「頭をしっかり残して」の本当の意味は「打ったら頭は回していい」です【飛ばしてナンボ】

飛距離優先型のレッスンで定評の小池正次がレクチャーする「すぐに飛ばせるようになるコツ」シリーズ。第11回はインパクトからフォロースルーにかけての飛ばしのポイントを解説する。「ボールを見て打つことは大事ですが、見過ぎるのは逆効果ですよ」と小池。コレって何か矛盾していない!?

構成／三代 崇　写真／相田克己　協力／丸山ゴルフセンター

インパクト後は首を回転させて気持ちよく振り抜くことを優先しよう！

ボールがあった場所を見続けるとフォロースルーが小さくなってしまう

ボールが飛ばないし、曲がってばかり。そんな悩みが尽きないゴルファーはとにかくボールにちゃんと当てようとして、顔がずっと下を向いたままのスイングになってしまいがちです。

つまり、ボールの見過ぎはよくないということです。「顔や頭をしっかり残して打ちましょう」といった教えもありますが、ボールがあった場所をインパクト後も見続けていては、肩や腰の回転不足を引き起こします。そうなるとクラブヘッドで大きな円弧を描くようなスイングができず、飛距離が伸びません。

インパクトで頭が下がるヘッドダウンやフォロースルーで左ヒジが引けるなどのミスも生じやすく、ミート率を低下させてしまう原因となります。

インパクトからフォロースルーにかけて下を向いたままのスイングになっている人は、バックスイングでもボールをよく見ようとして顔を下に向けているケースがほとんどです。

「ボールをしっかり見なくちゃ！」という気持ちを一度捨ててみてください。そしてバックスイングで顔を右に向けながら肩を回し、インパクト以降でも顔を左に向けながら肩を回しましょう。

首と一緒に顔を左右に回しても、スイング軸となる首のツケ根と背骨の位置が変わらなければOKです。

ヘッドアップはダメ。ルックアップならスムーズに振り抜けて飛ばせる

ボールを見過ぎる人は、ボールの一点をにらみつける感じで構えて、スイング中もアドレスの目線を変えないようにと一生懸命になっています。

目線をキープすることは大事ですが、ボールの一点を凝視するとアドレスの姿勢が小さくなりやすく、肩や腕が力んでしまいのです。

ボールを見ているけれども、ボール周りの全体を眺めている。そんな気持ちで構えれば自然にアドレスの姿勢が高くなりやすく上体がリラックスしてきます。

そしてボールをヒットしたら首を無理に止めないで、顔と胸板を一緒に目標方向に向けましょう。

腰や肩がスムーズに回転し、フォロースルーで大きな円弧を描けてヘッドスピードがアップします。

飛ばすにはボールをよく見て打つよりも、スムーズに振り切ることが優先です。カラダの回転を途中で制限しないで、フィニッシュまでしっかり回転する意識を持ちましょう。

ただし、インパクト前に顔が早く目標方向に向いてしまうのはNGです。この場合は大抵カラダの左半身が伸び上がって頭が浮いています。

コレがヘッドアップの正体で、ボールを上げようとしてすくい打ちになってしまうパターンです。

ボールの周辺を見る気持ちでインパクトしたら、あとは目線を目標側に向ける自然なルックアップが飛ばしのコツです。

小池正次
こいけ・しょうじ

1966年12月28日生まれ、北海道出身。JPDA（日本プロドラコン協会）ツアープロ。ドラコン公式記録は370ヤード。2020年からYouTube『ゴルフ飛ばしてなんぼ！』を配信開始し、現在フォロワーは22万人を超える。関東と北海道を拠点に多くのアマチュアをレッスンしている。親切で分かりやすい指導法で人気。2024年5月、丸山ゴルフセンター（千葉県船橋市）にゴルフスタジオ『ゴルフ飛ばしてなんぼ！』をオープン。