/sの石井良介もそう思っていた。だ...
それが終わると一旦スイングスピードを計測します。すでに体が温まっていますから、アマチュアの方の場合、この時点で普段よりスイングスピードが上がっている人が多いということ。前述の編集担当さんも1.5m/sほど上がっていて目が点でした。
プログラムの本番はここからで、スピードボンバー、ジェットスティック、ディスク、ロープ、リボンといったオリジナルの器具を使ったメニューを体験しました。細かい説明は省きますが、これがどれもハードで、ビリーズブートキャンプのゴルフ版! 中でも重い大縄のようなものを振り回すロープは、それまでのトレーニングによる疲労の蓄積もあってすごく大変でした。
ハードな中でもよくわかったのは、振っている方向の違いです。トレーニングブースの振っていく方向の壁には、赤い印をつけたお皿がぶら下がっていますが、これまでクラブを振っていた方向とはちょっと違いました。また、その方向にロープを持っていくには、体をしっかり使ってクラブを振らなければいけない。松村さんいわく「肋骨をエンジンにしましょう」ということでしたが、それができることでやっとお皿の方向に振れるようになりました。
セッションではメニューを2つ消化したところでスイングスピードを計測、さらにすべてのメニューを消化したところで計測しますが、そこで感じたのは、クラブが軽くて、ただの棒を振っていような錯覚に囚われたこと。軽々とビュンビュン振れるのでクラブスピードも上がっています。僕は半分終了時点で1.25m/s上がりましたが、アマチュアの方だと平均して2~3m/s上がるそうです。
「石井プロの感覚では普通に振っているだけだと思いますが、スイングスピードは上がっています。トレーニング前後のスイングを見ると、明らかに体の動きが変わっています。簡単に言うと、これまで以上に体がすごく回るようになりました」と松村さん。僕の感覚としては、体が大回りしていたのが、小さく回れるようになった。胸椎を使ってスイングする感じというのでしょうか。アマチュアの方は速く振れというと手を振ります。それでも胸が動くかもしれませんが、やはり胴体部分が主導しないと加速しきらないようです。
お皿の方向に振っていくには、しっかり左に回らなきゃいけません。今までは無意識にボールやターゲットに向かって振っていましたが、それではフォローでクラブが加速しない。でも、お皿の方向に振っていくとスピードが上がり、その延長線で球も真っすぐ飛ぶようになる。これがクラブを振るってことか、と再認識した思いでした。
僕のところにレッスンにいらっしゃるアマチュアの方の多くは「飛ばせるようになりたい」と言われます。でも「じゃあ、もっと振りましょう!」と言ってもみんな振りません。振ると曲がるからということなんですが、そもそも振らなきゃ飛ぶわけがないんです。
でも、振ろうとしても振り方がわからない。本人は振っているのですが、実際にはただ暴れているだけ。それだと球がどこかに行っちゃうから振れない。ますます送りバントのようなスイングになるジレンマに陥っているのです。どこかでブレイクスルーするには、振ることを再構築する必要があります。当たれば気持ちいいから続けられる。マック3を体験して、そんな流れになっていくのが面白いと思いました。
ギアがハイテクになっても振らなければ飛びません。ツアープロが飛ぶようになっているのは、彼らが正しい方向に振れているからです。アマチュアゴルファーはそれを知らないから、振るのが怖くて当てにいく。「わかっているなら、本来振るべき方向に振ってみようじゃないか」というのがマック3です。ドリルは結構大変で、かなり頑張らなければいけませんが、確実にクラブスピードは上がりますから、飛ばしたいと思う方はトライしてみてはいかがでしょう。
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石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。