設計自由度が高いからこそ、タイプが増えた中空アイアン

中空アイアンが数多く出ていますが、今どきの中空アイアンが全て同じタイプかといえばそうではなくて、いろいろな作り方をしているモノがあります。中空というヘッドの構造によって設計自由度が高くなるもの。そういう意味で「いろんな種類がある」ということを大前提として覚えておきましょう。
中空アイアンのメリットとして一番に挙がるのは、フェース面を薄く作れるのでボール初速が向上します。それから、設計自由度が高くなるぶん、ミスヒットの寛容性が上がりやすい。一方で、今まで懸念されていた「打感」という面は、異素材(振動吸収材)をインサートしたりすることで、そこもクリアできてきました。
そういった要素があって、アイアンの中の一つのカテゴリーとして「中空」が確立されています。だからこそ、飛距離と寛容性を両立しようとしたときに「中空」というモノが挙がるのでしょう。各メーカーが同じシリーズの中で、キャビティ、ポケットキャビティ、中空というように、3つのカテゴリーのアイアンを狙いによって作り分けているのが現状です。

技術の進歩や素材の多様化により、アップグレードした中空

製造技術が発達してきたこと、新しい素材がたくさん流用されるようになってきたこと。その2つが、中空アイアンが増えている理由です。ヘッドの構造がハッキリと変わるぶん弾道の変化が起こりやすいので、使うプレーヤーにとってもメリットが大きいことは言うまでもありません。
今やアメリカとかでは“コンボ式アイアン”がスタンダードになっていますが、日本だとまだなかなか定着していません。でも、これからはだんだん、ロングアイアンはこういう構造にして、ミドルアイアンはこういう構造にして、というように番手によってヘッドの構造が変わっていくようなセットを、自分で組み上げていくことがスタンダードになっていくのではないでしょうか。

初速、打ち出し高さ、スピン量、寛容性がUPする

冒頭でも述べたように、今は中空アイアンのバリエーションが増えています。目立つところで言えば、中・上級者がしっかり使える中空アイアンが増えていること。たとえば、テーラーメイドの「P770」「P790」とか、キャロウェイの「APEX Ai200」「APEX Ai300」とか。それらのモデルは、スゴく良いパフォーマンスを出していると思います。

実際に打ってみると、他の鍛造でできたアイアンよりもボール初速が上がる、打ち出しが高くなる、スピン量が増える、寛容性が向上する、というメリットが出てきます。もちろん、アベレージゴルファーが使える中空アイアンも出ていますよ。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。