左に池が広がる史上最長パー3を定点観測してみると

グリーンの左はすべて池となる17番パー3は、197ヤードの設定だった昨年の最終日と今年の初日は難易度が1位でした。

そのホールが「史上最長」になったらどうなるのか? は大いに気になるところ。
そこでこの距離のセッティングとなった2日目に、ティーイングエリアの横でアウトスタートの16組48人のプレーを定点観測してみました。

「伊藤園レディス」は3日間大会なので、2日目は成績順のペアリング。アウトからスタートするのは、初日の成績が上位の選手たちです。

ピンポジションはセンターより少し左の池にほど近い位置。

奥行き40 ヤードのグリーンでフロントエッジからは10 ヤードだったので、センターよりやや手前。実測は211ヤードでした。
向かい風が時おり強く吹き、ほとんどの選手はフェアウェイウッド(FW)を使用。ドライバーで打った選手も6人いました。

1オンに成功したのはちょうど3分の1の16人でしたが、青木瀬令奈、堀琴音と石田可南子はドライバーでグリーンをキャッチ。ドライバーでティショットした選手の方が乗せる確率が高い結果になりました。

岩井明愛はギャラリーをどよめかすも…

アイアンで打ち、「この距離を!?」とギャラリーをどよめかせたのが岩井明愛でした。
狭い花道を上手く使ってボールはピンに向かったように見えたものの、着弾後のキックが悪く無情にも池ポチャ…
他にも3人。初日単独首位で最終組だった政田夢乃など計5人 が池にボールを落としていました。

圧巻だった、女子プロたちの「攻める」マインド

このホールでダブルボギー以上叩く“大ケガ”をしないためには、グリーン右のバンカーに届かないクラブで花道にボールを運び、ランを使えるアプローチで寄せワンを狙うのがベストの選択でしょう。

それをした女子プロはほとんどいませんでした。2日目は予選カットもありますから。ボーダーライン付近だと安全策を取りたくなりそうなもの。
それがFWやドライバーで200ヤード超先のグリーンをキャリーで狙う「攻める」マインドと正確性は圧巻でした。

これぞプロ、とギャラリーも堪能

このホールに池がなかったら、単に「長いパー3」です。
左に池があるからこそスリリングになり、そこを果敢に攻める女子プロたちの技と勇気をギャラリーも堪能していました。
手前6メートルに乗せた藤田さいきは、「今だけはカッコつけさせて」と同伴者に言った上で、笑顔で大歓声に手を上げて応えるとバーディーパットも決め、さらに大きな歓声を浴びていました。
10番スタートの「裏街道」でも、横峯さくらは風の影響を避ける低い弾道で2メートルに乗せてバーディー。対照的に初日88位と出遅れた竹田麗央は圧倒的な高い弾道でグリーンを捉えます。
最も大きな声援を受けていたのが、2年4か月ぶりに復帰した大山志保。FWでワンオンに成功させると笑顔でファンに応えていました。
JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の中には「女子には難しすぎるのでは」との声もあったそうですが、蓋を開けてみれば最高のエンターテインメント空間ともなっていました。
来年大会では最終日もこのティーイングエリアを使うことも検討され始めているそうです。
年間女王争いにどんな影響を与えるのか、今から楽しみですね。

(文/森伊知郎)

「伊藤園レディス」17番パー3(2日目、225ヤード)
ワンオン成功          16人
ティショットでドライバーを使用 6人
池ポチャ            5人
(集計は筆者 1番スタートの48人が対象)