ユーティリティとフェアウェイウッドのシャフトの重さ気にしてる? 当たらないのは『軽すぎ』が原因かも
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第165回
ユーティリティとフェアウェイウッドの純正シャフトの重さは軽すぎるのではないか? というゴルフライターT島氏。大蔵ゴルフスタジオのクラブフィッター・金子氏と純正シャフトの重さについて語り合います。
”純正シャフト”の性格は幅広いゴルファーに対応。でも重さは?
金子 先日、この連載記事を読んだお客様から『純正シャフトはダメって、T島さんが言っていたんだけど?』と言われました。
T島 えー!? そんなこと言ったっけ? でも、誤解させるような言い回しがあったのかな。純正シャフトがダメってことじゃないんですよ〜。
金子 はい。純正シャフト自体がダメと言っているわけじゃないと、説明させていただきました。
T島 ありがとう。では、今回は純正シャフトをテーマにお話ししましょうか。まず、純正シャフトって、主にコストにおける制約が多いです。
金子 でも、コストをかけている=性能が良い、というわけじゃないですよね。
T島 そうだね。コストの制約があるにせよ、純正シャフトがヘッドの性能を活かすために考えられたシャフトであることには間違いありません。
金子 ひとつのヘッドに特化した性格のシャフトが純正シャフトというわけですから、利点もあるんですよね。
T島 そうです。また、できるだけ幅広いゴルファーにマッチするような性格のシャフトになっています。ですから、カスタムシャフトのように、ある特定のゴルファーのためのシャフトはなっていません。
金子 そうですね。純正シャフトにはあまり尖った性格のシャフトが装着されていません。誰にでもそこそこマッチするというか。
T島 そう。誰でもそこそこ打ちやすいというのが純正シャフトです。もちろん、ある人には“ベストマッチ”することもあります。
金子 純正シャフトにクセのない中調子のシャフトが多いのは、そのせいですね。
T島 クセがあったら幅広い人にマッチしないもんね。
金子 純正シャフトの重量設定についてはどうでしょう?
T島 そうですね。幅広いゴルファーを対象にしているので、重すぎても軽すぎてもいけません。だから、純正シャフトの重さのバリエーションは、40、50、60gという標準的な重さが多いです。
金子 ドライバー用のカスタムシャフトはスチールシャフトまで加えると30g台から100g台まであります。純正シャフトが幅広いゴルファーに対応しているとはいえ、標準的なゴルファーを対象に考えられているということですね。
T島 だから、純正シャフトの重量帯にマッチするという人はたしかに多いですが、当然マッチしない人もいる。
金子 はい。ドライバーのシャフトの重さ選びはとても大切ですよね。ドライバーよりは問題が少ないですけど、困っている人が多いのがフェアウェイウッド、ユーティリティの重さ選びです。『純正シャフトがダメ』と受け取ったお客様は、フェアウェイウッドとユーティリティ(以下FW、UT)の純正シャフトのことでした。T島さんが指摘したのは、FWとUTの純正シャフトの重さですよね。
T島 はい。FWとUTの純正シャフトには重さの選択肢が少ないことが多いです。1種類の重さしか用意されていないことも少なくない。
金子 そして、総じて軽すぎるんですよね。
T島 ゴルフクラブのセッティングは、ドライバーからFW、UT、アイアンと番手が下がっていくに従って重くなっていくのがセオリーです。その点において、FWとUT、アイアンの純正シャフトは軽すぎると思っています。
金子 そうですね。アイアンの純正カーボンシャフトって、アスリート向けモデルでも60g台であることが少なくないです。そうなると、ドライバーとアイアンの重さに差がないですよね。
T島 ドライバーの純正シャフトが60gだとして、同じシリーズのアイアンも60gだと「どんなゴルファーを想定しているんだろ?」って疑問を抱えてしまう。アイアンだけを試打したら、軽いほうが飛ぶから売れるのかもしれないけど……。ゴルフは14本のセットで構成されているからね?
金子 クラブセッティングの流れが作りにくい重量設定ですよね。そうした重さのアイアンとドライバーの間に入るFW、UTの純正シャフトは、どうしても重さが軽すぎる設定になってしまいますね。
T島 それがFWとUTが苦手な人が量産される原因になっているんじゃないかな。
金子 厳しい! 純正シャフトの性能に問題があるのではなく、最適な重さが選べないのが問題ということですね。
T島 だから、大蔵ゴルフスタジオには豊富な重量帯のシャフトが用意されているというわけですな。
金子 そうですね。そこから考えると、他社と比べて純正シャフトの選択肢が多いピンの人気が高いのもうなずけてしまうわけです。
T島 あとは硬さですね。純正シャフトは硬さの選択肢も少ないです。60g台のSしか選べないとか、けっこうあるものね。でも、コストの制約があるから重さも硬さも豊富に取り揃えるのは、なかなか厳しい。これは仕方ない。
金子 ということで純正シャフトが悪いわけじゃなくて、多種多様なゴルファーが存在する中で、結果的に純正シャフトで補えないことのほうがあまりに多いんですよね。
T島 純正シャフトがハマる人も間違いなくいます。例えば鈴木愛プロは、ずっとピンの純正シャフトを使い続けています。
金子 はい。純正シャフトでもシャフトの性格、重さ、硬さがピッタリならそのままでOKなんですけどね。
T島 はい。全然問題ないです。大蔵ゴルフスタジオでフィッティングしている人に、“純正シャフトピッタリですね”と言っているの見たことあります。
金子 まあかなりレアケースですけど。
T島 そうだねぇ。みんなにピッタリなら大蔵ゴルフスタジオみたいなシャフトのフィッティング屋さんはいらない。
金子 はい。フィッティングスタジオは必要ありませんよね。
T島 ということで、一度フィッティングを試してもらいたいですな。
金子 自分にピッタリ!という快感を味わっていただきたいです。
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T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
大蔵ゴルフスタジオ
上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。
取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/