やさしさと飛びを実現!全モデルに共有する4つの先進テクノロジー

4つのモデルで構成される「スリクソン ZXi ドライバー」には、共通して4つの先進テクノロジーが搭載されている。まずはその説明から。

その1は「i-FLEX」(アイフレックス)。フェースのヒールとトゥ側に特徴的な肉厚部を設けることで、フェースセンター部分の肉厚がスリクソン史上最薄になった。これによりフェースのたわみが大きくなるとともに、生み出されるエネルギーを無駄なくボールスピードに変換できるようになった。

その2は第3世代に入った「REBOUND FRAME」(リバウンドフレーム)。「i-FLEX」により、これまで以上にスムーズで大きくたわむ“軟”ゾーンが出現。フェースのたわみのパワーを逃さない“剛”ゾーンと相まって従来のリバウンド効果が増強された。すでに効果が実証済みの、ボディ側の剛軟両ゾーンとのコラボにより、ボールの高初速化が達成された。前作ZX5 MkⅡと比べてボールスピードは1.3m/sアップ(ヘッドスピード43m/s相当)しているという。

その3は「FACE LASER MILLING」(フェースレーザーミーリング)。今作に投入された新テクノロジーで、レーザーによってフェースにミーリングを施した。フェースが濡れるなどの悪条件下でも、ボールがフェースに食いつき、スピンコントロールできるようになったため、常に安定した飛距離性能を発揮できる。

その4は「STAR FRAME CROWN」(スターフレームクラウン)。強度を維持しながらも、ヘッドのクラウン全体を極限まで薄肉化。生み出された余剰重量を最適な位置に配分することで、高慣性モーメントと低重心設計が可能になった。ダンロップ独自のこのテクノロジーは、「スリクソン ZXi ドライバー」が共有する寛容性に反映されている。

つかまって上がりやすいZXi、操作性の高さが売りのZXi TR

さて、お待たせしました。ここからは石井の試打インプレッション。シリーズの特徴をモデル別に語ってもらった。

「4モデルの中で一番簡単なのはZXiです。これまでのZX5 MkⅡの後継機種という立ち位置で、球がつかまりやすくて上がりやすい。打感は前作と似ていますが、“パカン”と抜けた感じがあったところがしっかり是正されて、締まった感じの音になりましたね。ウェットかドライかと聞かれたらドライな音で、小気味よく球を弾く感じがあります。後述するZXi MAXとの比較になりますが、ZXi MAXより機動力があり、クラブを動かせる感じが残されています。ヘッドを上から見た感じでは、4つのモデルの中で投影面積が一番大きいように感じます。総じてとてもオーソドックス。みんなにいい結果をもたらしてくれそうな、ユーザーフレンドリーなモデルです」

ZXiは投影面積をバック側に広げた形状。石井が大きく見えたのはそのせいか。適度な重心距離で高慣性モーメントだが、しっかりつかまるのが売り。重心高を少しだけ下げ、従来モデルより低スピン化を図っていて、ヘッドスピード43m/s で打った場合、ZX5 MkⅡよりボールスピードが1.3m/s、トータル飛距離は9.3ヤードアップしているという。

「ZXi TRはZX7 MkⅡの後継という認識です。ソールのウェイトもZX7と同じような位置に設置されていて、ヘッドのサイズ感はZXiより小ぶり。インテンショナルに球を曲げる、ちょっと強い球が打ちたい、スピン量を増やすのも減らすのも自分でやる、といったゴルファーが嗅ぎ分けそうな匂いがします。見た目からして球をコントロールしたい人向けのクラブ。実際、打ってみると弾丸ライナーみたいな強いボールが出ます」

石井の言うように、ZXi TRは450㎤の小ぶりな形状と短い重心距離で高い操作性を実現したモデル。安心して叩けるイメージのオープンなフェース角とディープでハイバックな形状が特徴だ。こちらはメーカー調べで、ボールスピードが0.5m/s、トータル飛距離が4ヤードアップしている(ヘッドスピード46m/s、ZX-7 MkⅡとの比較)。

