100切りゴルファーは使うクラブの本数を絞るが、目標が90切りになったら増やすことを考えよう
吉本巧のゴルフギア教室 第43回
スコア80台を目指す段階になったら、まずはアプローチの技術を磨くことに重点を置くべきだと言う吉本巧。そこで頭の中を切り替えてほしいのが「アプローチ=スイング」であるということだと言う。どういうことなのか、詳しく解説してもらおう。
クォータースイングを固めて着実にボギーオンを増やそう
100を切ったあとは90切りに向かって歩き出しますが、この段階では技術の養成とクラブの編成を同時進行でやるのが理想です。
技術面ではまずアプローチの向上。100切りのメインはフルスイングでしたが、90切りになったらショットと並行してアプローチも厚めに練習します。ショットはまだフルスイングのままでOK。コントロールするのは85切りのレベルになってから十分です。
アプローチを磨くポイントはショットと別物扱いせず、フルスイングの4分の1(クォータースイング)で打つものと考えます。100切りを達成する頃にはスイングはある程度固まってきますから、次はクォータースイングを固めるわけです。この2つさえ頑張れば90は切れます。
というのも、クォーターを固めることで着実にボギーオンが増えるから。仮に全てのホールでボギーオン2パットならスコアは90(パー72の場合)。寄せワンが1個取れれば90切りです。もちろん言うほど簡単にはいかないので、まず目指すのはボギーオンですが、グリーン周りから乗せるだけならクォーターを固めるだけでいい。すべてピッチ&ランでOKで、これを3本のウェッジでできれば3種類の距離を打てますからボギーオンの確率はグンと高まります。
100切りの練習はこれでOK! 『3本のクラブ』でフルスイング打ちを繰り返して再現性を底上げ!
100切りにとって本当に必要な練習とはなんだろう? 練習をするにしても、効率が良くて時間のあまりかからない練習方法がいい...
参考までに記すと、これに加えて2分の1(ハーフスイング)と4分の3(スリークォータースイング)を固めると85切りの世界に突入できます。距離を打ち分けられるようになるのでグリーンオンにチャレンジできるホールが増え、徐々にパーオンを狙えるようになっていくのです。
さて、次にクラブ編成ですが、100を切るまでのセッティングは骨組みだけでOK。骨組みとはドライバー、フェアウェイウッド1本、ユーティリティ(以下UT)1本、5番~ピッチングウェッジのアイアンセット(6、7番からでもいい)。この本数を一応持っておき、練習、ラウンドともにドライバー、UT、ミドルアイアンの3本をメインで使うと話しましたが、100を切ったらUT重視かウェッジ重視かで残りの番手を決めるのがおすすめです。
すなわち、UTを充実させてもう1~2本入れるか、ウェッジをもう1~2本入れるか好みで選ぶのです。特に好みがなければ、自分に足りない部分を補ってくれそうな方を選ぶ。100を切るレベルならUTかウェッジか、どちらが自分の弱点かわかると思うので、不得意な方の底上げを図るわけです。算数が90点で国語が50点だと、みんな算数を100点にしたがりますが、平均点を上げるには国語の50点を60点にする方がずっと楽。これと同じ考え方です。
100切りでは使う番手を絞りましたが、90切りでは増やします。でも、増やすだけではダメ。例えばロフト25度のUTに22度を足した場合に「ロフトが3度立っているから飛ぶ」だけでは不十分で、飛距離の差を明確に掴みたい。ほかにも弾道の違いや、クラブが長くなったぶんミート率が落ちて25度の方が飛ぶこともあるとか、25度はラフから打てるが22度は打てないなど、近い番手でも違いがあることを学習してほしい。ウェッジもそうで、これまでロフト52度1本だったところに56度を足した場合に、距離感や球筋の違いを知っておくのです。いわば番手間の差を勉強するのが90切りのタイミング。こうすることで90切りまでの時間が短縮されるだけでなく、その先々にも役立ちます。
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吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。