カップ1個分といっても、認識の違いで54mmのズレが生じる

パッティングの際、キャディさんから、「カップ1個分右に外した方がいいですよ」とアドバイスを受けることってありますよね。そんなとき皆さんはどこを狙って打っていますか?

そもそも皆さんは、“カップ1個分右(左)”がどこを指しているのか考えたことがありますか? おそらくほとんどのゴルファーが、自分なりのカップ1個分のズレが決まっていて、何の迷いもなくそこに向かって打っているのではないでしょうか。

しかし実際は、アドバイスをする人(キャディさん)とアドバイスを受ける人(プレーヤー)との認識がズレていることがあります。

ゴルファーに聞くと、だいたい次の2つに分かれます。

1つは、カップの中心からカップ1個分移動した位置。カップの縁からはカップの半径分ズレたところが1個分と考えるケース(A)です。

そしてもう1つは、カップの横に置いた仮想カップの縁をカップ1個分と考えるケース(B)です。

カップの直径は108mm。だから、Aの場合は、カップの縁からは54mmのズレ、Bの場合は108mmのズレになります。このことからも分かるように、認識の違いで54mmという倍のズレが生じてしまうのです。

果たして、どちらが正解なのか?

ラウンドの前にキャディさんの“1個分”を確認しておこう

実を言うと、正解はありません。「カップ1個分外せといわれた場合は、A(あるいはB)を狙いましょう」というような決まりはどこにもないのです。

多数派は2つだと言いましたが、AとB以外にも、「仮想カップの縁の内側にボールの外側の縁が重なるように置き、ボールの中心を狙う」「仮想カップの外側にボールの縁が重なるように置き、ボールの中心を狙う」という人もいるようです。

実際、プロゴルファーでも認識が統一されていません。「子どもの頃からAの位置が正解だと信じていた」という人もいれば、「先輩プレーヤー(あるいはキャディさん)からBだと教えられた」という人もいます。

笑ってしまうのは、トーナメントで戦っているプロとキャディさんの間でもズレがあるケースがあること。それもハウスキャディではなく、エースキャディとの間でも認識が違っていることがあるそうです。もちろんどこかの時点で修正はしているようですが、「えっ!? そうだったの?」ということも少なくないようです。

アマチュアゴルファーの場合も確認が必要です。セルフでプレーをしている場合は、自分なりの“1個分”でプレーをしていれば全く問題ありませんが、キャディさんからアドバイスをもらう場合は、キャディさんの1個分をあらかじめ確認しておきましょう。
カップだけでなく、ボール1個分がどこを指すのか、また、「ちょっと右を狙った方がいい」という場合の“ちょっと”とはどの程度なのかもプレー前に聞いておいた方がいいでしょう。

真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。

ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。