4つの中で一番飛ばせるZXi LS、ゼクシオテイストが加わったZXi MAX

「ZXi LSは、僕の中では一番飛ばせるモデルでした。ZXiのつかまり感や球の上がりやすさに比べると、つかまり感は抑えながらも、球の上がりやすさとロースピンな感じが同居しているので打球が前に行きます。打感については、ここまでの3モデルともに違います。同じ素材で同じ作り方をしていますが似ている中にも違いがあります。僕の好みで言うならZXi LSの打感が好きですね。僕は前作のZX5のLSを購入して使っていた経緯があって、その頃からいい打感でした。ヘッド形状も何となく締まった感じがあっていいですね」

ZXi LSは低スピンモデル。重心位置を浅くして、高慣性モーメントを維持しつつ低スピン化しているが、シャローバック形状で低重心にしているので打ち出し角は高い。クラウンの頂点を中央に寄せてアップライトに見えすぎないようにするなど、細かい配慮にも抜かりはなく、従来のZX5 MkⅡLSに比べるとボールスピードで0.6m/s、トータル飛距離で3.6ヤードアップした(ヘッドスピード43m/sで比較)。

「最後にZXi MAXですが、MAXとはサイズではなく、慣性モーメントの大きさや、やさしさを表現していると思います。印象としてはスリクソンにゼクシオXが加わっている。打感や雰囲気はスリクソンですが、ゼクシオXよりはヘッドが動かない。どちらかといえばXの方が操作性があり、ZXi MAXはオートマチックに真っすぐズドーンと飛びます。球も上がりやすくて捻れません。スピン量があっても曲がらない感じです。抑えめではありますが、スリクソンの中では慣性モーメントが高いモデル。ダンロップのドライバーといえばスリクソンとゼクシオですが、これまで高慣性モーメントを売りにした、曲がらないドライバーはありませんでした。その意味では、ちょっと毛色の違う挑戦的なモデルが出てきたと感じます」

シリーズにあって、やさしさを追求したモデルがZXi MAX。慣性モーメントはシリーズ中最大で、深低重心設計で寛容性と直進性はピカイチ。ヘッドの投影面積も大きくて安心感がある。また、重心位置をややヒール側に設定することで、ボールの上がりやすさとつかまりやすさも向上している。

ハードルの高さを感じさせない新しいスリクソンドライバー

では、4つのモデルからどんなふうに選べばいいのか、また、どんなゴルファーに適しているのかを教えてもらおう。

「ドローやフェードなど、自分で意識して球を打ち分けられる人はZXi. TR。そんな難しいことはできないけれど、カッコいいクラブを使いたいし、オートマチックにつかまる感じが好きな人ならZXi。他社のLSよりはスピンが入ると思いますが、ドライバーのスピン量が多いことがお悩みならZXi LS。もっと直進性が欲しければZXi MAXという感じです。MAXのように慣性モーメントが高いドライバーには、上がりやすいけれど若干スピン量が増えて飛ばない、という一面があるので、それをポジティブにとらえられるならいいでしょう。他メーカーの高慣性モーメントモデルを使って、ちょっとフェースが開いてつかまりきらない傾向のある人にはMAXの効果が期待できるかもしれません。今回のモデルは、スリクソンだからと言ってハードルが高いわけではありません。純正シャフトのディアマナもベンタスもしっかりしています。ディアマナは軟らかめ、ベンタスはしっかりめ。ベンタスについては、冬場ならこのままでいいと思ったくらいです。さすがに力が入ると厳しいですが、あまり加減しなくても真っすぐ飛びました。ヘッドスピード40m/sくらいで振っているぶんには安定していますし、見た目もカッコいいですからリシャフトしなくてもいいでしょう」

今回試打したモデルはいずれもロフト10.5度。9度なら全体的に前に行くかもしれない、と石井。「キーン」というゼクシオ感より「ビシッ」というスリクソンを使いたいという人にも、今作は向いているということだ。総じて打感がよく、見た目もカッコいいので、前作が気に入っている人でもスムーズに移行できそうだ。

試打:石井良介
いしい・りょうすけ
1981年生まれ、神奈川県出身。2007年日本プロゴルフ協会入会。A級ティーチングプロ。アマチュアを指導する傍ら、令和の試打職人としてYOUTUBEチャンネルや様々なゴルフメディアで活躍中。フリー。