初エース、銅メダル、年間王者に肉薄…2024年の松山英樹を支えたのは“トウモロコシ”?
松山とトウモロコシ? ダンロップフェニックス会場のSDGsブースにその秘密があった。
2024年の松山英樹を振り返ると、1月の「ファーマーズ・インシュアランス・オープン」2日目にPGAツアーでは自身初となるホールインワンを達成。8月にはパリ五輪で銅メダルを獲得し、その興奮も冷めやらぬ2週間後にはPGAツアーのプレーオフシリーズでアジア勢初の勝利を挙げ、年間王者争いにも肉薄した。その活躍を支えたのは、なんと「トウモロコシ」だった。
「ダンロップフェニックス」会場で、新作ボールとともに展示されていたのは…
松山は今週、日本男子ツアーの「ダンロップフェニックス」に出場しています。
この大会は総合契約する住友ゴムが主催者ということで会場内には同社のSDGsブースも設けられていました。
そこには今月8日に発表され、来年1月17日から発売となる2025年モデルの「スリクソンZ-STARシリーズ」ボールも展示されています。
その横にはトウモロコシが(さすがに実物ではなく、プラスチック製)置かれていました。
全くゴルフに関係なさそうなのに、なぜ?と思いきや、今年の松山の活躍を支える原動力となっているようなのです。
なぜ、ゴルフボールにトウモロコシ?
松山は今年初めから「Z-STAR XV」の2025年モデルを使用しています。
このボールはウレタンカバーの素材に、トウモロコシから抽出した「バイオポリオール」というものを配合する製法を採用しました。
そうすることによる最大のメリットは、従来の石油由来の原材料を使うのと比べて、製造時のCO2排出量を減らせることにあるのだそうです。
削減できるCO2がどれほどの量なのかというと、現行のZ-STARシリーズと同じ数を生産した場合には約30.7トンにも。
体積でいうと、500ccのペットボトルで約3100万本。仮にこれを縦に並べると長さは6000キロを超え、日本からの距離でいうとアフガニスタンやウズベキスタンといった所までに相当します。
SDGsなゴルフ用品でキャリア最高の成績
原材料にトウモロコシを使ったのは話題作りのためではありません。世界が積極的に取り組んでいるSDGsを生産過程で初めて成し遂げるために必要な原材料だったのです。
いわば“地球に優しい”ボール。肝心の性能は、どうなのでしょう?
使うようになった今年の活躍を振り返ってみると、1月の「ファーマーズ」2日目でホールインワン。
夏にはパリ五輪で日本男子ゴルフ史上初の銅メダル獲得。
そしてプレーオフシリーズでアジア勢初の勝利を挙げて年間王者にあと一歩に迫ったシーズンは、PGAツアーでキャリア最高の1125万7969ドル(約17億4000万円)を稼ぎました。
この結果を見れば、これ以上の説明はもう不要でしょう。
大会史上タイ 7打差逆転Vの可能性は?
「ダンロップフェニックス」は首位のマックス・マクグリービーと7打差の3位で最終日を戦うことになりました。
この大会での最多逆転優勝スコア差は1984年のスコット・シンプソンの「7」で、くしくも現在の松山と同じです。
40年ぶりの快挙がなるかについては「60台前半ぐらい出さないとダメだと思うので、そこに照準を合わせて頑張りたいと思います」と意気込みを語りました。
SDGsな“トウモロコシボール”で快挙達成なるかに、17日の最終日は注目です。
(取材・撮影・文/森伊知郎)
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